週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:PWCSランクバトル VS ダイゴ 前編

「……―――はぁはぁはぁっ……」

 

止まっていた呼吸が再び再開される、酸素がまるでなかった肺に空気が入って来る、それを感じつつも高鳴り続けている心臓の音を抑えようとする……見つめる先には以前描いたものとは別の神があった。シンオウ創世神話における第三の神、ギラティナ……それを描いてみたのだが……予想のど真ん中を突き抜けた。

 

「全身に纏わりつくこの疲労感と反比例するみたいに、研ぎ澄まされている感じがある……神を描く事の代償か……」

 

何れ行う式で飾る事を決めているシンオウ神話の神々、それを描いていたのだが……これで残るは……創造神たるアルセウスだけになった。だがディアルガ、パルキア、ギラティナを描くだけでこれほどまでに疲弊をするのならばアルセウスの姿を描こうとしたら自分はどうなってしまうのだろうか……

 

「これが神の姿……なんというアヴァンギャルドなのだ……これこそ人間が手を伸ばし続けるもそれを拒み続ける高次元に存在しつつも我々と触れ続ける存在たる神……おおっこれぞ神々の威圧、威光、敬服、感動っ!!!!まさにアヴァンギャルドぉ!!!!」

 

自分の作品を見て、涙を流しながらも感激に身を震わせているのは自分の絵の師でもあるコルサ。今回、結婚式でもお世話になるのだが、式場などに飾る絵を見せて欲しいと言われた。式場の選定やセッティングにも関わるという事なので案内して見せた結果、アヴァンギャルドが連発していた。それほどに評価してくれるとは思いもしなかった。

 

「これがシンオウ地方の神々……実に素晴らしい!!!う~む、これは私も作ってみたいものだ……だがこれほどのものとなると大仕事だな……フフフッだがそれがいい!!いつの時代も挑戦という行いには胸が躍るというものだなラビよ!!」

「全くです」

「ラビよ―――これならばお主の故郷、イッシュ地方の伝説を描くのもありなのではないか?」

 

それを言われて驚いた、それは、確かに良い案だ……確かにサザレの本家を意識してシンオウ神話の事ばかり考えていたが自分はイッシュの出身なんだから、これらに対抗して此方の神話の英雄達を描いて、神と相対させるというのも中々に素敵な案なのではないだろうか……?

 

「神と英雄が相対する構図……コルさん、貴方天才ですか?」

「フフフッまだまだ上を行かれるつもりはないのでな、しかし……問題もあるな」

「ええ、正直、書けるか不安です」

「ウム……これほどの絵を描く為に体力を消耗するのは理解できる、だが貴様のそれは明らかに違うぞ。明確に、この絵に生気を奪われている。この上で英雄の絵を描くとなると貴様の身体が持たぬのではないか?」

 

それは分かっていた事、ディアルガとパルキアを描いた時点で自分は相当に苦しい目にあったが、このギラティナも相当にきつかった。筆を持っている間は呼吸が出来ず、筆を動かすだけで酷く疲れる程に重かった、瞳を入れる瞬間など心臓に痛みすら感じた程だ。それでもやり切ったのだが……本当に絵を描く人間というのは度し難いな、と思った。

 

「そっちは何とかなると思いますよ、ハッキリ言いますけど俺はイッシュ神話のあれらは好きではないので」

「むっそれが関係しているとのか?」

「まあ英雄と神は別腹って事です」

「分かるようで分からんな……?」

 

ゼクロムとレシラム、そしてキュレム。それらを描く事は大丈夫だろう、あれらに吸い取られるものなどはない、逆に吸い取ろうとしたらそれを逆に辿って虚無を流し込んでやるとキュレムがガチで言っていたので問題はない。

 

「それでどうしますコルさん、上でお茶用意しますけど」

「済まぬが暫く此処にいさせてくれ、この空間に満ちている力を感じたい。そしてここで創作活動をしたい、構わんか?」

「勿論。後で差しいれ持ってきます」

「すまん」

「いいですよ」

 

コルサに頭を下げてから作業部屋から出る、コルサの顔は煌びやかな物と強い物を帯びていた。それだけの顔を師にさせる事が出来た……心から嬉しい事だ、リビングへと入るとそこには客人がいた。思わずラビはポカンとするのだが、その客人はティーカップとソーサーを持ってメブキジカのお茶を楽しんでいる姿が凄い絵になっていた。

 

「何時の間に来たんですか」

「ついさっきさ、そうしたら君は仕事の師匠さんと話をしていると聞いてね、改めようとしたんだけどサザレさんにちょうどお茶を入れた所だからどうですか?と誘われてしまってね、本当にいいお茶だ……メブキジカのお茶が此処まで香り高くて味わい深いとは知らなかったよ」

「俺のメブキジカですからね、それで何の用ですか―――ダイゴさん」

「もう、分かっているんだろう。君ならね」

 

そう、現ホウエン地方チャンピオンがそこにいたのだ。そしてその目的は勿論……二人は視線を交えると自然と立ち上がった。お茶をその場に置いて立ち上がったダイゴはラビの後に続いていく、サザレもそれを追いかけながらもラビからスマホロトムを受け取って配信の設定を済ませると、直ぐにロトムを飛ばした。直ぐにやって来たドローンロトムはその場の空気の重さに気づいたのか、喉を鳴らしてそれを見つめながらも声を張り上げた。

 

 

『スマホロトムより互いの情報を取得。このバトルはPWCSランクバトル、ハイパーボールクラス公式戦として承認されました。対戦ルールは3対3、ポケモンの交代は両者自由となります。ラビ選手 VS ダイゴ選手。それでは両者、最初のポケモンをフィールドへ』

「行くよ、大地を揺るがせボスゴドラ!!」「ドオオオラアアアア!!!!」

「今度は勝ちに行くぞ、アシレーヌの相手をして鍛えた力を、見せてみろラグラージ!!」

「ラグアアアアアアアアアアッ!!!」

 

 

To Be Continued……!!

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