週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:ひと時の安らぎを……。

「ZZZ……」

「ZZZ……」

「「ZZZ……」」

「本当にこれがマスターズエイトの一角を落としたトレーナーの姿なのかなぁ……?」

 

リビングにある大型のクッションに身体を預けながらも寝息を立て、その上では相棒たるポケモンが身体を預けて安心しきった表情で寝息を立てる。時折寝息がシンクロして同じ呼吸、同じ高さ、同じタイミングでくしゃみまでするというどこぞのユニゾン生活かと思わせる程のシンクロっぷりを見せているのは先日、マスターズエイトの一角であるダイゴを下した今話題沸騰中のトレーナーであるラビである。うっかり配信を切り忘れた事で第三の業である巧業について軽くレクチャーをしてしまった事でまた世界中は大混乱しているが、当の本人はそんなこと知るかと言わんばかりに昼寝を楽しんでいる。起きたらこれでまた夜の寝付きが悪くなったとか言う癖に何で昼寝をするんだろうか……。

 

「ダイケンキも此処まで無防備な姿を見せるなんて……」

 

サザレもラビとの付き合いは長いのだが、此処まで無防備な姿を晒しているのを見た事が無い。旅の間はずっと野生のポケモンを警戒していたとかは分かるのだが、ポケモンセンターでもリラックスしきった姿を見せる事もなかったのに……ラビの隣だと此処までだらしないとすら思えるような姿を見せるのか……と思わずシャッターを切ってしまった。本来ならダイケンキも何か言って来る筈なのに何も言って来ない……此処までくると何か別の原因があるのではないかと邪推をしてしまいたくなるのだが、ただ単に疲れているだけだろう。

 

よくよく考えてみると、先日のラビはギラティナの絵を仕上げた後の疲労しきった状態でのバトルをしていたのだからそれは疲れて当然だ。結果的に肉体的にも精神的にもえげつなく消耗しており、食事を取って直ぐ寝室に入った。自分も後から寝室に入ったがそこでは完全に寝落ちして、寝相すらしない程に深い眠りに落ちていた。コルサが今朝早くに帰っていったが、ラビがまだ寝ていると言われると察したように静かに去っていった。なんて理解がある師なんだろうか……。

 

「「ZZZ……クシュンッ!!……ぅぅんっ……ZZZ……」」

「またやってる」

 

本当に二人は一心同体なんだなぁという事がよく分かる、ムーランドを越える程の付き合いの長さというのがよく分かる。そんな愛しい人は今や世界から注目される人、オモダカからもお小言を貰ったりもしているが……自分の一番大切な人だ。早く式を挙げたいなぁ……と不意に思いながらもラビの頭をなでる。そんな事をしてると不意にダイケンキの頭って撫でていいのかな……と思い立ってしまった。考えてみても彼の頭を撫でた事はなかった気がする。今ならいけるのでは……?と手を伸ばそうとするのだが。

 

「バクゥッ♪」

「バ、バクフーン!?」

「バ~グ~……」

 

突然現れたバクフーンに驚いて声を上げてしまうが、口の前に指を立ててシーッとしてくる彼女に釣られるように口を塞ぐ。バクフーンはダイケンキの頭を自分がラビの頭を撫でるように愛おしげに撫で始めた。

 

「ねっバクフーン、ダイケンキの事好き?」

「バックゥ~♡」

「あははっ聞くまでもなかったか」

 

最近はカップルブームが来ているのか、ラビのポケモンでカップルが増えてきている。その大本がダイケンキとバクフーン、その流れを汲んでいるのか分からないけど最近ではラグラージとアシレーヌが急接近しているとラビから聞いた。いやより正確に言うとアシレーヌがラグラージへと急接近しているのだと聞いた。

 

「ラ、ラグッ?」

「きゅううん……きゅんぬ♪」

 

今日だって毎日やっている力試しの挨拶である押し相撲でアシレーヌがわざと押し負けるようにして押し倒されていた。ラグラージが困惑の極みの中で自分が上になり、その下には満更でもない表情で笑みを深めて、魅惑的な表情を浮かべているアシレーヌがいる。ラグラージからしたら色んな意味で訳が分からないのはよく分かる。というかアシレーヌが意図的にそういうハプニングを起こして慌てるラグラージを見て楽しんでいる節がある。しかもラグラージが疑問に思ったり、作為的な物を感じない程度を見極めて。

 

「んんっ……なんだお前ら、人が寝てる顔見て楽しんでたのかいい趣味してんなこの野郎」

「ケェェン……?」

 

そんな事をしていたらラビとダイケンキが起きてしまった。まだ頭がポヤポヤしてるのか、微妙に焦点が合っていない瞳で辺りを見渡している。ダイケンキはバクフーンを見つけると、何してんの~……?と普段の庭を統括している姿から想像出来ぬ程にぬぼ~っとした顔でバクフーンへと近づいていく。

 

「バ、バグゥゥ……」

「ケェン……?ケン……」

「バ、バグゥ!?!?」

「ZZZ……」

 

如何やらまだ寝足りないのか、バクフーンへと凭れ掛りながら押し倒してしまったダイケンキはそのまま寝息を立て始めてしまった。突然すぎるそれにバクフーンはもう大混乱、顔を真っ赤にしながらもあわあわしながらもなんとかダイケンキを起こさないようにしながらもラビに何とかしてください!!と言いたげな視線を向けるのだが……

 

「ごめんバクフーン、こっちも無理……」

「バグゥゥッ……!?」

 

肝心のラビもまだ眠いのか、サザレに凭れ掛って眠り始めてしまった。取り敢えず満足いくまで寝かせるしかない……サザレは慣れているがバクフーンにとっては慣れている訳もなく、ダイケンキの体温と寝息を浴びながらも耐えるしかなく、1時間以上もその状態だったという。そして

 

「ダイケンキ、なんか頬赤くなってっけどどうした?」

「ケェエン……」

「起きたらバクフーンがなんか怒ってて……何やったんだよ」

「ケェン……」

 

漸く目覚めたダイケンキはお目覚めの軽い一発をバクフーンから貰ったのであった。尚、肝心のバクフーンはずっとダイケンキのあれこれを感じられて幸せの極致だったという。

 

 

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。そして本日ご紹介するポケモンさんは此方」

「バグゥゥッ……♪」

「バクフーンです」

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