週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:メガシンカの研究

「ったくこちとら旅に行きたいと思っても行けないのに、アンタは引退して自由に諸国漫遊ですか、はっいい気なもんだ」

「そう言ってくれるなよラビ君、私も私で今まで結構ミアレシティの市長から無茶振りとかされてきたんだよ?それを思えばこの自由は私にとっては漸くの自由の翼だ」

 

言ってやりたい事は色々あるのだが、一先ず飲み込んでおくことにした。これから先何かしらの面倒事に巻き込まれそうな気もするが……それはそれで置いておくことにしておこう……そうしておかないと自分を保てない気もする。

 

「フレア団のあれこれだってあったんだ、カロスは安定しているように見えるのも見せかけ。実際はまだまだ燻ってるものがある」

「……相変わらず君は顔に似合わずリアリストだねっと拳は引っ込めてくれると助かるかな」

「ワンアウトな、後ツーアウトでリバーブローからガゼルパンチからのデンプシーロールな」

「君は僕を殺す気かな?」

「問答無用でやられない上に事前警告をしているだけ良心的では?」

 

自分の地雷を知っている上で踏み抜きに来ているんだ、問答無用でギルティでしょしてやってもいいんだぞ。という圧力に屈してプラターヌはOKOKもう言わないよ、と笑いながら謝罪する。

 

「しかし、ガラルの地下にジガルデが居てダイマックス巣穴の管理をしている……興味深い話だ。そこから様々なポケモンが出現しているダイマックス巣穴はウルトラホールに近い性質を帯びているという事になる……全く以て君は僕の想定をはるかに超える冒険をしているね」

「したくてしてんじゃねぇんだよこちとら、普通に死ぬかと思うような神々の戦いに放り込まれた人間の気持ち考えた事と考えてみようとした事あるか。神は死んだ、寧ろ死んでくれ頼むからって気分だよ」

「色々と含みがある言葉だ」

「そりゃ、込めてるからな」

 

願う事ならば自分はもう何も関わりになりたくはないがそれが難しいならば対応はする、可能であればそれがもう二度と此方に向かわないように徹底的に叩き潰しておきたい。レッドからもそうした方が確実だし相手もこっちを恐れないから一石二鳥だと言われた時は素直に目から鱗だった。

 

「俺がアンタの話から知りたいと思った事象は唯一つ―――俺のポケモン達に暴走メガシンカが起きる可能性はあるのか、ないのか、それだけだ」

「―――僕も君の求める答えを提示したい所だが分からない、というのが素直な所だ。ミアレで起きている暴走メガシンカのメカニズムも仮説の上に立つ骨組みで確定とも言い難い」

 

だろうな、そんな所だという事はラビだってわかっている。カロスで中心に起きていて、他地方でも極少数報告されている。パルデアでも起きないとは絶対の明言は出来ない。もしかしたら……何かしらの理由でメガストーンへの干渉が起きてメガシンカが起きる可能性だってある。

 

「仮にそうなったら君はどうするんだい?」

「止めます」

「簡単に言うが、暴走メガシンカのそれは通常のポケモンよりも遥かに危険だ。通常のメガシンカよりも更に強い上にトレーナーを優先的に狙う傾向まであると聞く」

「トレーナーを狙う、そんなのレッドさんとの旅じゃ日常茶飯事でしたよ」

 

ロケット団にシャドー、時にはポケモンハンター……それと対峙すれば奴らはトレーナーを、自分を狙って来る事はよくあった。それに対応する為にもレッドからは身体は鍛えておいた方が良いと言われて、マスタード道場を紹介された。

 

「そうだな、それに君と君のポケモンの絆は強い、暴走なんてしないだろう。ガブリアスだけじゃなくてアブソルに愛されているみたいだしね」

「偶に少し辛くなる時もありますけどね、唐突に噛まれるとか」

 

本当にポケモンを第一に考えるトレーナーだ、研究者としては極めて好ましい。そんな彼だからこそ今回来た意味があるともいえる……プラターヌはカバンの中にしまっていたケースを取り出し、それをテーブルの上で滑らせてラビの元へと差し向けた。

 

「これは?」

「これが本題だ、君へのプレゼント―――というよりも協力要請の為の手付金兼研究の対象さ」

 

開けてみた先にあったのは―――多種多様なメガストーンの数々だった。メガストーンは極めて貴重な物で稀に販売されている事もあるが、それでも値段は飛び上がる程に高い……近年はメガシンカの研究が進んだ影響で人工的に作り出す事も一応出来るようにはなっているが、自然が生み出すものと比べたら純度が低いのか、より強い絆が無ければメガシンカを起こせないのだという。

 

「これらは暴走メガシンカしたポケモン達が持っていた物で純度自体は極めて高いが、それでも並のトレーナーにはメガシンカを引き出せなかった。だから、君にお願いしたい」

「……」

「勿論、これは君の物になる。君の自由にして貰って構わない」

 

これほどのメガストーンが……自分の物になる。ただそれだけならば自分の心は揺らがないが……その中には自分が苦楽を共にして来たポケモンの名前の札が付けられたメガストーンもあったのだ。彼もメガシンカ出来るのか……と思うと心が昂らずにはいられない。

 

「……言っておきますけど、相当な時間が掛かりますよ。メガシンカで上昇する能力、特性を一つ一つ照らし合わせて数値化してデータにする……その意味、分かりますよね」

「当然、だがそれに関しては君は他の追随を許さないだろう」

「……引き受けましょう」

 

そう言って引き受けたラビは必死に口角が持ち上がるのを抑えようとしていた。メガシンカの探求……それが嫌いなトレーナーなんている訳が無い。だが同時にこれはポケモン達の了解も取らなければいけない事だ……だが自分のポケモンにこれを断るのはいないだろう。寧ろ……自分のはあるのか!!?と騒ぎ立てるであろうバ鴉筆頭の馬鹿共をどうやって鎮めるかで頭が痛くなってきた。

 

「そうだ、僕も配信に出る事は可能かい?」

「まあそりゃいいですけど……」

「折角だからこの前のマスタードさんとのバトルの彼が良いな!!」

「聞いちゃいねぇよこの色男」

 

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。そして本日のゲストは此方」

「やぁ皆元気かな?僕はプラターヌ、しがない研究者さ!!今日は宜しく!!」

「本日はこのメンバーでいきます、そして本日ご紹介するポケモンさんは此方」

「ベアアアアクァ!!」

「はい、ウーラオスです」

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