「う~ん万バズとはこのことか」
見つめるスマホロトムにはトレンド入りしている項目がある。そこにはメガスターミーと書かれている、それをはやらせてしまったのは当然自分である。あの配信後、ナンジャモからあのメガスターミーの普段の生活をショートで上げよう!!と言われて上げてみた。一先ず―――
走り続けるメガスターミー。高速足踏みするメガスターミー。空を飛ぶメガスターミー。背中の星を高速回転させて空中浮遊するメガスターミー。スクワットするメガスターミー。ラビが呼び掛けた瞬間背後に現れるメガスターミー。華麗にステップを踏んでダンスするメガスターミー。というのをナンジャモに審査して貰ってショートで上げてみたら……これがとんでもなく大ヒットした、以前のヤドランとハラバリーのショート並の大ブームになっている。
『ラビ氏~メガスターミーのグッズ化決まったよ~!!』
「じゃあそれ許可は出すのでそっちで勝手にやってください、私を巻き込まないでください」
『じゃあラビ氏にデザインの原画の依頼は有りだよね』
「イラストレーターとしては有りです」
まだ数日なのにメガスターミーブームは異常なほどの熱狂で既にグッズ化が決定してしまい、トレーナーのラビにはイラストレーターとしての仕事がやって来た。受けない理由はないので勿論受けるが、それ以外に自分は一切関らないという条件付きで決定、無論グッズの売り上げなども必要ないとナンジャモに伝えるとそう来るよね~、と交渉してくれることになった。
「ヘァッ!!」
「今日も今日であいつ元気だなおい」
相変わらずメガシンカを維持しているスターミー、最近は走るだけではなく飛行する事への研究もしているのか、助走を付けてからの跳躍での滑空染みた飛行や背中の星を高速回転させての浮遊、既に幾つかのバリエーションが生まれているのが本当に恐ろしい。問題もある、アシレーヌとラグラージはその姿を見るだけで動けなくなってしまう程にツボに入ってしまっている。偶にメガシンカしていない時もあった筈だが……二人を見て常にメガシンカを維持するようになってしまった。
「う~ん……」
一応すべてのメガシンカの調査は終了したのは良いが……これから自分がすべきなのは特性の特定である。ポケモンの特性の特定は本当に難しい、状況、技、スピード、パワー、耐久力、様々な要素を抜き出し、検証して特性と照らし合わせなければいけない。これをやろうとするのは、完全に研究者の領分である。こんな事ばっかりやっているからイラストレーターだと言っても信じて貰えないんだ、分かるか出先で名刺出して自己紹介しても嘘だぁ……って顔される男の事なんて。
「原画の仕事も終わらせちゃったからなぁ……どう見てもどこぞの光の巨人なのにバカ受けしてなんかもう笑いすら出ねぇや」
PWCSも含めて何でこんなにも自分って忙しくしてるんだろうなぁ……と遠い目をしているとインターホンが鳴った。ちょうどサザレは仕事で出掛けているので自分が対応するしかないと玄関へと向かって行くと……そこには余り想像していなかった人物がいた。
「どうもラビさん!!以前は世話になりました!!」
「ユウリさんはともかくあなたの世話を焼いた記憶はありませんが……」
「何言ってるんですか、カレー作ってくれたりしてくれたじゃないですか!!」
「それ言ったらガラルの人が相当人数含まれるんですが……まあお茶位は出しますよ、どうぞ」
「お邪魔します!!」
やって来たのはユウリの幼馴染でもあり、最近はポケモン学会でも顔を覗かせて新進気鋭の博士として少しずつ名前が売れ始めているホップだった。
「先日の配信見ましたよ、まさかスターミーがあんな風にメガシンカするなんて思ってもみなかったですよ」
「誰だって思いませんよ、ほら、あんな風になるなんて誰が想像しますか」
「うわなんだあれ!?飛んでるのか!?いや浮遊……いや水を噴射して推進力にしてる!?」
早速イルカマンから教わった飛行テクを使い始めているのか、飛行のコツを使い始めているメガスターミー、最近はメタグロスにも話を聞いているらしくスピード向上に取り組んでいるとの事。
「ホントラビさんの庭って凄いな……俺も配信は追ってるつもりだけど、本当になんであんなに知識あるんだ?」
「伊達に10年旅はしてないんですよ、それで何の御用で?」
「あ、ああっそうだった!!やべぇスターミーの事で頭から抜ける所だった……ラビさん、俺とPWCSランクバトルをしてくれ!!」
何とバトルの申し込みだった。挑戦者はインターホンを使う事はなかったのではなかったのか……と思いつつもラビとしてはそれを拒否するつもりはない、のだがその代わりに条件を一つ出す事にした。
「代わりに勝っても負けてもお祭り騒ぎじゃなくて、メガシンカ後の特性考察を手伝って貰えます?こればっかりは私も厳しいですし」
「あ~……特性の見極めって本当に大変だもんなぁ……色んなデータと睨めっこした上での人海戦術が一番楽だってソニアが言ってたぞ」
「私だってそう思いますよ」
「分かった、その位ならお安い御用だ!!折角だからメガスターミーとバトル出来る!?」
「あ~……まあいいでしょう」
そんなこんなでメガスターミーの実戦投入まで決定してしまった。この配信、また荒れるのかなぁと思いつつもバトルフィールドに到着すると既にドローンロトムが待機していた。本当にお疲れ様です。
『スマホロトムより互いの情報を取得。このバトルはPWCSランクバトル、ハイパーボールクラス公式戦として承認されました。対戦ルールは3対3、ポケモンの交代は両者自由となります。ラビ選手 VS ホップ選手。それでは両者、最初のポケモンをフィールドへ』
「それじゃあ行くぞ―――バイウールー!!」「メエエエエッ!!!」
「力を見せてやれ、スターミー!!」「ヘヤッ!!!」
という訳で今回はホップです!!