週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:PWCSランクバトル VS ホップ 後編

「―――あるに、決まってるだろラビさん!!ああそうだ、俺はアンタに勝つ、その為に来た!!それじゃあ行くぜ、全てを真っ向から受け止めろザマゼンタァ!!!」

「ウルゥゥゥゥウドッッ!!!!」

 

雄叫びが、爆風となって周囲を飲み込んだ。音が周囲の空気を押し出すかのように迫りくる中、スターミーはラビの前に立ちそれを守る盾となった。組んでいた腕を降ろしたのを見ながらもラビは静かに興奮していた。

 

「ザマゼンタ……盾の王、格闘王の盾、遂にお出ましか」

 

・な、何だあのポケモン!!?

・かっけぇっ……

・キラキラしてる……。

・キバナ:遂においでなさったか……ザマゼンタ、ガラル地方においては英雄と言われるポケモンだ、どんなに過酷な戦場にも怯まず、正々堂々と敵陣に乗り込み、敵を討つって言われてる。

・ダンデ:嘗て起きた厄災を退けたという伝説の英雄の一柱、剣の英雄ザシアン、盾の英雄ザマゼンタがガラルには伝わってる。そしてホップはその英雄を仲間にした。

・いやとんでもないポケモンじゃねぇか!?

・伝説のポケモンって事!?

・何またヌシ伝説と戦うの?

・アイリス:というか、ラビさんが既に伝説な気も……。

・ナンジャモ:それは言えてる。

 

天高くへと向けられた咆哮はパルデア地方を越えてガラル地方へまで届いた、それを聞いた剣の英雄たるザシアンはユウリの意思を無視してボールから飛び出すと天へと向けて雄叫びを上げる。

 

「ウルォォォォォォオオオオオドッ!!!ウルォオオオオオオオオオッ!!!!」

「ザシアン、そうかザマゼンタが戦うから」

「ウォル。ウルォオオオオオオオッ!!!!」

 

それは姉から弟に向けてのエールだった、先にラビと戦った先達としてアドバイスなどではない、ただ単純に弟に全力を尽くせ!!盾の王として相応しい戦いをするのだ、健闘を祈る!!というエールだけがそこに込められている。

 

 

「ウルゥゥゥウウウウドッ!!!」

「流石気合十分だなザマゼンタ!!暫くバトルさせられなくてごめんな、だけどこの人はユウリにも勝っている人なんだ、お前の力を貸してくれ!!」

「ウルゥド……」

「シュァ……!!!」

 

気合十分のザマゼンタは後ろを流し見しながらも任せておけ、戦うに相応しい相手だ……とメガスターミーを睨み付けた。その気迫と覇気に自然とメガスターミーも戦闘態勢である腰を落としながら前に腕を突き出すフォームを自然と取っていた。

 

「格闘王の盾、盾の王ザマゼンタ!!相手にとって不足無し、全力で行くぞスターミー!!」

「ヘアッ!!!」

 

『NEXT BATTLE スターミー VS ザマゼンタ!!3、2、1……BATTLE START!!』

「サイコファングだザマゼンタ!!」

 

重低音を響かせながらも迫って来るザマゼンタ、今の姿である盾の王フォルムは通常時の歴戦の勇者の姿に比べ体重が数倍になっている。その重量は驚愕の785.0kg、それなのにザマゼンタの素早さ種族値は128、これでも落ちているのにファイアローを悠々と追い抜くスピードを出せるのだから洒落にならない。

 

「冷や水!!」

「ヘッァッダッ!!!」

 

掌を重ねながらもそこから水流を噴射するスターミー、それを受けてザマゼンタはビクともしない。そのまま向かって来るが当たる、という瞬間にスターミーは背負っている五芒星を高速回転させながらも後ろへと跳躍した、そして―――なんと高速回転で揚力を生み出しているのかそのまま宙に浮かび始めてしまった。

 

「凄いぞメガスターミーはそんな事まで出来るのか!?こりゃもっと調べたいぞ!!ザマゼンタ、ムーンフォース!!」

「ウルゥゥゥドッ!!!」

「回避しながら冷や水を続行!!」

 

・な、何とも奇妙な光景だぜこりゃ……

・背中の星を回転させて宙を飛びつつ、水を噴射して移動するスターミーとムーンフォースを凄い数発射するザマゼンタ……なんというか、コメントに困る光景だ。

・ククイ:伝説のポケモンともなると不一致でも放つ威力と数が凄まじいな……サーナイトが放つムーンフォースレベルを撃てるのか!!!

・ククイ博士、スターミーの思念の頭突きについてどう思います?

・ククイ:ん?ありなんじゃないか?バトルにおいては相手の油断も誘えるし技によってはポケモンそれぞれで癖があるしそれに合わせて最適化して撃つ事は素晴らしいと思うぞ。極端な話、メガトンパンチを指示してキックをしても俺は何とも思わない。

・お、おおおっ……

・戦術としてありでもあるのか。

・まあやるにしてもポケモンとの入念な練習とか要りそうだから実用的か?と言われたら技に寄ってしまうと思う。

 

「こっから本気で行くぞザマゼンタ、ギアを上げるぞ!!」

「ウルゥド!!!」

「来るぞスターミー!!」

「アイアン、ヘッドッ!!!」「ウオオオルゥゥゥドォォ!!!!」

「アクアブレイクッ!!!」「ヘッダアアアアッ!!!!」

 

力を込めれば地面が罅割れる、それほどのパワーを発揮しながら狙いを定めたザマゼンタが一気に突撃する。瞬時に姿は掻き消えたがスターミーはそれを捉えていた、空中で身体を何度も回転させながら激流を纏った蹴りを繰り出した、がそれが十分に加速しない段階でザマゼンタは迫った。それでもスターミーはギリギリの所でアクアブレイクを発動させてアイアンヘッドと激突した。

 

「ウルゥゥゥウウドッ!!!」

「ダァァァッ……ゥワァッ!!?」

 

メガスターミーも全力で抗うが、アイアンヘッドを弾く事が出来ずにそのまま吹き飛ばされてしまった。ラビの足元に叩き付けられる瞬間に咄嗟に体勢を立て直して三点着地を決めるが、思わず手を突いてしまう程のダメージを負った。

 

「まだいけるか!!」

「―――シュワッ!!!」

 

その言葉に胸を張りながら腕を突き上げてアピールする姿に勇気を貰う、ホップは驚いていた。確かに冷や水で攻撃を下げられているとはいえ、ザマゼンタの一撃で削り切れない事が信じられなかった。これがメガスターミーのパワー……ならば、此方も全力で応えるのみ!!!

 

「行くぞザマゼンタ、力を出し切るんだぁ!!!」

「ウルゥゥゥゥウウウウウウドッ!!!!」

 

その叫びと共に鬣が変化していく、顎の下にある盾と組み合わせて真正面に向けた巨大な盾が完成した。その瞳は赤く輝き、漏らす息が白く立ち込める……本気で来る、だが……

 

「ッ―――……!!」

 

構えを取るスターミーは既にダメージが酷い、動く事すらも難しい。だがスターミーは引く気はない、この場を任せられた以上は全うするのだという強い意志を感じる。ならば自分はトレーナーとしてどうするべきなのか、決まっている一つしかない。

 

「スターミー、盾の王の全力の一撃―――受けて立つか!!」

「ヘアッ!!!」

「いい覇気だ!!ならば、受けて立とうじゃねえか!!盾の王を守りで上回れ!!」

「シュワッ!!!」

 

・う、受けて立つ気か!?

・だ、だけどどうやって―――

・キバナ:マ、マジか!?受けて立つってそういう事か!?こりゃザマゼンタは逃げられねぇぞ!!

・ユウリ:ザマゼンタに対して防御で勝つ気なの!?

・ダンデ:ガードを固めただけで、ザマゼンタ最強の一撃を、受け切る気か!?

 

「来るぞ、防御を固めろ!!!」

「ヘアアッ!!!」

「面白い、受けてやろうぜザマゼンタ!!行くぜ、一撃必殺―――巨獣弾!!!!」

 

地面を蹴り、突撃していくザマゼンタ。だがそれは体当たりというには余りにも強い一撃だった。一瞬で音速を超えていく盾の王の一撃をメガスターミーは避ける事も、受け流す事も考えない。唯、腰に手を当てて胸を張った体勢でそれに向かい立っていたのだ。そしてそれが到達した時―――パルデアが揺れた。そのあまりにも強烈な一打にパルデア全体が揺れたと誤認する程の衝撃が巻き起こった。これほどの一撃を叩き出す、これが伝説のポケモン……ザマゼンタがホップの前に立った時、ホップはどうなったんだという好奇心で満たされた。そしてその答えは―――直ぐに明かされたのだ。

 

「―――マジかよ」

 

それは何方の声だったのか分からない。唯分かる事は―――スターミーは、ザマゼンタ最強の一撃たる巨獣弾を、完全に受け切ってその場に立ち続けていたのだ。コアは赤く点滅し体力は限界を示していた、それでもなお、スターミーは決して倒れる事をしなかった、盾の王の一撃を耐えきったという事実と共に堂々たる仁王立ちをしていた。

 

・た、耐えきった……

・いくら冷や水で攻撃が下がってるからってあの一撃だぞ……?

・ユウリ:本当に凄い。尊敬するよ私、威力という意味合いじゃザシアンの方が優れているけど破壊力という意味合いだと巨獣弾の方がずっと強力。ザマゼンタの全身を使った突撃を、真っ向から受けて耐えるなんて……

・キバナ:ああ、マジで驚いたぜ……脱帽だ。

・ダンデ:きっと、もう戦闘不能だろうが、君は胸を張る権利がある!!!メガスターミー、君は、盾の王に防御で勝利した!!存分に誇るがいい!!!

 

「スターミー、よくやった。お前の勝ちだ、後は皆に任せてくれて、良いな」

「―――……ヘァッ」

「審判、スターミーはこれ以上戦えない。スターミーは戦闘不能の扱いでいい」

『了解しました、ラビ選手からの申し出を受理します。スターミー戦闘不能、ザマゼンタの勝利で処理をさせて頂きます』

「ああ、構わない。お疲れ様、スターミー、ゆっくり休んでくれ」

「―――……ヘアッ!!!」

 

ボールに戻そうとした時、スターミーはそれを拒否した。自分の脚でゆっくりと、だが一歩一歩踏みしめてバトルフィールドから自分で外に出るとラビの後ろの壁に背中を預けて再び仁王立ちをするとメガシンカが解除されてその場に倒れ込んだ。

 

「お前の意地、誇り、バトルに掛ける思いを見せて貰った。カッコ良かったぞスターミー……さあお前はこの雄姿に如何応える、騎士に憧れるならば……これに応えてみせろルカリオ!!!」

「クオオオオオンヌッ!!!」

 

ルカリオはスターミーへと向き直ると静かに頭を下げた。ザシアンと直接手合せをした経験のあるルカリオだからこそ分かる、あのザマゼンタの力は凄まじくザシアンと同じ力量を持つ。鋭い剣技と妖精のような身のこなしで相手を翻弄し切り裂く剣の王とは対照的に重々しい打撃と自らの重さを破壊力へと転化して相手を砕く盾の王、その一撃を真っ向から受けてみせたスターミーには尊敬の念しか湧かない、ルカリオはラビ以外で尊敬しているのはマスタード、そして憧れのオノノクスだけだった―――が、本日をもってスターミーも尊敬に値する存在だと認めた。そして……それを倒した相手には自分の全てを以て打ち砕く。それを確認するとラビはスターミーをボールへと戻した。

 

「その意気や良し!!!ルカリオ、剣の王を砕きしその波動を以て盾の王を粉砕せよ!!!」

「クオオオオオオオオオオンヌッ!!!」

「ユウリの言ってたルカリオか!!ザマゼンタ、あいつがザシアンを倒したルカリオだ!!敵討ちと行こうか!!!」

「ウルゥゥゥウウウウウドッ!!!」

 

 

To Be Continued……!!




……あれ、これマスタード師匠戦以上に伸びる可能性があるのでは……?
あとアニポケ時空的な所でもあるのでアイアンヘッドと巨獣弾打ち分け可能という事にしました。
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