週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:ヨガマスターケッキング

「ただいま~」

 

ラビはイラストレーターである。基本的に家で絵を描き、メールでそれを送ったりするのが基本だが手渡しを希望する依頼主もいるのでその要望に応える事もある。その時の留守番はポケモン達に任せている。伝説や幻のポケモンの絵やらがあるので見られたら大変な事になる。

 

「お~ただいま二人共、いい子で留守番してたか?」

 

主人の帰りを素早く察知したポケモンが駆け寄ってきた、別段寂しがりな性格でもない筈なのにいつもこうして駆け寄ってくれるので自分としては嬉しい限りである。中へと進んでいくともう一匹のポケモンがテレビを見ながら寝そべっていた。しかもご丁寧にスナックを貪りながら、自分に気づくと欠伸と共に腕を上げた。

 

「はぁぁぁ……本当にお前その格好似合ってるな、マジで一回預ける事を検討すべきか?」

 

まあ怠惰な態度ではあるが、これでも実力は折り紙付きなので家の守りとしては極めて頼もしい奴ではあるのだ。確りと留守を守っていたのだからご褒美の食事は豪勢にしてやるとするか……。

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日ご紹介するポケモンさんは此方」

「ZZZ……」

「起きてください、起きなさい、起きろ、優しく言ってる間に起きろ」

「ZZZZZZ……」

「……ゴルーグさん、爆裂パンチ」

「ゴォルグゥッッ!!!」

「ケッケッケッケケケ……」

 

・容赦ねぇ!?

・エエエエッ!!?

・ゴルーグの爆パンが止まったぁ!!?

・効果抜群のそれを止めるのか!?

・強いぞこいつ!!

 

「はぁ……ケッキングさんです、彼はノーマル単タイプのポケモンさんです。世界で一番怠け者なポケモンとしても有名で木の上になった果実を取るのではなく、熟れて落ちるのを待ったり縄張りに生えている草を食べていますが、それらが無くなった場合になってようやく移動を始めるぐらいに怠惰です。それが現れているのが特性の怠け、一度行動をしたら連続で行動が出来なくなるという物で、ケッキングが一度攻撃技を使ったらその後は怠けます」

 

・出たよケッキングwww

・ヤルキモノのやる気は何処行ったんだよwwww

・マジでそれなwww

・怠けてた奴が一転してやる気出したら燃え尽きたかwww

・一周しやがったwww

 

「こんなケッキングさんですが、そのポテンシャルがえげつない程に高いです。ケッキングさんの種族値は他の追随を許さぬ程に高いのです。極めてタフ且つ極めて攻撃的でその気にさえなればヤルキモノを凌ぐほどの高速移動も可能なのです。常時メガシンカしてるみたいな感じだと思ってください」

 

・えっそんなにやべぇのこいつ。

・やばいよ

・こいつが捨て身タックルしたら大概の相手とぶぞ

・相性とか関係なしにな

・ゴーストでもないと止まらんからなぁ……

 

「最早この能力は特性が怠けだから許されていると言っても過言ではないです。しかも技も多種多様でなんだったら大文字から吹雪、雷にソーラービームと特殊技も豊富ですし特殊技をケッキングに覚えさせることは選択肢に上がります、因みにゴーストタイプでも簡単には止まりません。だってこいつ悪タイプの騙し討ちやゴーストタイプのシャドークローも普通に覚えます」

 

・ええっ!!?

・マジでやべぇなこいつ!?

・マジで怠けるのが欠点なだけじゃん

・伊達にキングじゃねえって訳か

 

「はい、矢張りネックなのが特性ですね。ダブルバトルではスキルスワップで他の特性を渡す事でそのデメリットを消す事が主流ですね、シングルでは反動で動けなくなるギガインパクトや破壊光線なら怠けのデメリットも実質0になります。私も基本的にそうしますね、怠けが本当に厄介ですのでなんとか無視する方法を模索しましたがシンプルなこれが一番です」

 

・あっそっか、反動技って手段があるのか

・そっか怠けも関係ないのか。

・でもスピードバトルは苦手そうだなぁ……

・一撃を如何にか叩き込むかが課題か……。

・う~むマジで怠けがなければ最強なのにな。

 

「まあこれで怠けなかったら本当に反則……なんですが、いるんですよね何故か怠けずにバトルするケッキングが……」

 

・えっいんの!!?

・最早バグがなんかじゃねえの!?

・た、戦いたくねぇ……!!

・あ~……あのケッキングか

・同じく……マジでもう相手したくねぇよ……

・↑知っているのか!!?

 

「如何やらご存じな方もいらっしゃるようですね。そうです、そのケッキングこそがホウエン地方のジムリーダーであるセンリさんの切り札のケッキング、何故か分かりませんが秘密の猛特訓をしたとかで全然怠けないんですよね……どんな特訓したらああなるんだろう」

 

・なんだそれwwww

・笑い事じゃねえんだよなぁ……

・マジでもう戦いたくねぇよ……

・俺もいったけど、センリさんよりもあのクソ生意気な息子が嫌い。

・超わかる。知識しかねぇ癖に偉そうにするからマジで嫌い。

 

「まあまあ……兎も角、そんなケッキングさんもいる事ですので、ケッキングを働き者にする事は一応理論上は可能という事になりますね。それが出来たとしたらとんでもない事になりますけどね……ダブルバトルではケッキングさんは最強の一角です。スキルスワップで物理技の威力が倍増するヨガパワーという特性を得たケッキングさんが暴れまわるという事になってるらしいです。物理が通る相手であれば全てを灰燼と帰す、程のパワーになるとか……いやぁ怖いですね」

 

・何それ怖い。

・ええっ……ダブルってそんなに魔境なん?

・魔境というかなんというか……

・シングル以上の猛者が多い。

 

「ダブルバトルだからこその戦術も多いですからね……ケッキングさんのようなポケモンも活かせる手段も大量にあります。スキルスワップだけではなく、ガラル地方のマタドガスの特性である化学変化ガスで特性の効果その物を消してしまうという手段もある程です、他にも悩みの種などで特性を変える手段もありますね」

 

・う~んなんだかんだでケッキングは恐ろしい……

・怠けがあるとはいえ威圧感は半端ないだろうがなぁ……

・なんか俺は気に入ったぞ、力強くて

・にしても特性を捻じ曲げるとか出来るんだな……

・世の中には地面タイプを特訓で水を平気にさせるトレーナーだっているしな。

・あっそれサンドのトレーナーだな。ハイドロポンプでサンドパンやられてた。

・それ特訓意味あったん?

 

そんな配信を終えた後、ケッキングの方を見るのだが……相変わらず寝たまま食事をしている。本当に怠惰なポケモンだというしかない。戦力としては申し分ないが矢張り怠けがネックすぎるので選抜からは外すのが妥当だろう、と思っていた時に電話が舞い込んで来た。

 

「はいもしもし」

『あっラビ?ごめん今日休みだったよね、今大丈夫?』

「ああお前か、ああ大丈夫だから気にするな。そっちの調子は如何だ?」

『いい感じだよ、この前ラビに紹介して貰ったお陰で自然保護区にも行けてその時に色違いのオノノクスの写真を撮れちゃってさ!!この後送るから見てってごめん、こっちばっかり喋っちゃって』

「気にするなよ、元気そうで何よりだ」

 

電話の相手はラビと親しいのか声が酷く弾んでいる。ラビとしても久しぶりに声が聞けて嬉しい限りなのだが、相手は本題へと入った。

 

『実はさ、こんな写真を手に入れたんだよ。ラビなら何か知ってるんじゃないかと思って』

 

送られてきた写真、それを見たラビは思わず言葉を失ってしまった。

 

『これ、何なんだろうね……フェイク写真かも知れないけどそうとは思えなくてさ……ラビは何か知ってる?凄いポケモンの事詳しいからもしかしてって思ったんだけど……ラビ?』

「……ああ、知ってる」

『ホント!?どんなポケモンなの、どの場所か分かる!?有名な所?!私も行ってみたいな~!!』

 

興奮気味に話すその言葉は余りに頭に入らなかった、何故ならばそこに映っていたのは……新たなパラドックスポケモンだったからである。

 

「知らせてくれて有難うな、本当にいいタイミングだったかもしれない。実はもう直ぐこいつらがいる場所に行くかもしれないんだ」

『えっそうなの!?私も一緒に行けないかな!!?』

「それは難しいと思う、だけどまあ続報はちゃんと知らせるから安心してくれよ―――サザレ」

『約束だからね!!』

「ああ、解ってる」

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