「という訳でガラル行きますので許可お願いします」
『……意外でしたね、寧ろこっちに来いというものだとばかり思っていましたよ』
「貴方の中の私像がどんなものなのかよぉく分かりました、今度とんでもないコラボしてパルデア揺らしてやるから覚悟しろください」
『すみませんでした』
一先ず管理人代理が決定したのでそれをオモダカに伝えつつガラルに行く為の許可を貰う為に連絡をしたラビ。そこで少々お小言を頂戴したが、管理人代理としてナンジャモは問題なく受理されるだろうという事とガラル行きの件は恐らく問題なく許可が出るだろうと言われる。
『ガラルにはどの程度滞在予定で?』
「個人的にはバトルしたらさっさと帰ってくるつもりではいるんですけどねぇ……」
『ラビさんの事ですから、きっと何かしらあるでしょうね』
「おいどういう意味だ」
『フフフッ言葉通りの意味ですよ』
「ちょっと、あっ切れた……最近容赦なくなってきたなあの人」
それはラビも同じであるが、オモダカも割とラビ相手にハッチャけるようになって来たと感じる。まあ先に雑に対応するようになって来たのは此方なので全く人の事は言えないのだが……。
「それでラビ、留守番は誰に任せるの?」
「取り敢えず通信交換システムの取り付けは明日には来てくれるらしいからな、そうなれば後は軽い選定だけで済む。我ながらこんな事を思うのは酷いと思うが、ユウリとバトルして終わりとは到底思えん」
「ラビ氏の事だし絶対なんかあるよね」
「おうナモ公、レベにある事ない事吹き込んでやろうか」
「すんませんでしたぁ!!!」
その場で90度に頭を下げるナンジャモ、下手な土下座よりも誠意を感じるのはなぜだろうか。後なんでそんなに謝罪のキレが良いんだお前は、実は漫才の練習とか絶対してるだろ。
「此処との連携で即座にポケモンの交換なんかが必要になって来る。場合によってはバンギラスクラスを連れて行く必要性が出て来る。そうなると必然的に……大変な要求になると思う」
「バ、バンギラスクラスかぁ……」
ナンジャモは思わず汗を流してしまった。ラビのポケモンの中でも一二を争う程に気性が荒いバンギラス、ラビのいう事は確り聞いてこそくれるが、それ以外の人間の指示は意地でも聞かない。レッドやサトシの言葉すら無視するので、ある意味ではラビへの忠誠心が極めて高いと言えなくもないのだが……しかしここでナンジャモは気付いた、クラス?他にもいるという事なのだろうか……真っ先に思いついたのはアーマーガアやルカリオ、そしてウーラオスだが……彼らは極めてが付くレベルの戦闘狂なだけでそれほど気性が荒いという印象を抱けない。
「あのラビ氏、バンギラスクラスって……ほかに何匹あんなのが居るの?」
「えっと……バンギを含めてひいふう……4匹だな」
「え"っあのバンギラスみたいなのが3匹もいるの!?」
「うんいるの」
サラッというけどそれってもしかしてそのポケモン達が必要になったらボクが呼んでモンスターボールに入れないといけないんですよね!!?と顔面蒼白で冷や汗をだらだらと流し始めるナンジャモを見てラビはお~人間ってここまで青くなるんだと感心しているとサザレに頭を小突かれる。
「外付けのスピーカーの増設もお願いした方がよさそうだな……俺の声ならあいつらも聞いてくれるだろうし……それでも不安が残るな、最低でもレベはいて欲しい。欲を言えばレビとロルもいて欲しい」
「えっあの三人ってどんだけヤバいのよその3匹って……」
「内1匹は挨拶で攻撃を打って来る、これはサトシさんのリザードンの火炎放射的なあれだからまだいいんだ」
「良いんだ」
「ドラピオンの奴よりも狙いが甘いから避けるのも楽で遊びで打ってるのが分かるから、だけど問題は他2匹だな……バンギラスはあくまで俺にだけ従うだけどこっちはマジでやばい」
実力的にはダイケンキと互角レベル、ラビが1軍と呼ぶ最高戦力の中でも屈指の実力を持っているが……問題はその性格。反抗期だったサトシのリザードンよりもずっと酷く、極めて自己中心的で勝手に戦術を組み立てる。常に自分を見極めて来るので指示が不相応だと判断した時点で戦いをやめて勝手にボールに戻るのも多かった。特にその一方はペンドラーと極めて仲が悪く、今でも顔を合わせれば殺し合いに近いバトルをするほどだ。
「で、でもラビ氏はユウリ氏に勝ってるんでしょ?だったらそこまで―――」
「あいつは勝つ為に挑戦状を俺に叩き付けに来てんだぜナンジャモ、お前さんだって覚えはあるだろ……必勝の策を整えたトレーナーって奴はやばいんだよ」
「ッ……」
覚えがある、何故ならば今でも数多くのトレーナーが繰り出してくる対ナンジャモ戦法を考案したのは目の前の男なのだから。
「そうでなくとも、覚悟を決めたトレーナーの底力は恐ろしい……それが、チャンピオンにもなると……それは限界を限界ではさせなくする、最低でも倍近い力を発揮してくる」
「もしかして、ラビ氏は……」
「そう、ラビはそれをその身で体験してるんだよナンジャモちゃん。ダイゴさん、それに非公式の場ではあるけどレッドさんとのバトルでね」
鋼タイプの使い手であるダイゴ、彼とのフルバトルでラビは最強最優のメンバーを揃えた。そして互角以上の戦いをした―――だが、ダイゴが本気を出した時、自分は敗北した。レッドとの対決では本気でのバトルだと最初から分かっていたのにその覇気に飲み込まれた……ポケモンではない、トレーナーの覚悟が、戦況を覆したのだ。
「ユウリをこの目で見るまでは分からないが……今度こそ俺は負けるかもしれない」
その覚悟を携えたユウリがザシアンを繰り出して来た時、自分は勝てるのか?あの剣の王に、最強の伝説のポケモンとも言っても過言ではないあの妖精王の剣に切り裂かれるだけではないのか……ハッキリとしたことを言えば、自分はあの少女が怖い……ガラルになど行きたくはないが……同時にポケモントレーナーとして……挑まれた勝負に挑みたい、あのザシアンともう一度戦いたい、という度し難い感情が渦巻いている。そしてラビはナンジャモに向けて頭を下げた。
「ナンジャモさん、こんな事を言うのは差し出がましいかもしれませんが義兄になる男の言葉だと思って聞き入れてくれませんか、力を、貸してください」
「―――ッ……頭を、上げて下さいラビ氏、いえお義兄さん、私なんかの力で良ければお貸しします。ですから―――……ユウリさんとの勝負、頑張ってください!!!」
ラビはナンジャモからのエールを受けて、サザレを伴ってガラルへと向かう事を決意した。そしてナンジャモは一時的にラビの家を預かって管理人となった。
「レベ氏、ううんレベ君、話があるの、いいかな」
「えっあっ―――は、はい勿論」
「(ボクも、勇気出さないと)ボク―――レベ君の事……!!」
はい、という訳で次回から再びガラルです!!えっラストの続き?暫く後です。