週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:神速ウインディ

「……」

 

サザレから受け取った写真のデータを詳しく解析するラビ、と言っても詳しいことが出来る訳でもないので拡大したり解像度を上げたりする程度、それでも視覚的な情報だけでもかなりの物が手に入るので気にはならない。問題な事はそれ以上の事だ、この写真に写っているポケモンの事が一番に大変な事なのだ。

 

「最悪だ……考えていなかったわけじゃない、訳じゃないけど……ブルベリ学園に行ってないのにこうなるとは思わないじゃん……いやミラコラがいる時点でそんな考えが甘かったか、アッハッハッハ……はぁ……」

 

そこにあったのは崖の上に佇む赤い何か、水辺の岩場に姿が隠れている黄色い何か、流れ落ちる滝の水の流れの中に身を隠す青い何か……そして岩壁の影の近くに立つ何か、後姿を見せながらも駆け抜ける何か、草原の影に潜む何かの写真がそこにあったのだ。

 

「ウガツホムラ、タケルライコ、ウネルミナモ。テツノイワオ、テツノカシラ、テツノイサハ……間違いない、こいつらだ」

 

サザレから送られた写真に写っていたのはゼロの秘宝編で登場するパラドックスポケモン、ウネルミナモとテツノイサハは別にカウントするにしてもこの段階で出て来るのは予想外。

 

「通常パラドックスに加えてこいつらまで相手にしなきゃいけないなんて……エリアゼロ、俺が思っていた以上の魔境だぞこれは……多分、テツノイサハとか想像してる以上の強さだろうな」

 

ゲームでは大した事のないと言われたり肩書だけの幻ポケモンなどと呼ばれることがあるが、この世界ではその法則は完全に通用しない。何せその気になればキャタピーがポケモンリーグ本選でガチバトル出来る位の世界なのだから……パラドックスポケモンの中でもタイプ相性の観点から最弱の烙印を押されているテツノイサハですら尋常でない強さでも驚けない。この世界におけるエスパータイプと氷タイプの強さはとんでもないのだ。

 

「……ええい、オノノクス達にマジで頼るしかないな」

 

幸いなのがこのポケモンのタイプは把握している上に弱点を突く事も出来る事、最悪の場合は自分がこれらを食い止めている間に主人公チームに事態の収拾をして貰うしかないかもしれない……。

 

「いやでも、前以て知れてマジでよかった……サザレには感謝しないと……」

 

旅の途中で出会ったカメラマンのサザレ、絵を描く事が好きな自分とは波長が合うのか妙に仲良くなって今でも連絡を取り合っていて、彼女は自分が旅で築いた人脈を利用し、自分は彼女が撮ってきた写真からインスピレーションを貰う事もある。互いにメリットがある関係性なのだ。

 

「……折角だ、お前さんにするか」

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日ご紹介するポケモンさんは此方」

「ウォォオオン!!」

「ウインディです」

 

・おおっ!!カッコいい!!

・伝説のポケモン!!

・なお一般ポケ

・警察も使ってる伝説ポケモン

・そう言われるとなんかさ……。

・というか、なんか色黒だな。

・ホントだ、オレンジっぽさがない。

・えっまた色違い?

 

「はい、ウインディです。それと私のウインディは通常のウインディではなくリージョンフォームのウインディです。通常のウインディさんは、そらぁ!!」

「ウオオオオオオオオン!!!」

 

・おおっ見慣れたウインディ!!

・そうそう、知ってるのこっちだよ。

・あれ、でもウインディにリージョンフォームってあったの?

・あっても可笑しくはないと思うが……

・マジで知らんぞ!?

 

「これに関しては私もいまいちわかっていないんですよね、私が旅をしている時に知り合ったカメラマンの方が連れていたガーディの一匹が私に懐いてくれたので譲り受けたんです。現代のガーディとは相違点が沢山ある上にタイプも炎と岩タイプなのです。以前、シンオウ地方のナナカマド博士からは、シンオウ地方がヒスイ地方と呼ばれていた頃の資料に登場したガーディに似ていると言われたので、私は便宜上ヒスイガーディ、ヒスイウインディと呼んでおります」

 

・ヒスイ地方……へぇシンオウ地方にそんな呼び名が。

・ヒスイウインディか、随分と違うなぁ……。

・やっぱりポケモンにはまだまだ不思議な事があるんだな。

・それでそのウインディはどんな感じなんだ?

・教えてくれ~

 

「はい、まずはウインディの分類である伝説ポケモンから。これは立派な鬣と威風堂々たる姿に魅了される人が余りに多かったうえに大昔には共に国を治めた武将が居たという伝説も残っている為だとされています、加えてその猛々しさから魔除けの象徴ともされます。そしてその脚力は凄まじく、まるで飛ぶような軽やかな俊足で大地を駆け抜ける事でも知られています、その秘密は体内で燃え盛る炎を代謝に変えている為らしく、その走りは一昼夜で10000キロもの距離を移動した事もあるという記録もあります。単純に考えるなら陸上を時速400㎞以上で24時間近く走り続けたということになりますね」

 

・カッコいいもんなぁ!!

・そんなに凄いのか……

・ライドポケモンでも採用されてるっていうもんな。

・ポケモンレースでもよくギャロップと競ってるもんな。

・炎ポケモンって俊足多くね?

 

「そして此方のヒスイウインディですが、火山地域に生息しているのかその鬣には黒曜石の成分が含まれている為か黒く変色して硬い物となっております。そんなウインディさん達の特性は威嚇と貰い火、威嚇は相手の攻撃を下げるもので貰い火は炎タイプの技を受けた時にそれを無力化し、交代するまで炎タイプの技の威力を倍増させるものです。そしてこの二匹は夢特性が異なります。通常のウインディさんが正義の心、ヒスイウインディが石頭です」

 

・へぇ~夢特性が違うんだ

・リージョンフォームって一気に変わるもんな

・別物のポケモンみたいになるもんな。

・にしても石頭って……

・まあ鬣が硬くなってる影響だろうな。

 

「正義の心は悪タイプの技を受けると攻撃が上がるという物です、ですので悪タイプのポケモンさんの防波堤としても機能します。そして石頭は言うまでもありませんね、反動技の反動を受けないというものでヒスイウインディの場合はフレアドライブや諸刃の頭突き、ワイルドボルトといった技を躊躇なしで連打出来ます」

 

・どっちにしろ火力増強系でした。

・でもヒスイの方、恐ろしくね?

・反動なしのフレアドライブに諸刃、ワイルドボルトってうわぁ……

・ボスゴドラより怖いわ

 

「こんなウインディですが、更に神速という技を習得できます。神速は言うなれば電光石火の強力版です、相手よりも素早く行動して相手を攻撃可能ですのでこれ一つで対応範囲がぐっと広がっていきます。更に鈍いも覚えます、呪いはゴーストタイプ以外が使うと鈍いになり、攻撃と防御を上げる代わりに素早さが下がってしまいますがそれをカバーする事も出来ます」

 

・出た最強先制技

・これ以外となると癖があったりするんだよな

・猫騙しとか出会い頭とかな

・神速、ノーマルテラス……うっ頭が……

・あかんなんかトラウマ刺激したぞ。

 

「ヒスイの場合は岩タイプが加わった事で弱点が増したと思うかもしれませんが同時に出来る事も増えたのでプラスに考える事も出来ます、なんだったらテラスタルでタイプを変える事も出来ますからね。通常のウインディさんは岩タイプへの対応としてインファイトも覚えますし、それのデメリットだって鈍いと神速コンボでカバーできます。考え一つで苦手を得意に変える事も容易です」

 

・苦手を得意にか

・確かに……

・ヒスイウインディいいなぁ……火山の近くにいたりするのかなぁ……?

・探してみたら意外といるかもな。

・俺今度探してみよっと!!

・俺も!!

 

「意外なポケモンさんのリージョンフォームが見つかるかもしれませんね。一説にはリージョンフォームは先祖返りだったり、リージョンフォーム自体が原種だったという事もあります。これだからポケモンさんは楽しくて面白いんですよね」

 

配信を閉じると直ぐにサザレから連絡が来た、どうやら彼女も配信を見ていたらしい。

 

『配信見たよラビ!!ウインディ大きくなっちゃってさ、いやぁ男前になったね!!また会いたくなっちゃったなぁ~パルデアに行っちゃおうかな?その時は泊めてね』

「おいおいおい、宿泊費を俺で浮かそうとするなよ」

『まあいいじゃんいいじゃん、一緒にテントに籠ってシャッターチャンスを待った仲じゃん?』

「はぁ……せめて連絡はしろよ?」

『モチ!!』

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