週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:PWCSガラルトーナメント チャンピオンユウリ

「うっわガッチガチじゃん」

 

思わずラビが素の声を出しながら言う程度にはガッチガチな戦術を取るユウリ。この世界とゲームのポケモンのガチ戦術は違う点も多いが、それでもあの戦術は十分すぎる位にガチだと言ってもいいだろう。レジアイスの特防、攻撃、防御、特攻を上昇させて突破困難な状態に持っていく。鈍いによって低下してしまった素早さに関してはそもそものレジアイスが鈍足だから気にしないではなく、冷凍ビームで地面を凍らせてその上を滑らせるという戦術でカバー。相手の繰り出すポケモンによっては機動力の低下も期待できるので一石二鳥、更に早業で技を繰り出すスピード、優先度を引き上げて対応している。

 

「こりゃダンデも苦戦必至……万全を喫していた、とはこの事か」

「ドラパルトでなんとか粘ってるけど……これはキッツいね」

 

ダンデの二体目はドラパルト、氷タイプをドラゴンで相手するのは一見すれば苦行の一言のように思えるが、対応さえ誤る事が無ければそこまででもないという意見もある。何故ならばドラゴンタイプのポケモンの多くは数多くの技を覚え、その中には炎や鋼と言ったタイプもあるので此方も弱点を突き返してやる事も出来る―――が、今回の場合はそれを適用するには余りにも苦しすぎる状況なのも事実だ。

 

「ドラパルト、火炎放射!!」

「アイススピナー!!」

 

炎を吐き出すドラパルト、それに対して高速で回転して防ぐレジアイス。そもそもレジアイス自体が炎で溶かす事も出来ないような永久凍土の氷で作り出されている、それがド忘れを積んでいるのだから幾ら火炎放射でも致命傷を与える事は出来ない。

 

「だったらこれならばレジアイスでも耐え切れないだろう、ドラゴンテール!!!」

 

気付いたか、とラビはダンデの一手に思う。今のレジアイスの弱点を突くには能力変化を無視してダメージを与えたりするしかない、何せレジアイスの特性はクリアボディで下げて能力を戻す事も出来ない。適用外の黒い霧やクリアスモッグもドラパルトは覚えない、ならば取る手は一つ―――強制交代しかない。素早さを活かしてレジアイスの懐に飛び込んで一撃を与えようとする、が……直撃する寸前にレジアイスが二つに分身した。

 

「影分身!!」

「「「「「レジジジジジジジッ!!!」」」」」

 

まるで鏡合わせのように向き合いながらも次々と分身していくレジアイス、無数に増えていくレジアイスが生み出されていく光景は最早ホラーの領域だ。それでもドラパルトは一切動じる事もなく冷静なのは流石チャンピオンの手持ちだと言わなければならないのだが―――

 

素早く―――冷凍ビーム!!!

「「「「「レ~ジア~イ~!!!」」」」」

「回避だドラパルト!!」

「掛かった!!素早く―――ロックオン!!そして力強く―――冷凍ビーム!!

「「「「「レジアイ!!レジアイ~!!!!」」」」」

 

真上へと飛び上がって冷凍ビームを回避しようとするが、それをロックオンして完全に回避を奪ってからの冷凍ビームが炸裂し、ドラパルトは完全に冷凍されて落下してきた。ドローンロトムがそれをジッと見据えてから審判を下した。

 

『ドラパルト、戦闘不能!!レジアイスの勝ち!!』

「「「「「レジアイ!!レジアイレジアイレジレジレレジアイアイアイアイアイアイレジ~アイ~!!!!」」」」」

 

勝利の確定を見てからフィールドに満ちているレジアイスは一気に両手を上げて万歳をして喜び始めた。最早、それは邪教の礼拝にすら見える程に悍ましくもあったが、同時に凄まじくもあった。あのユウリがダンデを全く寄せ付けない戦い方をしている事に、あの無敗のダンデを軽々と超えるようなバトルをしている事がガラルの人々からすれば驚きだった。まだガラルの皆の心にあったチャンピオンのダンデの姿が、今……完膚なきまでに叩き潰されている。

 

「ダンデさん、これからは私のチャンピオンタイムです」

 

ユウリは足を肩幅で開き、腕を上げて拳を握り締めた。ダンデのポーズと比べれば酷く地味でありきたりなポーズだ、しかし、ダンデにはそれが酷く輝いているように見えたのだ。あれが彼女の姿だ、このガラルを背負うチャンピオンだ。自分達はそれをサポートしてやればいいんだ、そして―――このガラルに還る為に尽力する、それが自分のチャンピオンタイムだ。

 

「ああ、ならば見せて貰おう、君のチャンピオンタイムを!!!行くぞ、リザードン!!!!」

「グオオオオオオオオオオオンッ!!!!」

「やるよレジアイス、もっともっと先へ!!」

「「「「「レジアイ!!」」」」」

 

そこからのバトルは互いが互いを上回ろうとする全力のバトル、ユウリが高みに行こうとすれば、ダンデがリザードンと共に飛び上がり、それをユウリが撃ち落そうとし、ダンデはそれに対抗、互いが互いを追い落とそうとする本気のバトルはガラルの人々の目をくぎ付けにしていた。そして―――

 

「チャンピオンタイム、オーバー……だな。ユウリ、これからも頼むぞチャンピオン!!」

「勿論です、何を言われてもそれが如何した!!って笑い飛ばしてやりますよ!!」

「ハハッ頼もしいな!!」

 

再び、ユウリはダンデに勝利した。しかもレジアイスはリザードンとの相打ちではあったが……これこそ快勝と言っても良い内容だった。寧ろダンデもよくレジアイスを相打ちにまで追いつめたと解説が褒める程だった。そして―――

 

 

「さてと、お手柔らかに頼みますよマサル君」

「胸をお借りするつもりで、戦います!!」

 

PWCSガラルトーナメントは更に加速する。

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