週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:上を目指せ、PWCSランキング

「ふわあああっ……んぁ……?」

 

妙に気分のいい寝起きだなぁと自分でも少し驚いていると此処自分の寝室だっけ?と疑問に思う、そして直ぐに思い出した。此処はラビの家の客室なんだった。

 

「そうだった、オレ様泊ってるの忘れてたぜ……」

 

 

「おはようさん、朝飯出来るから喰ってくれ」

「ああ悪い……昼とかはちゃんと手伝うぜ、にしても久しぶりに熟睡したって気分だ」

 

熟睡したと言わんばかりにスッキリとした顔で起きてきたキバナは手を合わせてから食事を始める。ラビはラビで適当なニュースを流し見しながらお茶を嗜んでいる。

 

「サザレは如何した」

「今朝早くに仕事に出たよ、今日は撮影の依頼があったからな」

「ほ~ん……あの嬢ちゃん達は?」

「一応学生だぜあいつら、もう学校だよ」

「ああそうか」

「んぁ~……お早うラビ氏~……」

 

そんな所にナンジャモも合流、もう代理人の必要はないのだが……延長した日にちがまだ残っているという事で手伝いをする為に残っているとの事。まあその実はリフレッシュする為に此処に居るのが本当のところだろうが。

 

「そう言えば、レビとのバトルはどうなったんだ?」

「オレ様が勝ったに決まってんだろ」

「えっメロンさんには負けてんのに?」

「痛い所を突くなよお前……」

 

如何やらキバナVSレビのバトルはキバナに軍配が上がったらしい。レビも良い所は行っていたが、食らい付けずに龍のアギトの餌食になったとの事。

 

「あの嬢ちゃん、クールぶってみせる所があるが実際は相当な負けず嫌いで熱い子だな。オレ様が勝った直後に随分な事言ってくれてよ、まだよ、まだ私は負けてないわ、今のは私が全てを引き出してあげられなかったせいよっ……!!ってよ。キッとした目でこっちを睨みながら次は勝つわって必勝を誓ってくれたぜ」

「レビ氏って見た目はスーパークール美少女だけど、実際は相当に負けず嫌いだからね」

 

だが、それでも驚いた。レビは自分と同じく父と母から受け継いだ対ドラゴン戦術を身に着けているし得意とするのは氷タイプ、そして相棒はアローラキュウコンというドラゴンにとっては天敵中の天敵、それを上回ってみせたというのは結構な意外な点だった。

 

「ドラゴンに対して絶対の自信があるって感じだったからちょっと上回ってやると生来の負けん気の強さが存分に出ちまうんだな。そこで冷静になり切れずに負けてたって感じだな、オレ様的に」

「そういうもんかねぇ……やっぱ旅経験させた方が良いかな」

 

レビもブルベリ学園でチャンピオンを経験こそしているが、それはあくまで極めて狭い学校内チャンピオンというコミュニティでの話だ。既にPWCSで数多くのトレーナーを相手にし続けて来ているキバナからすればまだまだ弱い相手という事だ。

 

「レビをPWCSに当てはめるとどの程度になる?」

「中堅だな、スーパーの」

「えっそんなレベルなの?」

 

とナンジャモが驚いたような声を出す、一応レベの先生という立場もあってバトルを見ている身からすると彼の実力は明らかにハイパーボール帯であるとは思うのだが……キバナは続けて実力だけを見れば、と付け加えた。

 

「だけど実力って奴は日によってのコンディションなんかでも大きく変動する、その日の調子によっては格下が格上を屠ったり、戦術を練って相手のペースを乱して本来の戦いをさせずに勝つとかもよくある話ではあるだろ」

「つまり……レビ氏はそういうのを会得してないって事?」

「そういう事だ。ついでに言うとまだまだ挫折もしてねぇなあれ、こっからがまだまだ育ち盛りになるってこった」

 

楽しみだねぇとケラケラと笑うキバナ、その表情にはからかいの色はなく純粋に妹の成長と自分を打倒し得る強敵の出現に期待するトレーナーのキバナがそこにいる。

 

「ありゃ伸びるぜ、だけどお前を通してしか世界を知らねぇんだよラビ。だからオレ様が世界を見せつけてやる、それを許容するか拒絶するか、何方にしろあいつは伸びるぜこれで。ナンジャモ、お前の彼氏もな」

「かかかかっ彼氏!?」

「囲ってんだろ、その彼氏君を」

「別にレベ君を囲ったりしてないもん!!!」

「成程、レベ君って言うんだ~」

「は、謀ったなぁぁぁ!!?」

「自爆してるだけだぞ芸人」

 

何というか本当にキバナは恐ろしいなぁ……とわずかながらに思うラビであった。

 

「ンでよ、マスターズエイトの拡大ってのはマジなん?」

「マジだぜ。マスターボール帯総勢32名での大トーナメントが今回のPWCS本選の大目玉だ」

 

32人……今までの4倍の規模、ハイパー帯最上位から選抜されるという事か……キバナは当然のように内定しているらしく、このまま何もせずにいれば確実で負けたとしてもハイパー帯入りたての新人に連続で負け続けない限りは問題ないとの事。

 

「じゃあラビ氏は?」

「ラビは……ガラルトーナメントで随分と伸びてんな、現在―――35位だ」

「うわ、ギリギリあぶれてんじゃん」

 

確実性を狙うなら30位よりかは上位にいるのが望ましいが……自分より上のトレーナーともなるとそれこそ各リーグのチャンピオンだったり、歴戦の猛者ばかりで楽なバトルではないのが分かる。

 

「どうするよ、レッドさんとでもバトル申請するか?」

「確実に負けるじゃねぇか」

「でも落差もそこまで無いだろ」

「いやキバナ氏、上を目指すのにそれはあんまり意味が……というか今レッド氏とバトルできるかは怪しいと思うよ」

「……だな」

 

正直、今バトルを申し込んだところでOKが返って来るとは思えない。そんな思いを抱いていると……スマホロトムが通知を知らせて来た。以前もあったPWCSからの連絡メールだ。

 

「ラビ選手へ次回のランクバトル申請がされました。相手はハイパーボールクラストレーナー……ッ……」

「お、おいどうしたラビ。急に顔色変わったぞ」

「……バトルの申し込みが来た、相手は……27位、マサラの三英傑の一人、ブルー」

 

キバナとナンジャモも思わず顔を強張らせた。マサラの三英傑と言えば、レッドと同じ世代で共にマサラタウンで育った幼馴染でその三人が目覚ましい活躍を遂げたために付けられた呼称。

 

一人目は言うまでもなくレジェンドチャンピオンマスター、原点にして頂点たるレッド。

 

二人目はそのレッドの最大最強のライバルにして、現在はトキワジムのジムリーダー・グリーン。

 

三人目は二人に比べバトルの実績は少ないが、その代わりにポケモンブリーダー、ポケモンコーディネイターとして圧倒的な実績を誇るブルー。

 

そのブルーからのバトルの申し込みに、ラビは本人も気づかぬ間に、口角が上がっていた。

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