週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:化える者からの連絡

「にしても、来るべき奴が遂に来たって感じだな……」

 

庭でポケモン達に食事を出しているラビを見ながらもキバナはそう呟いた。PWCSランキング27位の超実力者であるブルーからの対戦申し込み。それをラビは受ける方向性で考えているが、敢て、決定はせずに少しだけ考えると言っていた。

 

「ねぇキバナ氏、ブルー氏って……ボクの記憶違いじゃなければ、あのブルー氏だよね」

「ああ、あのブルーだ。ブリーダーとしても、コーディネイターとしても超一流と言われている超がいくつも付くほどの優秀なトレーナーでマサラの三英傑と呼ばれるうちの一人だ」

「……そんなのとバトルする訳?」

「何今更だろ、ラビの奴は今まで何度もレッドやサトシとバトルしてんだ。近いのじゃダイゴやミクリっつう超VIPとも戦ってんだ、今更ブルーとやろうがそんなに変わらねぇよ」

「それはそうかもしれないけどさ……」

 

ブルー、通称化える者。彼女の手に掛かればどんなポケモンであろうとも美しく、強いポケモンへと進化したかのように変化させてしまう事から付けられた異名。それが彼女がブリーダーとしてもコーディネイターとしての実績の大きさを見せつけている。

 

「そっち方面の実績がデカすぎるが、言うなればトレーナーとブリーダーとコーディネイターの実質的な三刀流で大成している奴なんて滅多にいねぇぞ」

「三刀流って……」

「ブルーのそれに準えるなら、トレーナーは戦う者、ブリーダーは育てる者、そしてコーディネイターは魅せる者だ。奴さん、それを全てこなしながらレッドとグリーンっつうバケモンと並び立ってるって言ったら分かるか?」

「うんやべぇわブルー氏」

「だろ」

 

そんなブルーからの対戦を希望を受けたラビはというと……そこまでの変化もなく平常心を保っているように思えるが、その裏では強く強く拳を握り込んでいた。

 

「27位、か……」

 

今日の食事の番の皆を見ながらもそう呟いた。これで勝てば自分は確実にマスター帯に入る事が出来る、そう思うと不思議と拳が震えて来る。以前ならばこんな事にはならなかった筈なのだが……実に奇妙な話だ。と思っているとスマホロトムに通話が来たので繋げる。

 

「はい」

『あっ私だけど』

「詐欺ならお断りです」

『ちょ違うから!!詐欺違う!!私よブルーよ!!』

「なんだブルーさんですか、なんですか化える者がそこまで堕ちたのかと思いましたよ」

『あんなに可愛いラビがいつの間にかこんな畜生に……』

「応喧嘩売ってんなら高値で買うぞ、俺は女だからって拳は躊躇しないぞ」

『そこはポケモンで受けて立ちなさいよ!?なんで物理なのよ!!!』

「何を言うかポケモンにだって物理特殊があるんだからどっちも同じようなもんじゃろ、何だったら今から特訓してグロウパンチぐらいなら出来るようになっても良いんだぞ」

『ちゃうわ!!確実にちゃうわ!!!』

 

という寸劇は置いておいて……電話を掛けて来たのは件のブルーであった。一応自分はレッドと一緒に旅をしていた時期があったのでその時に顔見知りになっている。

 

「……ンで、突然なバトルの申し込みっすね。余りにも突然すぎませんかブルー姉さん」

『あんたも知ってんでしょ、カントーのあの事件』

「そりゃ俺が原因って実しやかにいう自称評論家だっている位ですからね」

『ああ、あの評論家なら失脚したわよ』

「マジかよ、電話切ろ」

『やったのは私じゃねぇが!?』

「成程グリーンさんか」

『はっ!?謀ったな!?』

「自爆でしたよね?」

 

取り敢えずそれについてはどうでもいいが……カントーでも大々的に力業天候技について報道はかなり大規模に行われている。それもその筈だ、やっている事は最早環境テロで犯人達への風当たりは最早暴風域だ。

 

『私としてもあれはショックだったけど、私はレッド程のショックは受けてないっていうかレッドがグリーンとアタシに比べてほんとにダメージがデカいだけで私達はそこまでじゃないのよ。それだけあいつがそれだけ思い出を大切にしてくれてたってことな訳なんだけどね』

「だからってなんで俺とバトルなんすか」

『そりゃパルデアというか他地方に連れて行く名目の為に決まってるじゃない』

「そんなんだから思いつきで行動するイノシシ娘って博士に言われんすよ」

『ちょっと待ってっあの爺私の事をそう言ってやがったの!?』

 

まあ兎も角、バトルの目的が自分ではなくレッドの気分転換だという事は理解した。というか絶対レッドを自分に押し付ける満々だよな?という気がしてならない、此処にはレッドが好むポケモンが数多くいるし、バトル設備も完備してある。最近はポケモンセンターなんかで使われる体力回復装置なども導入した。名目上は保護区で体力を消費したポケモンの回復の為である。

 

「レッドさん相当参ってるみたいですね」

『ええ、あのレッドが溜息交じりに落ち込んでる姿なんて初めて見たわよ。だからいい加減それを何とかする為に協力しなさい、これは命令です』

「別にそれは良いですけど……だったら何でバトルをかませるんすか」

『そりゃ単純に私がアンタとバトルしたいから』

「アンタもアンタでレッドさんと同類だよ」

『流石に異議申し立てよ!!』

「知らんわ」

 

そこで通話を切る、彼女を知る人からしたら自分のそれは極めて不敬に見えるのだろうがこういう接し方を求めて来たのは彼方なので文句を言われる筋合いはない。まあ兎も角―――

 

「ダイケンキ」

「ケン」

「次は一番タフなバトルになるだろうから覚悟しとけよ」

「ケン」

 

相手はあのブルー……極めて強いレッドとは一線を画したバトルをする。彼女を小癪とか狡猾と称する人も多いが的確な表現だとも思う。あれ程までに柔軟なバトルは中々出来ない。ならば此方も取れる手段は全て取った方がいい、負けるにしてもやれることは全部やりつくして負けた方が気分も良いというものだ。

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