「ひっさしぶりね~ラビ君、ブルー姉さんが来たわよ!!!」
「何が姉さんだ年下の分際で何姉貴ぶってんだ痛々しいを通り越して見苦しいぞ」
「良いじゃない見た目だけで言ったら確実に私が上よ!?」
「あっ馬鹿お前」
「……(無言で距離を取ってフックの構えでアッパーをやり始めるラビ)」
「いやマジすいませんでしたお願いだから殴らないでくださいガゼルパンチはやめてください」
「久しぶり、ラビ」
数日後、パルデアへとやって来たお客様、レッドを連れたブルーだけではなくもう一人の幼馴染のグリーンまでもがいた。それだけレッドの事が心配という事なのだろうか……。
「でもなんでグリーンさんまで」
「お前知らねぇの?俺様は今大会のPWCSランキングで7位だから余裕で本選確定なんだぜ?」
「あっ今回は出るんですね」
「ああ、ジムトレーナーが漸く育って来たからな。代理を任せてたんだ」
ジムリーダーに就任してからは、ジムを空ける訳にはいかないという理由でPWCSに参加していなかったのだが、どうやら留守を預けられるだけのトレーナーが育ったらしいので今大会は参加しているらしい。しかも前回大会のマスターズエイト圏内に堂々とランクインしているという実力を見せつけながら……流石レッドの永遠のライバルと言われるだけはある。因みにレッドは1位、2位のサトシとは頻繁に入れ替わっている。
「レッドさん、取り敢えず静かに過ごすのもバトルをするの自由にして下さい。俺に言えるのはその位の事しかありません」
「いや大分元気にはなってる、だからバトルをする」
そう言ってレッドは徐に外に出ると誰とバトルしようかなと言わんばかりに視線を彷徨わせ始めていく、そしてちょうど飛んでいたバ鴉がバトルを申し込むとレッドも笑ってそれに応える。
「ああ、最初はお前じゃないとな。ピカチュウ、分身ボルテッカーのチェックをする」
「ビィィガァァァ……!!!」
「ガアアアアアアアアアアッ!!!!」
「どうでもいいけどちゃんとバトルフィールドでやってくれ」
「そうだった」「ガァァッ」「ビィィガ」
本当に妙な所で理性的というか欲望には極めて素直というべきか……律儀にランクバトルではなくフリーバトル用のフィールドに向かう辺り本当に分かっているのがまた……。
「ンで如何してちょっと元気になってるんです?」
「単純な話なだけだ、あんな大変な事になった場所に元居たポケモン達が自主的に戻って来て復興を手伝ってんだ」
「野生の、ポケモン達が?」
「野生と言っても、レッドが毎回行ってるから顔見知りだし並のトレーナーよりもずっと強い子達ばっかりなのよあそこ」
曰く、あそこはレッドの強さに憧れているポケモンが多くを占めており、相当にタフなポケモン達ばかりらしく、一時的に避難こそしているが復興作業を自分たちなりに手伝ったりしているとの事。それを見ていたらレッドは負けてられないと元気になったらしい。
「レッドさん、あの人そこで一体何をやってたんですか?」
「日がな一日そこでポケモン達のバトルを見て、此処はこうしたらいいとか、技を教えてたりしてたんだと」
「ほぼほぼやってる事がトレーナーズスクールなんですが」
「ホントな、それを野生のポケモンにやるとか普通考えねぇぞ」
一緒に旅をしていたが、自分はレッドの事をあまり知っていなかったんだなぁ……という事を自覚すると同時に知らない方が幸せな事もある、と自分を納得させておく……そんな事をしていると、キバナが人数分のお茶を持ってやって来たが、レッドは既にバトルフィールドに向ってしまったので代わりに自分で飲み始める。
「んでラビとバトルすんのかい化える者さんよ」
「するに決まってんじゃない、此処まで全勝無敗のラビ君に、このブルーお姉さんが世間の荒波って奴を教えてあげるわ」
「だからなんで姉貴ぶってんだ、ラビの方が幾つ年上だと思ってんだ。おい知ってるかキバナ、こいつラビが自分よりも年上だって知った時、真っ白になってその場で跪いてコツを教えてください……!!!って頭下げたんだぜ?」
ガチ話である。レッドと旅をしていた時に顔を合わせた時に知り合ってからになるが、自分の方が年上であることを暴露した際に、真っ白燃え尽きた後にガチ土下座から懇願されて自分は逆に泣きたくなったぐらいだ。
「ぎゃああああああああっ馬鹿なんでそれ言うのよ威厳無くなったらどうするんのよぉ!?」
「安心してしろ、オレ様は別にアンタに対して威厳とか全然感じてねぇしランキングもオレ様の方が上だから寧ろ格下って思ってるから」
「ああじゃあ安心、出来ねぇじゃねえか私舐められまくってんじゃん!?上等よラビ君の前にアンタを叩きのめしてそのランキング引き摺り下ろしてやろうじゃない!!!」
「じゃあ後にしてくれ、まずはラビのランキングあげてからだからな」
「だから可笑しくない!?なんで私が負ける前提なのよ、私弱くないから、今27位で各リーグで優秀な成績挙げてるトレーナーなんですけどぉ!?」
しかし本当にツッコミが上手いお姉さんだ、此処にナンジャモがいない事が悔やまれる。今日はハッコウシティでイベントの予定があるのが非常に悔やまれる……いい勉強になるだろうに……。
「どうだラビ、俺様と戦ってみるか?こいつよりもずっといいバトルにしてやるぜ?」
「個人的にはそっちもいいなぁ、バトル回数少ないし」
「じゃあ後でオレ様とやろうぜPWCS関係なしに、最近ダブルバトルで使える面白いテクを見つけたからその性能チェックもしたいんだよな」
「おっダブルバトルと聞いたらオレ様も黙っちゃいらねぇな、ラビもダブルバトル出来るだろ。オレ様と組んで相手をするってのは如何だ?」
「母校的にも寧ろ本領だわ」
しかしグリーンが見つけた新しいダブルバトルのテクニック……生憎ブルベリ学園で散々やりこそしたが結局シングルバトル以上にやり込みはしなかった、自分は1ON1の方がしっくりくるトレーナーなのだというのが分かる。
「ねぇっなんでちょくちょく私を置いてきぼりにしたまま話の流れがどんどん加速してる訳?なんでグリーンとバトルする事になってるの、ねぇっちょっとお姉さんガン無視は酷くない?泣くよ?私ガチで泣くよ?この場で尊厳も何もかも投げ捨てて号泣してやろうか、それとも恋愛対象として見るぞおいお前ら」
「「「勝手に泣くのは良いけど、それだけはご勘弁を……!!!」」」
「うぉいなんでそれに対してガチトーンで返事するんだよ?!逆に傷つくわ!!スルーされると思ってやったボケをガチで返されるって凄いきついんだぞお前らぁ!!!?というかどんだけ息ピッタリなんじゃおどれらぁ!!」
男というのは空気が合えば自然とノリで通じ合えるものなのだ。
「ええい、取り敢えずラビ君私とバトルよ!!!化える者の力を見せてやるわ!!」
「舐めるなよ、こちとら書いた絵が数百数千万規模で取引される絵を描いたりする描く者だぞ、色んな意味で負けないぞ」
「お前そんな事してるからイラストレーターとして認識されねぇんだろ、いやこれだけの庭を維持するにはしょうがないだろうけどさ」
「やめてグリーンさん気にしてるから言わないで」
『スマホロトムより互いの情報を取得。このバトルはPWCSランクバトル、ハイパーボールクラス公式戦として承認されました。対戦ルールは3対3、メガシンカ、Zワザ、テラスタル、ダイマックスは各選手一度ずつのみ、ポケモンの交代は両者自由となります。ラビ選手 VS ブルー選手。それでは両者、最初のポケモンをフィールドへ』
「行くわよ、ピーちゃん!!」「ピックシー!!」
「―――勝ちに行くぞ、GOシンボラー!!」「ボララランッ」