週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:PWCSランクバトル VS ブルー 後編

「メタちゃん、砲門増設!!ハイドロポンプ連射!!!」

「カェモンッ!!」

「フ、ふざけんな!!!駆け抜けろ!!」

「ペ、ペドッ!!」

 

思わずラビがファック!!と言いそうになったのを堪えながらも叫んだ。それはメタモンが変身したメガカメックスの背中から通常のカメックスのハイドロキャノンが二門、追加で増設されたからだった。本来は背中の一門に統合されている筈の物をメタモンの能力を生かして再び作り出してしまったのだ。そこから連射されるハイドロポンプの嵐を強引に振り切るように駆け抜けていくペンドラー。

 

「あんなのありかよ……」

「ありだろ、別に反則はしてねぇんだぞ?」

「いや反則みたいなもんだろ……」

 

思わずキバナがそんな言葉を紡ぎ出せばグリーンは一応擁護のような言葉を口にする。実際ブルーは反則をしている訳ではない、メタモンの能力をフルに生かした戦法だ。と言ってもあれをやる為には長い訓練とカメックスの協力がなければ成立しない。

 

「あれが化える者の本領だ、そいつ能力を100%いやそれ以上にまで引き上げる事が出来る。それでいてポケモンに無理をさせる事はしないっつう奴だ―――俺達は、そうしなきゃ追い付けない奴を追いかけ続けてんだよ」

 

これが、レジェンドチャンピオンマスター最大のライバルと言われている男の言葉。酷く納得と得心が出来てしまった。この領域に踏み込まなければ、レッドと互角以上の領域に入る事が許されない……では自分は如何だ、自分にはそれがあるのかと言われれば―――

 

「さあどうするラビ!!メタちゃん、もっともっとよ!!」

「モンモンモ~ン!!!!」

 

直後、メタモンはカメックスの腕を伸ばした、いや正確に言えば腕全体を甲羅のようにしてそこからもまるで対空砲のような砲門を増設した。あれはキョダイマックスカメックスの小型砲台か、本当に自重というものが存在していないらしい―――だけど、それもまたポケモンの特性だ。

 

「決まってるじゃねぇか、真ん前から打ち破る!!そうした方が面白いに決まってるじゃねぇか、なぁペンドラー!!どうせ勝つなら完全な勝利を目指してやろうじゃねぇか!!!お前はもう戦いの事だけを考えろ、お前の全てを、俺に預けろ!!!」

「ペェエドッペエエエドオオオオラアアアアアアアアッ!!!!」

 

刹那、ペンドラーの瞳が赤く青く、染まっていく。全身に溢れ出した毒の中で苦しんでいる、いや抑えつけていた精神を完全に解放した。その瞳からは光が消えて、混濁した狂気の光のみが輝き続けているが―――ペンドラーはラビの言葉を待ち続けていた。

 

「メタちゃん、素早く―――雨乞い!!からの力強く―――潮吹き!!

ガッメエエエッガアアアアアアアア!!!!

 

雨雲を呼び、雨が降り始めるとともに猛烈な水を噴き出すメタモン。未だダメージを負っていないメタモンが放つ潮吹き、そして雨によって威力は増強される―――ならば此方はどうするかなんて決まっている。

 

猛々しく―――メガホオオオォンッ!!!

ペェェドォォォ……ラァアアアアアアッ!!!!

 

何も考えない、やるべき事はラビの命令の遂行、ただそれだけを思考して突撃するペンドラー。真正面から津波のような潮吹きが向かって来るがメガシンカによって得た鎧でそれらを弾きつつも、猛進する。

 

猛々しく―――ハイドロッカノオオオンッ!!!!

モンモンモンモ~ン!!モンガメエエエエエッ!!!!!

 

姿勢を低く、強く踏ん張りながらも全てのエネルギーを背中のキャノンへと充填する。同時に砲台そのものが新たに創造される、背中の全ての砲門が一つになった巨大なハイドロキャノン、そこへと収束されていくエネルギー……最早ポケモンの技の領域を超えようとしている一撃が放たれようとしている。

 

「叩き込め、ペンドラー!!俺達の―――確信を!!!」

「ペエエドオオオラアアアアアアアアッ!!!!」

 

「これが、私たちの化わった姿の先!!!」

「ガアアアアメエエエエエオオオオオンッ!!!!」

 

互いの必殺の一撃が炸裂、緊急でバリア展開される程の爆風が噴き出し、バリアが崩壊する前に天井部が開放されてそこからエネルギーを逃がす処置が発動する。空へと伸びていくメガシンカエネルギー、雨乞いによって発生していた雨雲を貫いて何処までもどこまでも伸びていく光の柱、それが静まると同時に今度は大自然が雨を降らせる、まるで戦いの熱を冷ますような冷たく痛い雨が降り注いでいく。

 

「モンモ~ン……」

「メ、メタちゃん!?」

 

光が晴れた先には、変身が解除されているメタモンの姿があった。そしてメガシンカが解除されながらも歯を食いしばるようにしながらも立ち続けているペンドラーの姿がそこにあった。つまり―――決着は

 

『メタモン、戦闘不能!!!ペンドラーの勝ち!!!BATTLE OVER!!ラビ選手の勝利となります!!』

「ペ、ペッドォォォッ……」

 

ロトムの判定を聞いてペンドラーは思わず膝を折りながらもか、勝ったぁぁ……と言わんばかりにへたり込んでしまった。そんなペンドラーの頭を撫でてやりながらラビは笑った。

 

「無茶させて悪かったなペンドラー、お疲れ様……」

「ペ、ペドォォ~……」

 

もうこんな無茶は御免だよと言いたげなペンドラーにラビは謝罪する事しか出来なかった。そんなラビを見ながらもブルーはメタモンを労う。

 

「お疲れ様メタちゃん、流石にメガシンカを模倣しながらもあれこれは無茶だったわね」

「モンモ~……」

 

全くだよ……と言いたげなメタモン。ただでさえメガシンカしているカメックスに化けるのも大変だというのに、新たな砲門を増設したり、既にある砲門と一つにするなんて無茶苦茶が過ぎる……無茶をするたびにメタモンの体力はがりがりと削れていた。ラビの勝因はそこにもあったが……ブルーの顔に後悔はなかった。そしてロトムに言われてランキングを見てみると―――

 

「30位か……ぎりっぎりセーフって所かしら」

 

そこには敗北で30位に下がった自分が居た。そして勝利したラビは……28位へと上がっていた。これでラビも本選出場は固いと見てもいいだろう、自分は何とかこの順位を死守しなければ……だって、本選でもう一回戦いたいじゃないか。

 

「もうコメント見てる暇も無かったな……全く、これだからバトルはオレ様を熱くさせやがる」

「同感だ。レッド、どうだ少しは元気出たか」

「……メガペンドラーとバトルしたい」

「今はやめてやれ」

「……そんなに俺節操ないように見える」

「見える」

「……グリーン、お前相手しろ」

「あっちょっと待て、悪かった悪かったって!!?そうだブルーもそんな事言ってました!!!」

「ちょっとグリーンアンタ何私まで巻き込んでるのよ!?私そこまでの事言ってないわよ!?」

「つまり似たような事は言ったと」

「はっ口が滑った!?待って待って、私カメっちとか動けないんだけど、いやああああラビ君助けてえぇぇぇ!!!!?」

 

レッドに引きずられていく二人を見つつラビは溜息交じりに笑うのであった。そしてキバナからの言葉を有難く受け取った。

 

「まあ兎も角だ―――マスター帯、突入おめでとさん」

「応、有難く受け取っておくわ。一応な」

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