週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:日常からの―――

「よっあんだけラビを誘ってたくせにランキングが30位でマスター落ち寸前だった赤アフロさん、今のお気持ちをどうぞ」

「……残念でなりません」

「ラビ、代わりに言ってやったぜ」

「誰も頼んでねぇわバカキバナ」

 

遂に本選出場者が明らかになってから数日、流石に本選が始まるのはまだまだ先なのだが……数か月前から本選会場入りするケースも多い。ポケモンバトルもやる環境によって戦況は大きく変化するもの。だからこそ本選が行われる地方に身体を馴らしておくのは割と基本な事……という事で、今日も今日とてパルデア地方入りをする人が多い中で客人がやって来た。その客人というのが……デンジとオーバだった。

 

「ラビ、知ってるか。こいつ、君に勝つ為に特訓とかいろいろやってたのに空回りする事も多くてそれで大番狂わせって言われるような惨敗を何度かやった結果がこの順位なんだ」

「ははっ笑えるなラビ」

「くそっなんでこんな事を言われなくちゃいけねぇんだ……!!」

 

キバナは愉快そうに笑い、オーバは屈辱そうな顔をしている。なんで友人にこんな事を言われなくちゃいけないんだと思っているとラビはお茶を一口飲んでから、少しだけ顔を歪ませて笑ってから……フッ、と鼻を鳴らした。

 

「テンメエエエエエエエエッ!!!!そこまで言われる筋合いはねぇぞテメェ!!!!」

「あるだろ、あんだけ人に推薦やら出ろやら人を使って説得までしようとしてた奴が、俺より下の順位且つマスター落ちギリギリだったんだぞ。情けな、ちっさ、人の器」

「そ、そこまで言われる筋合いはマジでねぇ……」

 

膝を突いて呻いているオーバを見ながらもキバナとデンジは膝を叩いての大爆笑。此処まで情けない姿の四天王の姿もそうは見れない、本当に良い物を見せて貰ったと言わんばかりのそれにラビも酷くいい顔でサムズアップするので余計に腹筋に悪かった。

 

「ンでなんでここに来たんだ」

「いや俺は挨拶のつもりで」

「泊めてくれ」

「帰れ、いや還れ、土に」

「そこまで言うか!!?」

 

そもそもなんで自分の家を目的に来るんだ、事前の一言すらなく来て泊めてください?普通に嫌だよ、まだ客室には余裕はあるけどこいつの為だけに部屋を貸すとか嫌だ。デンジなら数日は泊めて上げても良いが……。

 

「いや大丈夫、俺は俺で自分で作った長距離航海用の船が出来たからそっちで寝泊まりはするさ」

「あっすいません態々……というかンなもんまで作ったんですか」

「ああ、手慰みに作ってたのを本格的に作り直してな。今、ナギサジムのジム施設は海に浮かべてあるんだ。水中、水上、空中の三つのフィールドでバトル出来るようにしてある」

「一ジムリーダーとしての仕事量を越えてますよね絶対」

「まあな」

 

まあ兎も角デンジの方は心配は要らない、そうなると問題はこの赤アフロか……。

 

「このままトーナメントで当たらず、お前が負けてくれることを祈るよ」

「おいそれはねぇだろライバルに対して」

「―――???」

「無言で首を傾げるなよ!?なんだよ俺はライバル認定されてねぇのかよ!!?」

「なんでライバル認定しないといけないんだ?頭、大丈夫?」

「そこまで言うかお前!?」

 

「なぁサザレ、あれ、ラビマジで言ってるよな」

「うん、完全な素で言ってるね。ラビからしたらオーバさんはライバルじゃないからね」

「マジでか、だけどTVだとあいつとラビの激戦特集よくやるんだよな」

 

オーバの一方的な影響もあるが、一般的にはオーバとラビはライバル関係でこの本選でもその激戦が再び巻き起こり、凄まじい戦略爆撃並みの大きなインパクトを齎すのではと期待されているのだが……実情としてはラビは相手をライバルとして全く見ていない。

 

「アンタの勝ちだったじゃねぇか。なんでその勝者が敗者に執着するとか頭沸いてるの?」

「いやだからあれは俺は既に負けを認めたんだよ、だけどそれをゴウカザルが根性で捻じ曲げただけで俺は負けてんだよ!!」

「だったらゴウカザルの勝ちで俺の負け、はい終了」

「終わらせんなぁぁ!!?俺が勝つ為に、ハッキリ決着付ける為にバトルしろ!!」

「はぁっ?お前に負ける為にバトルしろって?冗談じゃねぇ」

「オーバ、お前しつこいにもほどがあるだろ」

「一時ジムを放置してたお前にだけは言われたくねぇ!!」

 

 

 

 

 

 

「ラビからしたら、あのバトルは自分の自惚れと実力不足が招いたっていうのが全てだと思ってる敗北なんだよね」

「あいつの、か」

 

キッチンでお茶菓子の準備をしているサザレの隣でお茶のお代わりを淹れるのを手伝うキバナ。

 

「あの敗戦はラビにとっては本当に辛い物だった、自分の全てを出したと言えば聞こえはいいけどそれはダイケンキ達に無理を強いる物ばかりで思い返すと当時の自分を殺したくなるような杜撰な物だって言ってたよ」

「確かに、雑な部分もあったが……」

 

それすら戦術に入れていた、敢て隙があり雑な攻撃を行う事で相手が狙うべき間を作り出し、そこをカウンターで仕留める事すらラビはしていた。それもポケモンとよく話し合って決めた事らしいが……本人からすれば自身の技量と判断が伴わない事への言い訳にすらならない。唯の付け焼刃。その挙句、自分はポケモン達に負担を強いる戦い方をさせてしまった。

 

「あの時はまだ一緒に旅をし始めたばっかりだったけど驚いたよ……あんなにポケモンに心を寄せてる人は見た事がない。分かる?目の前に珍しいポケモンがいたのに、ゲットせずに仲良くなって、そのまま解放したんだよ?フカマルだよ?」

「普通だったら速攻でボール投げてるな」

「でしょ」

 

ポケモンを好いているのではなく愛している、そんな人は見た事が無かった。そんな人はポケモントレーナーでバトルで勝つ為に苦心しつつもポケモン達との心を通わせる事を忘れない……自分には理想的なトレーナーに映った。

 

「と言ってもそのフカマルが今のガブリアスなんだけどね」

「なんだよ結局ゲットしたのか?」

「ついてきたんだよ、ポケモンセンターまでね」

 

 

「そうだラビ、お前聞いたかミアレの話」

「ミアレの?」

「ああ、どうにもワイルドゾーンってのが設置される話があるらしいぜ」

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