週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:男同士の駄弁り

PWCS本選トーナメントの対戦表の発表を今か今かと待ち侘びているファン達とどんな相手と戦うのかを不安にしながらもその情報を待ち侘びるトレーナー達。対戦相手によっては文字通りに戦術やポケモンの入れ替えを行わなければいけない、それほどに重要な事なのだ。

 

「うめぇなこれ!?」

「幾つかの木の実を粗く刻んだ物を自然乾燥させてから更に細かく砕いて更に細かくしながら不純物を取り除く、それを焙煎した物を使ったスパイスだ。この香りと辛味をタイトに出すの、すっげぇ面倒臭いんだよ」

「じゃあ何でこんなのやってんだ?」

「ポケモン達のご飯の残り」

「残りもんかよ!!?」

 

男二人、ラビはキバナと昼食を取っていた。サザレはカメラマンという事もあり現在準備が進められている本選会場の撮影を依頼されて出勤中で2人は一緒にチャーハンとラーメンを啜っている。

 

「というかこれまでだって基本食事はポケモン達の残りもんだぞ。正確に言えば余った分を美味しく調理したというべきか……このスパイスだって俺が食うならこんな面倒な事しねぇっつうの」

「ホントポケモンの為なら手間も暇も惜しまねぇ奴だなお前……」

「ぶっちゃけ俺は家族以外の人間とかどうでもいいからな」

「えっお前人間不信なの?」

「ポケモンの方が大切なだけだ」

「う~ん端的に言って社会不適合者」

「そんな不適合者が広めた技術が最早現代に根付いているのにはどうお思いで?」

 

本当に口も立つ奴だ……と思いながらもキバナはラーメンを啜りつつもインスタにアップした今日のランチの様子を見てみると、なんというか矢張りというべきかラビへの批判というか自分を利用しているなどのコメントが多く散見される、何方かと言えば自分が利用しているんだが……最近、この手のコメントに嫌気がさしつつあるのは自分が成長したと解釈しても良いのだろうか。

 

「というかそんだけポケモン好きならポケモンレンジャーになろうとか思わなかったのか?」

「実はブルーベリー学園の前にレンジャーの養成学校の体験留学もした事あるんだよ」

「マジか」

「でも無理だった」

「なんで」

「あそこは要求されるフィジカルが可笑しい」

 

全部が全部という訳ではないが、丁度その時はトップレンジャーが来てキャプチャーは現地での動きを再現できるというアスレチックを攻略したのだが……5秒間ぐらい壁を走った時はもう目が点になった、そのまま連続で壁キックして高台へと飛び付く、暴れるケンタロスの背中に平然と飛び乗るとキャプチャースタイラーを使う事なくケンタロスを落ち着かせる、カイリキーと真っ向勝負して技で勝つ……色んな意味でもう驚きすぎて無理だと悟った。その時のレンジャー、ジャッキーとは今はメル友である。

 

「一応ポケモンの扱いは上手いって褒められはしたけど、なんか俺には無理だってなった」

「レンジャーも一応トレーナーみたいにポケモンを持つらしいけど、それでも毛色は違うらしいもんな……」

 

キバナはちょっと違う事を想像しているっぽいが、あの世界は本当に別物だ……まああの体験入学が切っ掛けでレンジャー本部からデザイン関連の仕事を貰える事もあるので無駄ではなかったと思ってはいる。

 

「そう言えばよ、トーナメント表って何時発表されるのがベターなん?」

「そうだなぁ……例年だと本選トーナメントの2ヶ月ぐらい前が目安にはなってるな。だから現地入りするのはそれからでも遅くはないから、大半の人はそうするな。ジムリーダーとかになると、街の顔役的なこともあるからそういう奴らが多いってのは聞いたな」

「何、アンタ顔役じゃねぇの?」

「おう喧嘩売ってんなら3割引きで買ってやるぞ」

「レビに売って、どうぞ」

 

キバナは冷たくすら思えるラビの反応にも慣れて来た。キバナとしてもレビは気に入っている、あそこまで自分にハッキリと物を言って来る奴は中々居ない、それでいて血気盛んで常に自分を越えようと努力と工夫を惜しまない所も中々に好印象だ、此方に気に入られるつもりは一切なしという大胆不敵な所も良い。

 

「ラビ、素直に言うとレビはオレ様好みの女だぞ。そのうち、多分貰うぞ」

「……お前、抜け抜けとまあ……仮にもあいつの兄なんですけど俺」

「だから言ってんだよ、お前別にシスコンじゃねぇだろ、ポケコンだし」

「関係ないだろポケモンは、というか実際それはレビ次第―――と言いたい所なんだけど、あいつもお前さんを意識しちまってるし……最近、突っ張る言葉の中にも温和で暖かい部分も出て来てるから多分あいつもお前に惹かれてると思う」

「ああやっぱり?オレ様もなんかちょっと距離近くなったなって思ってよ」

 

レビ本人がいたら確実に

 

「違うわよ誰があんな男を好くもんですか!!?私の好みは兄さんよ兄さんオンリーよ他の男なんて目に入らないわよ今からでも証明しましょうか!!?本気でサザレさんから奪ってやるわよ!!?」

 

位は言うだろうなぁ……というかこの前にサザレとナンジャモと一緒に女子会をした時、ナンジャモがレベの事で弄られたので、雑にやり返してやったらそう言って来たらしい。もうあいつ隠せてないな……とサザレから聞いて呆れた、尚ロルもいたが大爆笑してレビに怒られたらしい。

 

「そうなるとアンタが義弟かぁ……ええっ……」

「嫌そうな顔するなよ」

「というか確実にSNS荒れるよな。レビはそういうの気にしないし負けない位強いけどさ」

「そっちはオレ様が守る、全員のコメント調べ上げて晒し上げて法的な裁きを下してやる」

「……まあそっちは好きにすればいいっていうか、まずは交際してから言えや」

「ですよね~オレ様も何今から言ってんだって思ったんだよ」

「ホント、中身のねぇ会話しかしねぇな俺ら」

「そういうくだらねぇのが男同士の会話の良さだな」

 

直後に麺を啜る音が木霊し、スープを共に飲み干した息が漏れるのであった。そして一緒に洗い物をし終わってデザートの杏仁豆腐風ドーナツを食べようとしている時に来客が来た。

 

「そろそろ来ると思ってましたよ」

「ごめんなさいねラビ君、突然来ちゃって……」

 

玄関を開けた先にいたのはスーツケースを持ちつつも、サングラスを掛けて申し訳なさそうにしているカルネと―――カルネの手を握っている可愛い女の子の姿だった。

 

「今日から、お世話になるわね」

「お、お邪魔します……?」

「ええ、どうぞどうぞ。でもただいまでもいいですよっていうのは馴れ馴れしいか、宜しく」

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