「セエグゥゥレイブァアアア!!!」
咆哮を上げながらも大口をまるで砲門のように開けるセグレイブ、そこから寒いなんて言葉では表現出来ないほどの低温の冷気が光線となって放たれる。冷凍ビームの筈だが、その冷気と威力が尋常ではない。
「トリデプス!!」
「トゥッリデェェェェ!!!」
真っ向から冷凍ビームを防御するが、守るで反射されたように周囲へと飛び散った冷凍ビームは建物を凍結させてつつも砕くという事をしている。並の威力ではない、これだからメガシンカは怖いんだ……というのをマジマジと見せつけられている気分だ。
「こりゃ、並の威力じゃねぇな……ラスターカノン!!」
「リイイジュラァ!!!」
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオウオンッ!!!」
ラスターカノンに対して叫びながらも勢いよく振るわれた尾は確りとラスターカノンを打ち据えると建物に炸裂して大爆発を引き起こした。その勢いのままで正面を向きと今度は吹雪を放って来た。その吹雪は一体を丸ごと冷凍してしまうかのような大規模攻撃。
「なんだこの冷気!?」
「さ、寒いのですぅ……」
「マズいな、ワイドガード!!」
「リデェッサァァァ!!!」
ならば此方もと広域ガード技であるワイドガードを発動。背後のアンシャとムーランドごと庇えるような巨大な盾を展開する。吹雪をこれでシャットアウトできるが……
「あのセグレイブ、特攻も侮れねぇぞこりゃ……!!技そのものにメガシンカのエネルギーを混ざせて威力を上げてやがるんだ!!」
「メガシンカの維持時間が減るか、体力を削る手段だな……だがこのままやらせておくわけには」
「行かねぇよなぁ!!アイアンヘッドぉ!!」
駆け出していくブリジュラスはアイアンヘッドの体勢に入った、だがそれに対してセグレイブは無数の氷柱針を発射した。それによって勢いが削がれた所にセグレイブは必殺技ともいえる象徴の巨剣突撃を発動させてブリジュラスを一方的に吹き飛ばしてしまった。
「ジュラアアアア―――ァアアアアアスッ!!!」
「負けねぇよなぁ!!!反転して備えろ!!」
「トリデプス、突撃しろ!!」
空中で向きを変えるとそこへ飛び込んで来たトリデプス、勢いを付けての突進でストップ、いや顔面に着地したブリジュラスはそのままトリデプスを蹴って跳躍し、体勢が崩れているセグレイブのどてっぱらにアイアンヘッドを命中させた。
「グゥグレイィ……!!?」
「そのままワイドブレイカー!!!」
「ジュウラアアサァァァッ!!!」
まだ不安定な体勢のセグレイブの顎へとワイドブレイカーを叩き込んで意識をぶらすと、今度はそこへトリデプスが飛び込んで来る。
「ボディプレス!!」
防御が極めて高いトリデプスの一撃、それに対してセグレイブはフラフラとしながらも背びれを向けて反撃の体勢を作るが、トリデプスの強固な顔面の盾はその剣すらも砕きながらもボディプレスを炸裂させた。異空間そのものを揺らすような衝撃で周囲が揺れる中、喉笛へと噛みつきながらもセグレイブをグルグルと振り回し始めるトリデプス。
「よし、ブリジュラスに向けて投げろ!!」
「リイイッデプサァ!!!!」
「決めろブリジュラス、アイアンヘッドぉ!!!」
投げられたセグレイブはそのままブリジュラスへと向かっていき、それを渾身のアイアンヘッドで迎撃するとメガシンカしたセグレイブの身体はくの字に折れ曲がって地面へと叩き付けられ、メガシンカが解除されて戦闘不能となった。
「いよぉし勝ちぃ!!」
「やれやれ参ったもんだ……んっ?」
セグレイブから何かが落ちて転がって来たのでそれを拾ってみるとそれはメガストーンだった。セグレイブから出て来たという事は……セグレイブナイト、という事になるのだろうか……
「こいつも暴走メガシンカに準ずるって事かな……プラターヌ博士の話じゃ、暴走メガシンカを鎮めるとメガストーンが出て来るらしいし……」
「暴走か……ラビ、こいつオレ様がゲットしてもいいか?折角だ、オレ様が色々仕込んでやるぜ」
「別にいいけど」
「おっしゃ」
興味があったのか、キバナはそのままセグレイブをゲットした。そこで漸くムーランドが此方へと戻って来た。アンシャも無事なようで何よりだった。
「お二人ともご無事ですか!?」
「おう嬢ちゃん、この通り元気もりもりだぜ」
「何とかなって本当に良かったよ」
アンシャもホッと胸を撫で下ろしているとグ~……とお腹の音がした。視線を向けてみるとそこにはお腹を押さえているフーパの姿があった。
「お腹空いたのです?」
「ピヒャァ~……」
「飯っつってもポケモンフーズとか持ってきてねぇからなぁ……如何するよ」
「何とか買える手段を考えるしかないかなぁ……」
とキバナと共に頭をひねっている時だった、フーパのリングが一人で動き出した。そして大きくなりながらも地面へと落ちると再び穴を生み出した。だがその先にはラビの家と何やら此方を覗き込んでいるポケモン、というかダイケンキの姿が見える。
「おっこれラビのダイケンキじゃねぇか!?」
「まさか腹減ったからゲート開いたとかそういうオチなのか……?確かに空間と空間を繋ぐには相応のエネルギーが必要だろうけど……」
「でもこいつドーナツ3~4個喰ってたよな?それで腹膨らませただろ」
「……エネルギーってカロリーだったりするのでしょうか?」
アンシャの言葉を否定したいが何とも言えない……取り敢えず今は此処に入ってみるしかないだろう。ムーランドを戻しつつもアンシャを抱き上げて、穴に入る準備をする。呼吸を整えてから、突入の準備をする。
「よし、それじゃあいいか」
「ああ」「はいっ」「ピヒャ!!」
「それじゃあ、いっせ~のっ!!!」
一斉にリングへとダイブした、体中を振り回されるように回転しながらもリングの奥の自分の家が見える空間へと向かって行く中でアンシャが声を上げた。
「ラ、ラビさんラビさんあ、あれ!!上を見てください!!」
「う、上ぇ!?」
「上ってどっちだ!?」
「兎に角上です!!」
言われるがままに何とかして真上を見上げた時にそれは見えた。身体をくねらせ、まるで空間を泳ぐかのように空を舞う緑色の龍を。その龍こそ、アンシャが求める―――
「レックウザなのです!!」
「「何ぃぃっ!!!?」」
二人が声を上げるが、その時にはもう空間から元の世界へと帰還しており、ダイケンキは突然現れた三人とフーパに驚きつつもラビに何があったのかを聞こうと声を上げている。
「……おいラビ、何が起きてんだ?」
「アタシャ知りませんよ……いや冗談抜きで」
「レックウザが、あの空間に……」