週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:アンシャの為に。

「本当にごめんなさい」

「良いんですよ気にしなくて、ムーランド達も悪くないと思ってるみたいですし」

 

折角パルデア入りしたカルネ、当人としてはこれを休暇代わりに使って娘と楽しもうと思っていたのだが……PWCS本選に向けての手続きやら取材やらがまだ残っているらしく、今日も出かけなければならない。当の娘であるアンシャは慣れているのか、大丈夫と言いながらもムーランドの毛に身体を預けて蕩けつつも膝上に抱いたブースターの温かさですやすやと寝息を立てている。

 

「可愛いね」

「育ち盛りで親が恋しい年ごろにしては賢しいけどな……もっと欲張りでもいいもんだが」

「色々あったんだろうな」

 

キバナはソファにどっかりと座り昨日のドーナツの残りを食べながらもそう答える。

 

「チャンピオンって言えばその地方の顔役だ、それで女優だぜ。子供に向けられる視線って奴も様々でTVの取材やらも色々あった筈だ。それでお母さんの邪魔しちゃいけないとか、あっちに居ようねとか色々言われたんだろうな。育ちが良いのもあるが多分そっちが深いだろうな」

「なんか、寂しい理由だね」

「だな……ブースター、ムーランド。温めてやってくれ」

「ブァ!!」「ランド」

 

それは賢しくならざるを得ない。単純に年齢の割に賢いだけではない、人間の機微に理解を示してしまっている。大人になるつれて学ぶべきそれをこの段階で理解してしまっているのは……なんというか寂しさすら覚える。せめて此処に居る間だけはその寂しさなんて感じない位に賑やかに過ごさせてやろう、煩さという一点においては何処にも負けない自信がある。

 

「だけど問題は……へいフーパ」

「ピヒャ!!」

 

空中へと投げられたクラウドフレンチクルーラー、それをリングで自分の手元へと引き寄せて頬張り始めるフーパ。カルネに伝えるのは思わず保留にしてしまったが、本当にどうするべきか……。

 

「とりまバーネット博士とロコモコ博士に話通したんだろ?んじゃ待つだけだろ」

「マコモだ天文学的ドアホが」

 

メール自体は打ったがそれでも返って来るには数日かかる、フーパというポケモン自体が極めて希少なので研究も全く進んでいない為に殆ど手探りでの調査になる。現状で分かっているのは

 

「ハッキリ言って分かってないことだらけだけど強いて言うならば……

1.フーパはアンシャちゃんの為にという行動理念で動いていると思われる

2.フーパのリングで通った先の空間は通った人間の深層意識によって左右される

3.時間制限がある、これはフーパ自身のエネルギーが関係していると思われる。フーパの好みから考えて、ドーナツから摂取したのを基にしていると考えれる……って所か」

「ラストがどうにも腑に落ちねぇな……ドーナツってそんなに栄養価あるか?」

「フレンチクルーラーは比較的にカロリー低いけどドーナツっつったら基本カロリー爆弾予備軍みたいなもんだぞ、お前バクバク喰ってるけどもう1000キロカロリー超えてるぞ」

「―――……マジ?」

「マジ、イッシュだとドーナツ屋が警察向けのドーナツキャンペーンやってる影響もあるからか、太ってる警官とか珍しくねぇからな」

「うおおおおおブリジュラス走ってカロリー消費すんぞおおおおおおおお!!!!!」

「ジュ、ジュラッ!?」

 

駆け出していくキバナを追いかけるように駆け出していくブリジュラス、ブリジュラスに無茶させるなよ……と思う一方で一緒に走るならもうちょっと適役居ただろとツッコミを入れたいラビであったが平然と食べているサザレに一応視線を向けた。

 

「ああ、私は大丈夫。私太らないから」

「そう言えばお前なんか昔から全然平気そうな面してスイパラ巡りとかしてたな」

「ラビも一緒にね」

「俺は良いんだよ、ワクだから」

「それ、お酒飲む人の事じゃなかったっけ?」

 

そんな事を言いながらもアンシャの頭を軽く撫でる、程よい温かさに包まれて寝返りを打つが、ムーランドは煩わしく思う事もなく、ブースターも動いて寝返りを打たせてから再び元のポジションに戻っている。子供の世話を楽しんでいる節すら見せている。

 

「異空間について可能な限りの情報の洗い出しと傾向や対策を打ち出す」

「そこまで、するの?」

「この子がウチにいる間なら俺かキバナが傍に居て一緒に行けばいい話だが、そうじゃなくなった場合はこの子、多分一人で異空間に行くぞ。その場合に危険との向き合い方を理解してなかったらどうなる、小さい子のバイタリティって奴を舐めちゃあかんよ。気づいたら木登りで二階建ての家ぐらいの高さまで登るんだぞ」

「……なんか、言葉に重みがない?」

「無論、弟妹達だ」

「Oh……」

「気付いたら俺のポケモンの頭に上ってたりとかザラだったぞ」

 

そりゃ言葉に重みがある訳だ……実体験から来る物ゆえなのだから。だがこれは同時に子供が生まれたらラビの能力がフルに発揮される……?という微妙な安心感を感じつつも子供……と思ってアンシャを見てしまうサザレであった。

 

「それにこの子の場合はお母さんであるカルネさんの為だ、小っちゃい子のお父さんお母さんの為に頑張るゾイって気持ちを舐めちゃあかんよ。言い換えてしまえばお父さんとお母さんから褒められたいからって事でもあるんだが、そこから生まれるパワーって奴は自分がああしたくてこうしたいって感じのを凌駕すんだ、これも実体験な。レベの奴が親父とお袋の結婚記念日に花探しに行って大騒動になった……」

「さ、流石長男、そう言うエピソードに事欠かないね……」

 

その時は偶然自分も帰りたくないけど嫌々帰って来たタイミングで、自分のポケモン総動員して探そうとしたタイミングでなんとシェイミに乗って帰って来たからビックリ仰天である。そして取って来たのがグラシデアの花、見つけ出したのもあれだがシェイミに乗って帰って来た時にはもう、母が息子が天使になって帰って来たと引っ繰り返って更に大騒動だった。

 

「つう訳で、アンシャちゃんの為に色々やってやるのが大人の役目だ……ついでに、ポケモンを見繕ってあげようかな、と思ってる」

「そこまで……?」

「言い訳っぽく聞こえるけど、フーパってポケモンはそれだけやばいんだ。だからこの子にももう一匹位友達を作ってあげてもいいとは思うんだ、これに関してはカルネさんから許可貰ってる」

「なんて手早い……ラビを敵に回したら相手破滅しない?」

「もうさせた」

「えっ!?」

 

キュレムで、破滅させたし。

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