週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:PWCSインタビュー、再開。

「んっ~……さてと、行くかなぁ」

 

ホテルで身体を伸ばしながらも時計を見るとそろそろ時間になるので出発する事にした。我ながら自分の人脈が可笑しくなりつつあることに溜息が出そうになる。いやそれ自体は良いのだが、周りが変な事を言って来ないかと不安になる……

 

「無いか、ウチは変態扱いだし」

 

変態扱いというのも、他の出版社に比べて自由ではあるが、最も自由がないからである。どんな記事を書こうか自由ではあるが取材時のルールは他から見ると厳しいと言われるらしいのだが……自分達はそんな風には思った事は無いし筋とマナーを通しているだけだと胸を張っている。普通の出版社ならまともに発行部数を稼げないと思われるようなやり方だが、普通に人気雑誌の位置取りを確保しているのは編集長やらの腕がいいからなのだろうか。

 

「え~っと……この辺りな筈だけど」

 

今日の取材予定はホウエン地方の方々、例のチャットグループでカントーとジョウトの取材をして以来、他の地方の皆様からの要望も来るようになってしまい、今回の取材をする運びとなった。

 

「嬉しいと言えば嬉しいんだけどなぁ……また煩い事になるだろうなぁ……皆には悪い事しちゃうかなぁ……」

 

自分のインタビュー記事は好評な一方でライバル他社からはほぼクレームに近いような電話がかかって来る、どうして自分達がこんなインタビューが出来るとか、これは報道の自由の侵害だとか……的外れな物ばかりなので編集長はガン無視OKという通達をしているらしい。寧ろ、それを肴にして飲む酒が一番うまいとまで言ってのける狸親父である。

 

「え~っとユウリちゃんからの情報だとこの辺りのロッジを貸切ってるって話な筈だけど……」

 

他のインタビューでも思ったが建物を丸ごと一つ貸切るとかを平然とやる辺り、自分達とは経済感覚というか財力状況が全く違うのだなぁ……という事を思い知らされる。色んな意味で羨ましすぎる……。

 

「ってうおおおおおおおおおうっ!!?なんだ何だ何事だ!?」

 

突然の強風に煽られてのけ反りそうになるのを必死に堪える、というかなんで自分の身体はこんなにも強くなっているんだろうか、やっぱりカイリューに頻繁に乗っているせいなのかなぁ……と思いながらも風の出処へと向かってみる。そこにはユウリに教えて貰ったロッジがあった、という事はもしかして……と思いながら、呼び鈴を鳴らしてみると全く反応がない。そこでそっと裏を見てみると―――

 

「イダイトウ、ウェーブタックル!!」

「ブロロローム、ギアチェンジ!!切り抜けるぞ!!」

 

裏のバトルフィールドではダイゴVSミクリというファン垂涎のバトルが行われていた。巨大な波を纏いながらも、それらが自律的にイダイトウの形へと変じて行き、それらを打ち出すように放たれていく。そしてそれを振り切るように一気に加速しながらも見事なターンからのドリフト、慣性を使ってのテクニックを遺憾なく発揮していくブロロローム。というか地味に双方テラス済みだ。

 

「テラバースト!!」

「ロロロロロロオオオムッ!!!」

「アクアジェット!!そこから力強く―――ウェーブタックル!!

 

自分とそっくりのエネルギーの塊を発射したブロロローム、テラバーストは自分の攻撃か特攻の高い方で攻撃するという特性がある。ブロロロームは攻撃の方が高いのであれは物理タイプのテラバースト。それをアクアジェットで上手く切り抜けながらも今度は力業のウェーブタックルで襲い掛からんとするイダイトウに対してブロロロームは全く慌てる事もなく、唸るようなエンジン音を響かせる。

 

「此方も行くぞ、素早く―――ギアチェンジ、そして力強く―――ホイールスピン!!

「ブロオオオオオオオオオオムッ!!!!」

 

一気にギアを最高速にまで切り替えると、ブロロロームはその加速のままに超高速で回転し始めた。そして弾かれたように地面を蹴るとそのままの勢いでウェーブタックルと正面衝突した。その際の衝撃波は凄まじく、周囲に爆風染みた物を発散させていた。

 

「さ、さっきのってこれだったんだ……」

 

技同士の激突で此処までの爆風が生まれるんだ……と思わず息を吞んでいたら不意に二人がバトルを中断した。

 

「この位でいいかな、そろそろ記者さんが来る時間だし」

「軽く腹ごなしのつもりだったんだけど、ついついムキになってしまったね。我ながらこういう所を直さないといけないなと思うよ」

「それはお互い様って奴だよミクリ、僕だって時計を確認するまで忘れてた事だから」

 

笑いあう二人を尻目にベンチに座っていたセンリが手を叩いた。

 

「良いバトルだった、このまま是非とも続行してほしい所だが……どうやら件の記者さんが来てしまっているようだ、この辺りにしておかないとナギさんに怒られるぞ」

 

センリが顎で此方を示すとダイゴとミクリが此方を見て少し驚いたような顔になっていた。

 

「これは参った、本当に失礼した。またナギに怒られそうだ……」

「僕達男連中だけだと如何しても御座なりになってしまう部分が多いね、お客様の様子に気づけなかったんだから」

「あっこ、此方こそすいません、呼び鈴押したんですけど反応が無かったので……つい、様子が気になってしまって……」

「ハハハッそれは重畳だね、それだけ気を引くようなバトルをしていたと思えば悪い気はしない、だろうダイゴ君にミクリ君」

 

センリに言葉にはにかみながらも笑いを上げるダイゴとミクリであった。兎も角、皆揃ってロッジの中へと入るのだが……そこには笑顔を浮かべているが明らかに怒っているナギの姿があった。

 

「ミクリ、君が付いていながらお客様に気づかないとはどういう事かな。この時間にユウリちゃんが紹介してくれた記者さんが訪ねて来ると確りと言い含めなかったかな?」

「い、いや本当に済まない……軽いウォーミングアップのつもりだったんだが思った以上に白熱してしまって……」

「言い訳無用!!ダイゴ、貴方もチャンピオンならばもう少ししっかりとするべきではないのか。それで本当にチャンピオンが務まるのか?今回の事でホウエン地方への心象が悪くなってしまったら私達の責任問題にも繋がりかねないのだぞ」

「か、返す言葉も御座いません……」

「そしてセンリさん、貴方も貴方です。バトルをしていた二人はそちらに集中していたのであれば、それを諫め、教えるのが貴方の役目ではないのか。察するに二人のバトルを夢中で観戦したらそういうのがすっぽ抜けてしまった、だろう」

「も、申し訳ない……」

 

つ、強い……ジムリーダーのナギとトップコーディネーターのミクリが恋人同士というのは有名な話だが、此処まで一方的とは……。

 

「ラシーマさん、でしたね。此方の男達が失礼をしました」

「あっい、いえ此方こそ勝手に入ってしまいまして……」

 

お、怒らせないようにしよっと……。




今度はPWCSインタビュー、ホウエン地方編です。
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