『対戦ルールは3対3、メガシンカ、Zワザ、テラスタル、ダイマックスは各選手一度ずつのみ、ポケモンの交代は両者自由となります。ブルー選手 VS ナンジャモ選手。それでは両者、最初のポケモンをフィールドへ』
『バトルの実況はシンイチロウが、解説にはこの方をお呼びしております』
『え~っと宜しくお願いします、ラバイです』
『出場選手でもありますラビ選手の弟さんであり、現在はブルーベリー学園の教員をなさっておりますラバイさんにお越しいただきました、本日は宜しくお願い致します』
『こちらこそよろしくお願いします』
「行くわよ、ピーちゃん!!!」「ピックシ~!!!」
「さあ回転上げていくよ―――エレキブル!!!」「レッキブゥルルルルルルッ!!!!」
解説に呼ばれているラバイにどっかから、お前何やってんの?という声が聞こえてきそうだが……パルデア行きのチケットが中々取れなかったので、解説者として力を貸してもらえるならチケットを手配するという話が来たので受けたという背景があったりする。
『さあ両者のポケモンが、出揃い、ました。ブルー選手はフェアリータイプのピクシー、対するナンジャモ選手はエレキブルであります。タイプ相性的にはお互い様と言った様相ですが……ラバイさんは何方が有利と思いますか?』
『タイプ的な優位性はなく、強いて言うならば戦術の幅の差が物を言うでしょうね、様々な意味で見物です』
『ピクシー VS エレキブル!!3、2、1……BATTLE START!!』
「素早く―――電磁波、素早く両壁、光優先!!」
「ッキブルルルルルルッラァ!!!」
「げっラビ君と同じ手段を取ってきよってからに!!!素早く―――瞑想、から力強く―――ムーンフォース!!!」
「ピィィィインッ( ;∀;)」
「うぉい此処まで一緒とかあるんかぁ!!?」
『エレキブル早業で電磁波を放ち、ピクシーを麻痺にしました!!そしてその隙に壁を展開しました。ピクシー痛恨の麻痺で瞑想を繰り出せません!!!』
『ウチの兄さんと似たような戦術を取って来るなぁナンジャモさん、エレキブルに壁役をさせるのか……これでエレキブルは物理と特殊の両面で強くなった、月並みですがピクシーとして辛い展開と言わざるをえません』
「さあどんどんやっていくよ、素早く―――ビルドアップ!!そこから力強く―――ローキック!!」
麻痺による痺れから立ち直り切れていないピクシーに畳み掛ける為にビルドアップを済ませてから猛スピードで足払いのような蹴りを炸裂させるエレキブル、空中へと蹴り上げられながらもピクシーの身体にエレキブルの黒い尾が巻き付いていく。そしてそのまま地面へと叩き落しながらも、10万ボルトを炸裂させる。
「ピイイイイイイインッ……!!?」
「ええいならば―――月の光!!」
「ピイイイインッ―――ピッ!!!」
「やっぱりこうじゃないとね、指を振る!!」
そして振られ始めた指、ブルーのそれを見た途端にトレーナー達は寒気を感じ始め出した。何故かと言えばブルーのピクシーは……狙った技を出す事が出来てしまうからだ。そして放たれようとした技は……ピクシーの額から、赤い満月の光が満ち溢れ、そこから極太の光線が発射された。
「素早く―――守る!!」
「ブルルルルルルッ!!!」
真っ向から防御するエレキブル、緑色のバリアがエレキブルを包み込んで光線から身を守るが、この技まで使って来るのかとナンジャモは半ば呆れている。これはラビの赫月ガチグマの固有技でありながらも最強技でもあるブラッドムーン。
「今よピーちゃん、シャドーボール!!」
「力強く―――充電!!」
シャドーボールをまるで投げるようなフォームで連続で放って来るピクシーに対してナンジャモは何と、力業で充電を放って来た。ダメージを受けつつもその身体に膨大な電力を集め始めるエレキブル……だが過充電に陥っているのか、身体から電気が溢れ始めている。
『力業で充電を放っている為か、エレキブルから電気が溢れ出してしまっております!!これは、流石にマズいのではないでしょうか!?電気タイプのポケモンは過分な電力を充電するとオーバーヒート気味になってしまいますが……』
『いや、敢て放電してそれを回避している。だがこれをする意味は……まさか……』
「よ~し次は―――行くよエレキブル、素早く―――雨乞い!!からの力強く―――雷ぃ!!!」
「ッキッブルルルルルッ――!!!!」
天へと上げられた咆哮、空には雨雲が展開されていくのだが……そこには無数の稲妻が走っていく。エレキブルは尻尾をピンと張りながらも天へと腕を突き上げると、雨雲から発生した無数の雷が激しい音を立てながらもエレキブルへと向けて降り注いでいった。エレキブルはそれを歓迎するように腕を広げてその身に受ける。
『エレキブルへと雷が落ちたぁ!?雨雲を走る雷がエレキブルの電気へと引き寄せられたか如くです!!ですがこれではピクシーへのダメージを与える事が―――い、いえ待ってくださいエレキブルが輝いております、その身に雷を受けた影響か、全身に青白い電光を纏いながらも胸を叩いております!!』
「これってもしかして、しまった電気エンジン!?」
「いよぉ~し上手く行ったぁ!!!」
「ッキブルルルルルルルルルルッ!!!!」
瞳を爛々と輝かせながらもテンションが上がっているのが、胸を殴り続けるエレキブル。エレキブルの特性は電気エンジン、電気タイプの技を受けると素早さが上がるという物だが……ナンジャモは力業で充電を行う事でエレキブルに過度の充電を行い、雨乞いで呼んだ雨雲から雷撃を自分へと落とす事で無理矢理電気エンジンを起動させた。しかも雷を受けた衝撃で過充電気味だった電力をフィールドへと放出している。
『それだけじゃねぇ、力業充電で得た電力をフィールドに流し込んでやがる!!雨乞いと雷で電気エンジンを起動させながらもエレキフィールドを展開してる!!』
「これがボクのとっておきその1、ライトニングエレキブル!!さあ行くよブルー氏、感電にはご注意を!!素早く―――電磁浮遊!!」
「ッキブルラァ!!!」
「さあ行くよ、リニアが如く駆け抜けながら……ライジングボルトォ!!!」
更に電磁浮遊を行うと、エレキブルは最早駆け抜ける電光と化してしまう。一瞬で目で追い切れない程のスピードに加速すると身体から撃ち出した電撃をピクシーへと炸裂させた、電気エンジンが起動した事で得た素早さから放たれるそれはピクシーへと反撃の糸口を与える事もない。
「ッピ、ピイイイイイイイイッ……!!?」
「こりゃマズい、狙い絞らせたらマズい……!!」
「ッピッピピピィ~!!!」
「ナイス判断よピーちゃん!!」
再びのライジングボルトを小さくなるで回避するのだが―――それを待っていたのだと言わんばかりにナンジャモは笑った。
「今だぁ小さくなる貰ったぁ!!!素早く―――挑発!!そして力強く―――サンダーダイブだぁ!!!」
「キキキキブラララ、ルルルゥゥッブラアアアアア!!!!!」
「あっしまった!?」
もうブルーが気付いた時には遅かった。挑発を掛けられ、変化技を封じられたところへ飛び上がったエレキブルが自ら雷となってフィールドへと降り注いだ。フィールドへと炸裂したサンダーダイブはその加速も相まってフィールドを破壊するような異常な破壊力を見せつけながら、フィールド全体に眩い閃光を放った。
『な、なんという威力……!!』
『小さくなるを使うのを待っていたんだなナンジャモさんは……サンダーダイブは外れたらダメージを受ける、だがそのリスクと引き換えに小さくなるを使った相手には必中になる、そしてその威力も上がる……』
電光が収まるとゆっくりと身体を起こしたエレキブルが勝利を誇示するように雄叫びを上げた。その証拠だと言わんばかりにフィールドには……完全に目を回したピクシーが横たわっていた。
『ピクシー、戦闘不能!!エレキブルの勝ち!!』
『決まったぁぁ!!!エレキブル、流麗なる妖精のピクシーを落としたぁ!!!小さくなるで技を外れやすくしようとしたのを逆手にとってのサンダーダイブでの強襲!!見事な作戦勝ちです!!!』
『挑発を使わなかったのは小さくなるを使わせるため、最初からサンダーダイブで落とすのを狙ってやがったんだ……素直に感嘆だ』
「ピーちゃん戻って、ご苦労様だったね、ゆっくり休んで」
ピクシーを戻しながらもブルーは汗をかいていた。自分のピクシーの癖である小さくなる、これは基本的にメリットになりうる癖。小さくなってしまえば技の命中精度は著しく低下する、だがそれを完全に利用されてしまった……きっとレッドやグリーンならこれに気づいていたんだろうな、と思わず思ってしまった。
「やるわねナンジャモちゃん、まさかここまで一方的にやられるとは思わなかったわ」
「伊達に此処まで来た訳じゃないからね、今回のボクは一味も二味も違うよ」
「上等よ、だったら―――それごと叩き潰してあげる、行くわよニドちゃん!!!」
「ニッドイイイイインッ!!!!」
『ブルー選手の二体目はニドクインです!!地面タイプのニドクインにエレキブルは上手く立ち回れるのか!!?』