週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:マサラタウンの三人組。

「ったくサトシの奴……相も変わらずとんちきな戦術を取って来やがったぜ」

「まああの子だからなぁ」

「サトシだし」

「それで納得しちまいそうになるのが一番ズルいってんだよ」

 

控室に戻ったグリーンは何故か屯していたブルーとレッドと会話しながらもどっかりと腰を落ち着けた。これで今年のPWCSは敗退かぁ……と思うが矢張りバトルは楽しかったな、という充足感が自分を満たしている。

 

「グリーンにしてはラストは指示が遅れたわよね」

「最近は育てる者で居すぎたな……バトル方面がちと疎かになっちまってる……我ながら情けない、と言いたい所だがこれは色んな意味で良い事だ……」

 

PWCSに出場さえすれば本選常連とも言われている自分達が初戦敗退はそれほどに他のトレーナーのレベルも明確に上がっている事でもあるのだ、まあ自分は相手がサトシではあったが……次回もこういう形にしてくれという嘆願は出そうと決意はする。

 

「というかあいつ、あんなの何処で見つけて来たんだよ……」

「パルデア地方の各地」

「いやなんで知って……ああそうか、お前が一緒にパルデア巡りしてたんだっけ」

「楽しかったよ」

 

それこそ図鑑にも記載されているような生息地でゲットしたばかり、レッド曰く特別な個体と言えるのは再生力の高いガケガニ程度でエクスレッグとソウブレイズも特に特別な個体などではないとはっきりと明言する。

 

「あのガケガニは特性が再生力かと思ったぐらいには再生力がある、だけど実際は怒りの甲羅。旅の合間はよくあいつの鋏貰ってた」

「そう言えば貴重な食材扱い何だっけか」

「よく鍋にしてた、ガケガニも自分から捥いだり自分の脚の鍋を普通に食べてた」

「それ、ありなのかしらね……」

 

まあ兎も角楽しい旅をしていたのは事実だ。そんな旅の中でサトシはポケモンによく寄り添い、一緒に喧嘩したり、一緒に笑ったり、特訓したりを繰り返しただけに過ぎなかった。育てる者としてのキャリアのあるグリーンはそれぞれのポケモンに適した特訓メニューや栄養管理をするだろうがサトシは一般的なトレーナーとしての範囲を全く出ていなかった。

 

「サトシは本当の意味でポケモンと歩む者、エクスレッグの特訓の為に一緒にスクワットしたり、走ったり、ソウブレイズがグレンアルマみたいな戦いを出来るように手伝ったり、本当にその位しかしていなかった」

「歩む者、か……昔、爺が言ってたな。トレーナーとは歩む者じゃ、ってさ」

「言われたね~昔は旅をするから歩む者って思ったりしたね」

「……なぁ、PWCS終わったらパルデアを三人で巡らねぇか?」

「あっそれいいわね!!レッド、アンタ道案内しなさいよ」

「別にいいよ」

 

素直に、昔を思い出してしまった。あの時の自分達は、何も分からないが故の好奇心に満ちた毎日を心から楽しんでいた。あのポケモンはどんなポケモンでどんなタイプなのかも何もかもが白紙の状態で踏み出した一歩を繰り返していた。その果てが今の自分達?いやそんな事はないだろう、まだまだ自分達には先がある筈だ、旅は終わらないんだと誰かが言っていた。誰だったか……

 

「旅は終わらない、だけど自分の意志一つで終わらせる事は出来るって確かラビが言ってたな」

「あ~なんか覚えてる、何時だっけね。一緒に旅してた頃になんかポロって言ってたね」

「あん時はまだまだ新米トレーナーがなんか言ってらぁって笑ったよな、だけど実際はその通りだったな……旅はまだまだ続くか、そうだな生きて死ぬまでずっと旅だ……よし決めた、暫くジム休んで俺は旅するぞ、その為にジムトレーナー鍛えたんだしな!!」

「いいわね~私も付き合うわよ」

「なんか楽しくなって来たね」

 

ああ本当に楽しくなって来た、こういう毎日を過ごさせてくれるポケモン達には感謝してもしきれない物だ。パルデアを巡りながらもバカ騒ぎして、色んな発見が出来る筈だ。どうせならジム巡りをさせて貰うか……きっと楽しい筈だ。

 

「偶にラビの所に顔出して近況報告しつつ、配信に出たり、なんだろう、俺様子供の時以来に旅にワクワクして来たぜ」

「まだまだ私達も若い、って事よ。大人になり切るにはまだまだ掛かりそうに、お互いに」

「ホントにね」

「「お前が言うか」」

「むぅ」

 

笑い声が華を開いたように広がった。此処までの馬鹿話をするのも本当に久しい。

 

「……なぁっこの後暇?」

「まあ暇と言えば暇よ、負けちゃったし」

「バトルを見る、だから暇じゃない」

「ならその後でいいからよ、お互いのバトルを見直して反省会しねぇか?」

「あっ昔よくやったわね、ジム戦の時なんてほんと盛り上がって」

「ブルーがダントツで反省多かった」

「うぐっ!!いやまあ当時の私はまだまだ青かったし……」

「ブルーだけにってか?喧しいわお前、このタイミングでダジャレとかないわ~」

「……本当に無い」

「待って今のは完全な不可抗力で私悪くねぇんだが!!?」

 

マサラの三英傑と言われるレッド、グリーン、ブルーの三人組。この時はマサラタウンの仲良し三原色トリオと言われていた昔へと戻った。何かの切っ掛けでふと、昔に戻れる関係……それが何処か羨ましく、映った。

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