週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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PWCS:第十二試合 オニオン VS センリ 3rd

『センリさんのケッキング?ありゃ半分、いや全部か、もうズルみたいなもんよあれ』

 

そう聞いた時はいまいち理解出来なかったが、フヨウはホウエン地方のゴーストタイプ使いが至上の難敵として名を上げる相手がケッキングだと聞いた。その実、どれほどの物なのかと映像を集めつつもロルを通じてラビに聞いてみて貰った結果として返ってきた言葉に自分の欲しかった言葉の全てが集約していた。

 

『―――あ~そうだな……ケッキングの強みはその能力値だ。ハッキリ言ってしまうとカイリューやメタグロス何て目じゃない、そいつらだってメガシンカがなけりゃ凌駕出来ないレベルの力を持ってる。一番低い能力は特防とされているが、それだって決して脆くはない、何だったらブリジュラス程度の特防はあるんだ。加えて言えばかなり早い、イメージ的にはガブよりちょっと遅い位だ。ああ、流石にマッハを引き合いに出すなよ、戦闘時って意味だから。ンでそっから放たれる馬鹿力だ、マイティフォルムのイルカマンと同じぐらいの馬鹿力な上に特攻だってメタグロス並にはあんだぞ?特性が怠けじゃなきゃ許さねぇよあんなの、そしてそんな許されざるシュッキングがセンリさんの切り札だ。ホウエン地方でバランスバッチを取得出来るトレーナーが全体の3割にも満たないって言われてるのも、このシュッキングが原因だ』

 

ロルからのボイスメモを貰って聞いた時は絶句した。あのラビが手放しで此処までの評価を下す事に驚きを隠せなかった、そしてラビのケッキング紹介回を見直しながらもセンリのバトル映像を何度も目に焼き付けた……より正確に言うと勝手に焼き付いた。

 

「シャンデラ、覚悟は良いね、作戦通りに行くぞ」

「シャアアンッ」

 

「さあ行くぞケッキング、今までの特訓の成果を見せる時だ!!」

「ケッキイイイイインッ!!!!」

 

ドラミングをするケッキングの圧力は凄まじい、叩きつける度に空気が震えるようだ……そして気付いた、手が震えている事に……武者震い、いや違う……此処までゴルーグで二体を倒す事で自分は驕りがあった、それをあのケッキングは起点として揺さぶってきているんだ。

 

「ケッキングッ!!!」

「やる気満々だなケッキング!!」

 

あの鋭い瞳とよくぞ俺を出させてくれたという感謝に思える笑いが恐怖を煽ってきている。フヨウの言葉が身体を揺らしている……落ち着け、やれる事を一つ一つこなせばいいんだ……!!

 

『NEXT BATTLE シャンデラ VS ケッキング!!3、2、1……BATTLE START!!』

 

「ケッキング、シャドーボールだ!!」

「こっちもシャドーボール!!」

 

同時に放たれるシャドーボール、同時に激突しながらも力の押し合いのように拮抗する。そして同時に炸裂して同程度の破壊力がある事を伺わせたが―――その事自体がオニオンを震わせた。

 

「ケッキングのシャドーボールが、シャンデラと互角!?」

「良いぞケッキング、そのままシャドーボール連射だ!!」

「ケ~キンキンキンキンッ!!!」

「こっちも連射だ!!」

 

連続発射されるシャドーボールの弾幕、それらの全てが空中で炸裂して爆炎を広げていく。

 

『おいおいどういうパワーしてんだよあのケッキング……シャンデラの特攻は上から数えた方が早いんだぞ、それと互角、しかもタイプ不一致で……?』

 

ラバイもその事実に寒気がした。それだけセンリのケッキングとは恐ろしい存在なのである。爆炎によるに煙がフィールドを包み込んで視界を奪いお互いの姿を包み隠す。それを突き破るかのようにケッキングは突撃して距離を詰めて来た。

 

素早く―――シャドークローだ!!

ケエエエエキィィインッ!!!

素早く―――溶ける!!重ねて!!

シャンシャンシャンッ!!!シャアアアンッ―――!!!?」

 

素早く振るわれたシャドークローが命中してシャンデラが吹き飛ばされる、溶けるを二重にして防御を一気に上げたというのにシャンデラは大きなダメージを負っているように感じられる。どういうパワーをしているんだ!?

 

『シャンデラ持ちこたえますが、なんというパワーでしょうか!?これがシュッキングの力なのかぁ!!?』

 

「さあ行くぞケッキング、敵討ちだぁ!!!」

「ケエエエキンングッ!!!」

「来るぞシャンデラ!!影分身で避けろ!!」

 

命中する寸前に影分身で回避こそしたが―――敵討ちは地面に炸裂するのだが、地面を容易く割り、巨大なクレーターを作り出した。その衝撃はグリーンのバンギラスの地震にも引けを取らない所か単純な腕力だけでやっている事を踏まえると明らかに超えている。

 

「―――今僕、即座に回避を考えてた……ノーマルタイプの技、なのに……」

「いいや避けて正解さ、何せ今の私のケッキングは―――肝っ玉だからな、このまま攻撃してもゴーストタイプを捉える。そういう特訓をして来たからね、更に―――」

 

情報の開示に畳み掛けるかの如く、センリはテラスタルオーブを取り出した。此処に更に重ねて来るのか……!?とオニオンは仮面の裏で血の気が引いているのを感じた。

 

「さあケッキング、更なる高みへ、強さを追い求める時だ!!」

「ケエエエエエエエエキイイイイイイイイイイインングッ!!!!!」

 

ドラミングをするケッキング、発現させたテラスタルはノーマルタイプ。更に威力を向上させて来た、肝っ玉でゴーストタイプにも通用するノーマル技、その一方で此方はゴースト技が使えない。状況は余りにも一方的な不利だ、どうする、どうすれば―――もうオニオンの頭の中はパニックになっていた。それもセンリは見抜いていたのである、だからこそ畳み掛ける様にテラスタルを切って揺さぶりを掛けて来た。

 

「シャン、シャアンッ!!!」

「はぁはぁはぁ……」

 

シャンデラが確りしろ、という声を掛けてくるがオニオンの頭の中は真っ白一歩手前。辛うじて、何とか次の手を……次の手を次の手を、という事をループさせている状態だ。どうすれば、どうすれば―――

 

頑張れ頑張れオニオン!!!負けるな負けるなオニオン!!!

 

不意に聞こえて来た大きな声援、オニオンは自然に其方を見ていた。すると観客席で自分の応援をしている一人の少女の、必死に声を張り上げている姿が目に焼き付いた。ロルだ。

 

頑張れ頑張れオニオン!!!負けるな負けるなオニオン!!!

「お前らぁっ嬢ちゃん一人に応援させるなぁ!!ラテラルタウン応援団が声を出さないで如何する!!ジムトレーナー一同、心を揃えて―――嬢ちゃんに続けぇ!!!」

「「「「「はいっ!!!!」」」」」

頑張れ頑張れオニオン!!!負けるな負けるなオニオン!!!

「「「「「頑張れ頑張れオニオン!!!負けるな負けるなオニオン!!!」」」」」

 

センリの強さに声が落ちていた応援団達は、ロルの精一杯の応援を聞いて自らも声を張り上げて全力で応援し始めた。それは徐々に伝染していき、スタジアム中からの大歓声になっていく。それらに対抗するようにセンリを応援する声も爆発していき、今大会初の自然発生した応援合戦と化す。

 

「ロ、ロル……そうだ、まだ負けたわけじゃないんだ、まだ、シャンデラは―――僕は、俺は……勝つ為に此処に来てるんだ!!!」

「良い顔になったなオニオン君、仮面で見えなくても分かる、今君は漢の顔をしている。ならば人生の先達として―――君の壁となろう!!!」

「ならその壁をすり抜けるだけだ……シャンデラ、焼き尽くせ、素早く―――瞑想!!力強く―――火炎放射!!

シャアアアンッ―――シャアアアアアアアンッ!!!!

「ケッキング、お前のパワーを見せてやれ!!!その拳に、ムクホークとムーランドの分を込めろ!!敵討ちだぁ!!」

「ケエエエエエエン!!!ンングウウウウッ!!!!」

 

『ケ、ケッキング、シャンデラの火炎放射を正面突破ァ!!!?そのまま渾身の敵討ちがシャンデラを捉えたぁぁ!!!シャンデラが吹き飛ぶ、炎が揺らめく、今にも消えそう―――いえ消えません!!更に炎が強まります!!!』

 

「負けるなシャンデラ!!素早く―――瞑想!!力強く―――オーバーヒートだあああ!!

シャアアアアンシャアアアア!!!!

「炎を穿て!!素早く―――ギガインパクトだぁ!!!

ケエエエエエエエッキングウウウウウッ!!!!

 

先程の再現だと言わんばかりに火炎放射とは比べ物にならない火力のオーバーヒート、それに一瞬気圧されるが、地面を更に強く蹴って堂々たる中央突破を成し遂げる、そしてその一撃がシャンデラを吹き飛ばした。これで取った―――と思った瞬間、シャンデラの炎がこれまでにない大きさの炎と化した。

 

「タダで終われるか、終われない!!素早く―――置き土産だぁ!!!

シャァアアンッ……シャンッ!!!……シャンデ、ラアンッ……」

 

ギガインパクトで体力が完全に尽きてしまう前に、シャンデラは最後の力を振り絞った呪いを掛けた。フィールドに残された怨念はケッキングへと取り付いてその力を低下させ、それを確認してからシャンデラは炎を消した。ケッキングはそれを見ながらも、ニヤリと笑ってからドラミングで自らの勝利を誇示した。

 

『シャンデラ、戦闘不能!!ケッキングの勝ち!!!』

『ケッキングがシャンデラを倒したぁ!!これがホウエン地方№1とも噂されるジムリーダー最強のポケモンの力かぁ!!!シャンデラの炎を真正面から打ち破る圧倒的なパワー、これが、これが最強のケッキングだぁぁぁぁ!!!!』

『信じられない、力業の火炎放射とオーバーヒートを真っ向からブチ破った……ダメージがない訳でもないだろうけどそれでも信じられない……だがシャンデラも最後の置き土産は良い仕事だぜ。次に繋げる一手、最高の仕事だ』

 

「有難うシャンデラ……まだまだなトレーナーでごめん……有難う、頑張ってくれて」

 

放心しかけていた自分に必死に声を掛けてくれていた、本当に自分には、もったいない位には良いポケモンだ……だからこそのその思いに応える為に……そしてあの子に良い所を見せる為にも……

 

「力を、俺と一緒に戦ってくれ、いっけぇっゲンガァア!!!!」

「ゲエエエンガアアアッ!!!!」

 

『オニオン選手最後のポケモンは相棒でもあるゲンガーで勝負だぁ!!!ガラルのサイレントボーイ対強さを追い求めるホウエン最強のケッキング使い、勝負は遂に大詰めだ!!』

 

「全てを呪え、呪詛を纏い、王となれ!!!」

「来るぞケッキング、お前と同じ高みに!!」

 

To Be Continued……!!




あれ、主人公オニオン君だっけ?
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