週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:挨拶。

「ラビさん、オニオンと申します。妹さんとお付き合いをさせて頂いております……是非、妹さんを僕に下さい!!」

「取り敢えずさ、それウチの両親に言ってくれない?」

 

センリとのバトルの勝利を手土産にするように挨拶に来たオニオンは仮面を外したうえで正座して頭を下げて来たのだが……ラビからしたらそれはせめて親に言ってくれない?案件な気がしてならないのである。

 

「いやだってラバイあんちゃんもだけどお兄ちゃん真面目に考えてくんね?うちら、パパとママに親らしいことを期待してる?」

「ぶっちゃけねぇな、いやあるといえばあんだけど今思うと育児放棄と取られても可笑しくねぇ範囲だった気がする。俺も兄さんとムーランドばっかりに世話なってた気がする、いやまあちゃんと遊びに連れて行ってくれたりとかあったけど」

「よく言えば放任主義ではあったわよね、まあそれでも一人でいる時は普通のまっとうな親をしていた気はするわね、二人揃うと一気にポンコツ化するけど」

「だけどそれ以上にラブラブっぷりが頭過るよね」

「そこまで言うかテメェら、仮にも親ぞ」

 

これである。余りにも酷い、仮にもこれが親に関しての発言だろうか。

 

「でも最近は大分まともになって来たらしいわよ?60近くになって来て漸く羞恥心を学習したってアララギ博士からお手紙が来たわ」

「えっマジでそれ、俺からしたら家族での外出が嫌な理由だったそれが抑え効き始めたってのが如何も信じられねぇぞ……」

「だよねぇ……友達とか家に呼べなかったもんね」

「専ら外で遊んだり、お兄ちゃんが預けててくれてたポケモンと遊んだりがデフォだったわよね」

「今思うとよくウチらグレなかったよね」

「「「「それな」」」」

「仲、いいんですね」

「くっそ歪だけどね」

 

こんな事を言われても自分達は両親の事を嫌っている訳ではない、苦手なだけだ。本当に愛してくれているのは分かるしだからこそ様々な事を教えてくれたり、ポケモンを授けてくれたりもしている。本当に嫌いなら、新しく生まれた双子ごと自分が引き取っている。

 

「ンでまあオニオン君、俺は弟妹の色恋に干渉する気はない。付き合いたかったらこの俺を倒してみろなんて野暮な事を言う気はない。恋愛なんてものは、互いが本当に好き合っている者同士でやればいいだけの物なんだからな」

「ロルから聞いていましたけど、本当にあっさり許可下りちゃった……」

「言った通りっしょ?お兄ちゃんは優しいって」

 

オニオンの勝手なイメージではあったが、兄という生き物は可愛い妹は誰にも譲りたくはないという独占欲にも似た保護欲という物を持ち合わせているという偏見を持ってしまっていた。だけど、実際のラビは妹の恋愛に干渉する気は一切ない、なんだったら弟にもそれを差し込む気はない。

 

「つうかよ、これで一人身なのお前だけじゃねえかラバイ」

「うるせぇ!!教職の出会いの無さ舐めんな!!!」

「あっブライア先生だけはやめてくれよ、あれが義妹になるとかクッソ勘弁」

「いや、ぶっちゃけ守備範囲外だ。同僚としては有りだが伴侶としては5点だ」

「10点満点中?」

「あっ?1000点に決まってんだろ」

「T〇EICかよ」

「と……なんだって?」

「忘れろ戯言だ」

「所で兄さん、お腹が空いたわ」

「えっこのタイミングでそれ言うの?」

「というか兄さん、なんでラバイ兄さんだけなの。私も一人身よ」

「お前にはキバナいるじゃん」

「はあああああっ!!!?だだだっだだだだ誰があんな人でなしの唐変木のデリカシー皆無の粗野粗暴粗悪のドラゴン男がいるですって!?風評被害よ名誉棄損よ!!」

「そこまで言うかいレビちゃん……」

「サザレ、これがレビだ」

 

ワイワイガヤガヤと騒ぎ始める一堂にオニオンは思わずポカンとした。勝手なイメージを抱いていたが、自分が付き合った相手の家族は本当に賑やかで楽しそうな人達で自分が好む静寂とは正反対な人達だ。でも不思議と嫌悪感はなく、その中に混ざれたらいいなぁ……と自然に思わせるような温かみを感じさせる。そんな自分の手を取って笑いかけてくる。

 

「楽しいっしょ、これからはオニオンも一緒っだかんね♪」

「……うん。頑張って馴染んでみるよ」

 

兎も角、オニオンは無事に迎え入れて貰えることに胸を撫で下ろしたが、直ぐに話を続ける。

 

「それより明日は遂にDブロック、つまりラビさんの試合があるじゃないですか」

「ああそうだね、だから?」

「ああいや、だからなんか準備とか……」

「此処まで来て、そういう事を唱えるのはナンセンスだな。これからの航海で嵐が不安だから今から船を変えろ、という位に無茶な事だ」

 

オニオンはそういう事を言いたい訳ではない、自分だって前日は酷く緊張して眠れなかった程だ……それでもゲンガーに無理を言って極低出力の催眠術を掛けて貰って漸く眠れた程。それなのにラビは酷くリラックスしているように見える。

 

「やれるだけのことはすべてやったつもりだよ俺は……相手は同じイッシュのホミカ、同郷の馴染で色々と繋がりもあるが……生憎、俺は負けるつもりはない」

 

エプロンを付けながらもラビは笑っていた。その手にはフライパンを持ちながらも何処か貫禄がにじみ出ていた。

 

「さぁてと……どういう風に、料理するかね……」

 

オニオンは、フライパンを火にかけながらもそう微笑むラビに寒気を感じてしまった。今の言葉は、これから作る料理の事なのか、それとも、ホミカの事を言っているのか……。

 

「なんだかんだ言いながら、兄さんもやる気満々だな」

「その気になったらお兄ちゃんはどうしようもないからなぁ……」

「というか、そもそもこのトーナメントの中で最も読めないのが兄さんよ。手札が多すぎて読み切れないわよ」

「配信出てるのだけ考えても無数だもんね~」

「……そんな相手に、よくオーバさんあんなに絡んでたね」

 

それはそう、と全員が頷いた。

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