週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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PWCS:第十六試合 ラビ VS ホミカ 3rd

「やるだけに決まってっしょ、そう……ラビ、アンタの理性ぶっ飛ばしてやる!!!」

「出来る、もんならな」

 

ペンドラーに装着されているアクセサリーの中心部にはメガストーンが嵌めこまれており、ホミカは髪を揺らすとその奥にあったピアスを露出させる。そこにあるキーストーン、メガシンカさせる気満々だと言わんばかりだ。

 

「アンタがメガシンカさせてるのを見て、必死に探した。ンで見つけたんよ……こいつをね」

「ほぉん……ンで如何する」

「するに、決まってんしょ!!」

 

ピアスに触れながらも光を溢れ出させるホミカ、その光とペンドラーの放つ物とが重なり合って爆ぜていく。

 

「さあバイブス上げてくよ!!アタシとこいつで、アンタらの理性、ぶっ飛ばすから!!!」

「ペドオオオオオッ……ペドオオオオオオオッ!!!!」

 

相対するメガペンドラー、なんというか自分のペンドラーとのそれとは違い随分と落ち着いているように見えるのは、恐らく暴走メガシンカ産ではないからだろうか。矢張りあれは高出力が為に、使用側に負荷を強いるという事か……こう思うとペンドラーに悪い事をしてしまったなという思いが、湧き上がってくる。

 

「ペンドラー、ミサイル針!!!」

「ペドドドドッ!!!!」

 

全身から無数のミサイル針を発射して来るペンドラー、矢張りというべきかメガシンカすると軽視されがちのミサイル針でもかなりの迫力がある。一本一本がマジのミサイル並に太い、マチスさんに連れて行って貰った空母で見たミサイルを思い出す。

 

「ゴールドラッシュ!!」

「フ~ゴゥ☆彡」

 

全面を埋め尽くすほどのミサイル針の弾幕、それを消し去る為にサーフゴーの切り札とも言える技を使用する。自らの身体を構成するコインをばら撒いて攻撃するゴールドラッシュ、それは的確にミサイルを打ち落としていくが、同時にこれはサーフゴーの変幻自在さを奪う技でもある。コインを戻さない限りはローラーダッシュなどは出来ない、それを見たホミカは笑いながらもペンドラーを突っ込ませた。

 

「高速移動から地震!!!」

 

一気に加速してから地面を踏み締めたペンドラー、勢いが付いている為に地震の威力は高まっており即座にサーフゴーに到達してダメージを与えて来る。身体で感じる衝撃波は相当な破壊力を持っている、サーフゴーも辛そうにしている。

 

「コインを再融合するまでが勝負!!もう一回高速移動から地獄突き!!」

 

恐らくホミカのペンドラーは加速ではない、それを考慮している為か高速移動までのタイムラグが極めて少ない。やり手だ、一気に迫って来るペンドラーに対してラビは―――

 

「チャージビームだ」

「フウウゴ☆彡」

 

放たれたチャージビームはペンドラーに向かうが、それをアッサリと回避してそれはコインに直撃した。だがホミカは悪巧みじゃない……と疑問が浮かんだ、しかしその答えは即座に与えられた。何故ならばコインが浮き上がり始めた、そして―――放たれたチャージビームが別のコインに向けて放たれ、それが次々と繰り返されていく。

 

「ちょっ何よこれ!?」

「唯の戯れさ、黄金電光にお付き合い願おうか」

「何をっペンドラー後ろ!!」

「ぺドォ!?」

 

咄嗟に後ろ脚を上げると足元にチャージビームが撃ち込まれた、放ったのはコイン……そこへサーフゴーが再び電撃を放つとコインがそれを受け取って別方向へと跳ね返し、それがまた別の方向へを幾重にも繰り返す。空中に浮かぶ金色のコインが電撃で繋ぐ幾何学模様は美しく感じられる一方で対戦相手にはどうしようもない程に恐怖を抱かせる。

 

「(何処から、何時来るのよこれ!?目と頭を、物凄く酷使するじゃないのよこれ……!?)」

 

ジムリーダーとして目には自信もあるし先読みについては中々の物だと自負しているが、これは余りにも別次元の物を要求してくる。空中に浮かぶコインを移動するチャージビームの軌道を正確に読んだ上で次に何処に打つか、そしてどのタイミングで打ち込んで来るのかを考えなければいけない。三次元的な予測を常に強いて来る。

 

「更にもう一つ」

「フウゴウッ☆彡」

 

更なるチャージビームが発射されて幾何学模様がさらに複雑化したかと思ったら、電撃は途中で複数に分かれていく。ぱっと見はペンドラーが黄金の檻の中に囚われているかのように見える。

 

『なんという技でしょうか、確かにサーフゴーのコインは遠隔操作もお手の物ですが、此処まで複雑且つ繊細なコントロールは見た事がありません……!!!』

『サーフゴーも動けていない所を見ると、相当な集中力を要するようですが……これはそれ以上の莫大なリターンがあるようですね……』

 

「ペンドラー後ろ、高い所!!」

「ペェドッ!!!」

 

だがそこはジムリーダー、これまで得た全てを総動員して次を直観した。そしてそれは大正解だった、真後ろ高めという嫌な位置にチャージビームが集められた。そこをペンドラーは突き、放たれる前にそのコインを弾いた。その直後にため込まれたエネルギーが暴発したのか、コインが爆発のような衝撃波を放つ。

 

「いよぉし!!」

「サイコショック」

「ペドォッ!!?」

「んなにぃ!?」

 

直後、コインが再び浮かび上がったかと思ったらそれらが勢いよくペンドラーへ襲い掛かった。ばら撒いたコインを利用したサイコショックの威力は通常のそれを遥かに上回っている。幾ら防御が格段に上がったメガペンドラーとはいえ、これはかなりのダメージ。鎧のような甲殻もボコボコと凹みが出来ている。

 

「ダメージ目的なんかじゃない、お前の疲労蓄積を狙った技だからな、そもそも実践運用向きじゃない、どっちかと言えばコンテスト向きだな」

「こ、こんだけ派手な技を何で使ったかと思ったら……」

「さあ、サーフゴー……準備は良いか?」

「フウウゴゥ☆彡」

 

コインを呼び戻したサーフゴーは先程よりも輝き増しているように見える、いや全てのコインを戻したから―――などではない。輝きが明確に違う。これは一体……

 

「悪巧み、これで完全だな」

「フウウゴウ☆彡」

「あっまさかチャージビームの特攻上昇!?」

「だがくじ運悪いな、あんだけ連射してたら完全上昇してても良い筈だが……」

 

コインはサーフゴーの一部、ならばそこからの反射でもチャージビームを撃ち出しているも同じ。つまり、特攻上昇の判定が行われる。それを利用した特攻上げ戦術、魅せ技であると同時にトレーナー自身の疲労を狙う技であり、特攻を引き上げるものでもある。

 

「という訳で―――シャドーボール連射ぁ!!!」

「フウウゴゴッゴゴゴオゴゴゴゴゴゴッ!!!」

「ちょおっまっ!!?ペンドラー鉄壁ぃ!!!」

「ペドオオオッ、ペ、ドオオオオッ……!!!」

 

特殊技に対する鉄壁、一応効果がないわけではない。アニメでもよく使われている手段でこの世界でも十分に機能はするが、そこはカテ違いというのもあってか特防を上げる際の半分程度の効力しかない。幾ら鉄壁と言えど、特攻が上がり切ったサーフゴーのシャドーボールを防ぎきる事は出来ないしダメージは蓄積する。

 

「悪いが、もう積みだ」

「いいや諦めるなんてアタシらしくないね!!!まだまだ練習中だけど―――ペンドラー!!素早く―――剣の舞!!!力強く―――メガホーン!!!

ペドペドペド―――ドラァァァァ!!!!

 

シャドーボールの嵐を突撃してくるペンドラー、早業剣の舞と力業高火力技は自分もよくやる組合せの筆頭。だがしかし、ホミカも言っていたが早業はともかく力業の練度が低いように感じる。これはペンドラーの適正やらホミカ自身も忙しい為に十分な練習の時間を取れていない事が原因なのだろう。ならば―――見せてやろう。

 

「サーフゴー素早く―――金属音、力強く―――シャドーボール

ゴゴゴゴゴゴオッフ~ゴウッ☆彡

 

不快な金属音の後にウィンクと共に打ち放たれた大型ポケモンも飲み込みそうな巨大なシャドーボールを打ち出した、地面を抉りながらも突き進んでいくそれはペンドラーを飲み込むと大爆発を引き起こした。その爆発はクレーターを生み出してしまう程のとんでもない破壊力。爆発が止むとその中心地にメガシンカが解除されたペンドラーが目を回して倒れており、サーフゴーはペンドラーの下にコインを潜り込ませながらもそのままゆっくりとホミカの方へと運び始めた。それを見て審判は慌てて声を張り上げた。

 

『ペンドラー、戦闘不能!!サーフゴーの勝ち!!BATTLE OVER!!よってこの試合、ラビ選手の勝利となります!!』

『決着ぅぅぅ!!!なんという事でしょうか、ラビ選手、サーフゴー一体だけでストレート勝ちを決めましたぁ!!!過去大会を見ても明らかにハイレベルの今トーナメントでストレート勝ちを果たしているのはナンジャモ選手だけでしたが、そこにラビ選手も並び立ちます!!毒タイプのエキスパートのホミカ選手に一切ペースを握らせる事もなく、独奏曲を演奏しきりましたぁ!!!』

『改めて、サーフゴーというポケモンの毒タイプへの刺さり方がエグかったですね……それだけではないのですが』

 

「あんがとねサーフゴー、ペンドラー、まだまだあたしも弱いね……メガシンカにも慣れてないし、業に至ってはライブとかもあるからって疎かにし過ぎてた……今回はあたしのせいだ」

「ペ、ペェドォ……!」

「いいのいいの、あたしのせい……こんなんじゃ駄目だね……」

 

秘かに思っていた事、ラビに勝ったらあいつに……そんな事を考えていた時点で負けていたのかもしれない。そう思いながらもペンドラーを戻すと―――

 

「ホミカアアアカッコ良かったぞ~!!!」

「あ、あいつなんで……!?」

 

思わず声のした方向へと目を向けてみるとそこには声を張り上げながらも健闘を称えるアカマツの姿があった。アカマツは自力でチケットを取ってこのパルデアまでやって来たのである、理由は簡潔にたった一つ、ホミカの応援の為だ。ホミカはそれを見ながらも小さく、バカ……と呟くと笑いながらラビに言った。

 

「ラビ、アタシに勝ったんだから負けんじゃないわよ!!!」

「さあどうなる事でしょうねぇ……?」

 

何せ自分の次の相手は……あの激戦を制したトレーナーなのだから。

 

第一回戦第十六試合、ラビ VS ホミカ

勝者 ラビ

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