週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

561 / 691
エンジョイ?:戦闘準備期間中の語らい。

本選トーナメントの第一試合が終了した、それによって次は第二回戦となる訳なのだが……今回のPWCSには戦闘準備期間として数日の休息日が設けられる事となった。トレーナーとのポケモンの休息によってよりよいバトルを行う為にお休み、というのが表向きの理由だが、実際はバトルフィールドの整備として整備の人間たちが悲鳴を上げる時間なのである。

 

「例年通りの少数人数のバトルならばなんとかなっただろうが、32人でのトーナメントで毎回毎回フィールドにクレーター作ったり、流星群が降り注いだりした結果としてフィールドのコンディションが極めて悪い状態となって訳だ。それを解消整備する為にも時間がいる、その為の時間……って訳だ」

「成程ね、つまり運営側の怠慢ね。あれだけのトレーナーがバトルするのだからこの程度は予測出来るべきよ」

「そりゃ半分結果論だろ」

 

レビの手厳しいご意見を聞きながらもラビはパスタを食べる、生徒会長として様々な行事の舵取り役だったり調停を担っていたレビからするとあのトーナメント表を見ただけでとんでもないバトルの連続になるのは目に見えていたのだからやるべき事は分かっていただろうに……というが、それは流石に酷という物だ。

 

「業の導入もあってバトルのレベルは急速に高まってる、バトルの高速化と高火力化を踏まえると整備班の人達が対応しきれないレベルに至っても可笑しくはない。現に俺のダイオウドウも貸出を頼まれてて今仕事してるからな」

「あ~だからローブシンが代理でやってるんだね?」

 

会場が艦であることも影響している、主に地震系統による技で多少なりとも船体にもダメージが入っているが、其方は問題はない。寧ろフィールドが耐えきれていないというのが最も憂慮すべき問題となっている。

 

「それになレビ、この休息時間は参加者的にもいい機会だ。自分のバトルばかりに集中してきた人間にとっては他の試合を見返して戦略を練れるし、注意すべき点を見出す事も出来る。ただの運営の怠慢とは言い切れない」

「むぅっ……兄さんじゃなくてキバナの言葉に納得させられるのが不満……」

「おう引っ叩いていいか」

 

もう当たり前のように自宅にいるキバナにはもう何か言う気はないが……レビの対応もかなり軟化して来たなぁと素直に思いながらもTVを操作する。

 

「なんかお前さんらお勧めのバトルとかあった?んじゃまずは、芸人ナンジャモ姐さん」

「いやぁそうですねぇ一番気になるのがって誰が芸人で姐さんだ!?」

「おせぇよ色々と」

 

キバナだけではなく、ナンジャモも此処にいる状況、とそんな事を言っても他にもオニオンもいるので将来の家族が集結しているようなことになっているのだが、ラバイは俺も早く見つけた方がいいかなぁ……とさり気無く危機感を募らせているのであった。

 

「んじゃまずキバナから」

「オレ様か?オレ様的には……これだな」

 

そう言いながらもリモコンで選んだのはシンジ対レッドの対決だった。

 

初戦がレッドという最悪のカードを引いてしまったシンジだが、着実にレッドのポケモンを削りに掛かっている。ドラピオンで毒びしで盤面を整えながらも耐久戦を繰り広げ、ミサイル針や岩石封じ、砂地獄でピカチュウを走らせ続けて疲労を狙い、吹き飛ばしとベノムトラップを活用して毒で締め落とすが、それに気づいたレッドは超接近戦でドラピオンの間合いの内側から攻める、アイアンテールの一閃でドラピオンを下し、続けられたドダイトスでピカチュウを落としに掛かった。が

 

『ドダイトス、リーフストーム!!!』

『ふわふわフォール!!』

『くそっあの人め!!!』

 

地面タイプを複合しているドダイトスからすれば下せると思っていたが、毒状態にありながらも、レッドのピカチュウは信じられぬ程にタフネスかつ強力、ドダイトスの重い一撃をピカチュウの軽い身体でいなすとそのままドダイトスを落としてしまった。

 

『エレキブル、地震!!』

『小ジャンプで切り抜ける』

『ビィガァッ!!』

『くっならば力強く―――充電!!

 

最終戦、エレキブル対ピカチュウという電気タイプの対決だが、既にピカチュウは毒で体力が限界に近かったのだが、それでも根性で地震を回避し、懐に入ると影分身からの連続アイアンテールで攻め立てていく。

 

『これで決める、力強く―――ばちばちアクセル!!

『貰ったぁ力強く―――サンダーダイブッ!!!

 

最後の最後にシンジはレッドの命令を読み切り、先制攻撃且つ急所を抉って来るばちばちアクセルをサンダーダイブで耐えつつも押し潰すという事を敢行。大きなダメージを受けながらもエレキブルは対格差を活かしてピカチュウを押し潰す事に成功、遂にレッドのピカチュウを打倒に成功。

 

『……シンジ、お前の名前は覚えておく。何時でも挑んできていい』

『光栄です―――ですが、もう勝った気になったのは気に入りません』

『確かに、だったら……勝ってみせろ、リザードン!!』

『行くぞエレキブル、相手は世界最強のリザードン、取りに行くぞ!!』

『ッキブルルルルウウウウウゥゥゥゥッ!!!!』

『リザードン、本気で倒すぞ』

『グオオオオオオオオンッ!!!』

 

そこからは激しい炎と電撃の応酬だった、守るですら防御しきれない火炎放射、電撃波ですら捉えきれない飛行テクニックを披露するリザードンを相手にエレキブルは一歩も引く事はない。寧ろ、死中に活を求めるが如くのカウンター戦法が功を奏したのか、リザードンにも確実にダメージを与えることに成功していた。

 

『次で決めるぞ!!!サンダーダイブ!!!!

ブラストバーン!!!!

 

『ッキブルルルラァァアアアアア!!!!!』『グオオオオオオオオオンッ!!!!』

 

互いに最強の技の激突が巻き起こった、相手の全てを飲み込まんとする稲妻と爆炎が激突し、互いに起爆剤となりながらも天へと伸びる巨大な光を生み出してしまった。その果てにあったのは……崩れ落ちたエレキブルを前に勝鬨を上げているリザードンの雄々しい雄叫びだった。

 

「普通に考えたらピカチュウ相手にボロボロにされすぎって思う人もいるの分かるよね、でもレッド氏とサトシさんのピカチュウ相手だからなぁ……よく落としたよ」

「それだけあの二人のピカチュウがとんでもないって事だ、シンジもよくもラストの技に合わせてサンダーダイブをよく指示出来たもんだ。失敗のリスクも考えたらあれは出来ねぇだろ」

「キバナの言葉に同意するのは癪だけど、本当にそうね」

 

シンジとレッドのバトルは早くも今大会のベストバウトに選ばれる程に人気が高く、PWCS運営が行っているアンケート調査でも上位に食い込んでいる。因みにナンジャモ対ブルーも中々に上位に入っていたりもするし、オニオン対センリも中々に上である。

 

「んじゃナンジャモとオニオン君は?」

「ボク、ユウリ氏とアラン氏のバトルかな。正直まさかあんな事になるとは思わなかったし」

 

それはそれで全員が納得した。ユウリとアランのバトルは想像以上の大決戦だった、何故かと言われたら……ユウリがキョダイマックスを発動させたからである、ルール上は確かにダイマックスの使用が許可されてはいる物の、パルデアにガラル粒子は存在していなかった筈なのに、ユウリは、それを可能にさせてしまったのだ。ルール上は認可が下りているし、やれるもんならやってみろという状態にはなっていたのだが、後でキバナやダンデがダイマックスを行う実験を行ってみたが、結局不発に終わった為に何が理由なのか、ユウリは試合前に接触したマサルのムゲンダイナが原因なのでは……と考えているとの事。

 

「まあそれを破ったアランもやばいけどな……」

 

ユウリ対アランはキョダイマックスしたエースバーンとメガリザードンの熾烈な激戦となったが、ダンデに敗れた事で一から鍛え直したアランが意地を見せて最後の一匹同士の一騎打ちとなった。そこでメガリザードン渾身のブラストバーンが、キョダイカキュウを打ち破ったりエースバーンを焼き尽くし、勝利を何とかもぎ取ったのであった。

 

「俺も試したけどやっぱりダイマックスできなかった、ユウリなんで出来たんだろう……」

「まあそれを今考えてもしょうがないさ、それよりオニオン君はないのか?」

「……オーバさんとミクリさんのバトルかな」

 

その言葉に全員が納得した。タイプ上は圧倒的にミクリの有利と見られていたこの一戦、だがしかし、オーバはそれに一歩も引く事なく互角の勝負を繰り広げていた。それをもう一回見てみようとラビはその試合の配信を選んで再生ボタンを押した。




次回、オーバとミクリ、何方が勝ったか明らかになります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。