週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:遡るという進化。

「……何やってんのかな、俺」

 

戦闘準備期間の中で、ラビはいつもと変わらない日常を送っている。そう言いながらも、いつもよりも入念にボールを拭いたり、戦闘前のコンディションを整える為の食事作りにも入念に取り組んだりしている自分がいて、普段の自分が見たら笑いそうな程にバトルへと熱心な準備をしている。

 

「集合!!」

 

声を上げると合計10匹のポケモンが集結する、そこにいるのは今回ミクリ戦を迎えるに当たって何とか絞り込んだ候補達。かと言ってこの中から更に絞り込まなければいけない。他の参加者に比べて圧倒的な山札の数、これこそが自分にとっての最大の武器であるとラビはそれを実感していた。だからこそそこから吟味に吟味を重ね、丁寧に食材を濾すかのような作業を繰り返した。

 

「一度勝ってはいるけど全くの別人と戦うつもりで望まないといけない、此処から更に絞り込む―――その気があるなら、残ってみせろよ」

 

そう声を掛けるとそれぞれが自分のやりたい事へと散っていったのを見送ってからラビは水を口にした。そんな自分にダイケンキが言って来る、随分と若くなったじゃねぇかとその言葉に珍しく、苛立ちを感じる事もなく受け入れていた。

 

「……そうだな、随分と昔に戻った気がするよ」

 

自分でもそれを感じている、感触的にはカロスか少し前辺りに居る気がする。精神的な全盛期はその辺りだった気がする、その後はガラルに行ってしまったのでそこからは極端に落ち着いた気がする。まあ大体ガラルのせいだが……。

 

「なぁダイケンキ」

「ケン」

「……いや、なんて言うかよ……俺達は何処まで行けると思う?」

「?」

 

ラビらしくない言葉にダイケンキも首を傾げてしまった。基本的に客観的に自分を見過ぎて自分の評価が基本低評価な彼にしては上に上っていけるのかという不安を含んでいる言葉であった。

 

「あて」

「ケンッ」

「……悪かったよ相棒、そうだなどこまででも、だったな」

 

俺の最強を証明するんだろ、とダイケンキは言ってきた。そうだ、サトシへのリベンジもあるが、それ以上に自分のポケモンが、俺のダイケンキが世界で一番強いんだと、世界に向けて叫ぶ為に、この大会に臨んでいる。それでいいんだ、自分はそれでいいんだと最終的な決着をつけてしまっても良い気がする。

 

「お前はオーバとやりたかったか?」

「……ケンェキ」

「なんだよ、お前も俺と同じだったのか」

 

本心を言ってしまうとダイケンキもオーバへのリベンジをしたかった気持ちをある、あの時、自分は倒れてしまってラビの思いを無駄にしてしまったという思いも強く、だからこそもっと強くなりたいと望んだ。その末にホウエンリーグではそれが結実したといっても良いのだが、それ以上に、あのゴウカザルの闘志を消せなかったのが水タイプとしての敗北感が強くなった。

 

「なんだよ、俺以上に恨み骨髄じゃねぇか」

 

誰が憎悪してるだ、とラビを小突く。あの時、自らに渾身の一撃を加えてて気合を入れるあれに自分は負けた。だから次は負けないと決意しただけだと、ダイケンキはバトルフィールドへと向かって行き、アシレーヌとの模擬バトルを行い始めた。

 

「きゅううううんっ!!!」

「――――ケンッ!!!!」

 

ムーンインパクトをショルダーブロックでいなしながらもその懐に入り込んで秘剣・千重波を炸裂させる、アシレーヌもそれを受けて火が付いたのか更なる熱狂をバトルへとくべていく姿を見せる。そんな二匹を見つつもラビは……少しだけ笑う。そんな彼に後ろからサザレが抱き着いた。

 

「如何したの、随分とやる気に溢れてるじゃん」

「……如何したんだろうな……我ながら自分らしくないと思うよ」

「そりゃ今のラビからしたらそうかもしれないけど、私からしたら一緒に旅してた頃はそんな感じのラビだったなぁって感じだよ?」

「俺って、昔そんなに血気盛んだった?」

「というよりも毎日楽しんでた感じかな、何が起きても全部楽しもうって気持ちが見え隠れしてたっていうのかな」

「……」

 

まだこの世界の一員になりきれていなかった頃は確かにそんな気持ちはあったなぁ……という事を思い出す。自分は思った以上に旅の事を忘れている、というよりも意図的に思い出さないようにしている事に気づいてしまった。

 

「……なぁサザレ」

「なぁに?」

「……いや、流石に昼間からはマズかったな」

「ねえ本気で何言おうとしたの、怒らないから言いなさい」

「何でもない、何でもにゃいからくひをひっひゃらないでくだひゃい」

 

 

「ラビの奴妙に感傷的になってやがんな」

「どう思います?」

 

そんな二人の様子を見ているキバナとオニオンはお茶を啜りながらも雑談をしていた。

 

「迷ってる訳でもないだろうな、もう筋を決めてんのに今までの自分らしくないって要らねぇ所で困惑してるな。以前の自分に戻ろうとするのを無理矢理踏み止まってる感じだな」

「でも、その方がバトルには良いんじゃ……」

「単純に昔の事が好きじゃないんだろ?お前さんにはまだ分からないが、大人って奴は無条件で昔の事を拒絶的になる時があんのよ。いずれ分かるさ」

「子ども扱いされてるみたいで気に入りませんね、此処で決着付けて上げてもいいんですよ」

「おっ四天王様とバトル出来るたぁ光栄の極みだな」

「言っててください」

 

 

「だから何でもないんだってば……」

「むぅっ期待して損した」

「んじゃ夜連れ込むわ」

「だからそう言う事やめい!!!」

 

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日はゲスト付きです」

「よおっ元気か皆、ガラルのジムリーダーのオレ様キバナだぜ!!」

「本日はこのメンバーでいきます、そして今回ご紹介するのは此方」

「シャ~ボックッ!!!」

「アーボックさんです」

PWCS本選トーナメント第二回戦、貴方の注目カードは?

  • 第一試合 キバナ VS シロナ
  • 第二試合 デンジ VS レッド
  • 第三試合 ナンジャモ VS アイリス
  • 第四試合 グルーシャ VS ダイゴ
  • 第五試合 サトシ VS ダンデ
  • 第六試合 ハッサク VS オニオン
  • 第七試合 カルネ VS アラン
  • 第八試合 ミクリ VS ラビ
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