「ぶっちゃけ話、お前がガラル旅してる時の印象ってどんな感じ?」
「ドッカンバトル地方」
「もうちょっとこうさ、なんかあんだろ」
キバナから尋ねられて、当時の事を何とか捻り出すが……キバナの呆れたような視線にちゃんと考えなおす。
「……まあ今のガラルよりもずっとダイマックス信仰が強かった時期のガラルだからな、変化技を使う奴が少ない事少ない事……そんな中で影分身やら高速移動で相手から距離を取る戦術をしたら、相手がジムリーダーやジムトレーナーならまだしも、それ以外から卑怯だの姑息だのってすげぇ言われたな」
「……それは今もあんまり変われてないかも……」
「だなぁ……」
「「はぁ……」」
揃って溜息をするガラルのジムリーダーと四天王。現在もガラルではポケモンリーグ本部からのサポートを受けて、ダンデが改革の為に努力はしているのだが……元からあったそれを覆すのは難しく中々に難航しているとの事。
「これまでの所に新しい物を入れようとしても上手くいかないのはしょうがない、寧ろそれは良いんだよ取り入れるべきかどうかの議論にもなって発展にも繋がる。だけどダメなのは無思考で否定する事だな」
「……んじゃ駄目側だな」
「ですね……」
フォローのつもりで言ったのがクリティカルで突き刺さった……とラビは居た堪れない気持ちになった。相当にガラル地方の改革は難しいらしい。
「変化技の軽視はダイマックスが強力な上に能力変化も出来るせいだな……特にダイジェットは無法に近い。ダイジェットが最強だと俺は思ったよ」
「ダイジェットが、ですか?」
「スピードっていうのは攻撃、防御、回避の全てに応用が可能だからね。スピードが上がればそれこそ全ての技が電光石火並に素早く繰り出せると思うと分かり易いかな」
「……確かに」
ダイナックルやダイアシッドはそれぞれ攻撃と特攻を上げると他のダイマックス技に比べるとどうしても威力が見劣りする。だがダイジェットはそれがないのでブレイブバード級の破壊力で攻撃し同時に加速するという事が出来てしまう。
「だけどそれも業が普及すれば解決しやすいと思う、ダイマックスする前に早業で悪巧みとか剣舞してみれば変化技の強さが理解出来るだろうし」
「成程な、単体でダメなら併せ技って事か」
「それなら僕が何とか出来そうですね、悪巧みはゲンガーも得意ですから」
「なんだったら変化技でハメ倒すなんて事も出来るしな」
「……お前、そう言う事やったから旅してた時にブーイング受けたんじゃねぇのか?」
「あの程度は初歩の初歩だぞ」
「何処の世界の初歩ですか……」
自分はただ、影分身や高速移動で相手を翻弄しただけ。本当の害悪とは技を縛った上でそれを出せ無くしたり、延々と同じ事を繰り返したり、催眠を利用したりと色々と酷いのである。それに比べたら自分のやった事など優しい部類だ、挑発一つで崩壊するのにそれをしてこなかった側の方がぬるい。
「結局の所ポケモンバトルはトレーナーの思考の方向性一つで世界が激変するんだよ。どういう風に解釈するのかに掛かってる、実際俺はネズさんとのバトルで変化技と力業の凄さを思い知らされたしな……」
「ネズか……お前アイツに対して凄い高評価だよな」
「そりゃそうだろ、あの人普通に凄いぞ。多分他地方でも平然と四天王やれる位の実力あるぞ」
「そんなに……」
ガラルで屈指のトレーナーを上げろと言われたら真っ先にネズを上げる。次点でダンデ、そしてキバナと続いていく。ユウリとオニオンはこれからの伸び盛り、どこまで伸びていくのかが未知数の存在……ある意味でこれからのガラルが楽しみでしょうがない。
「それよりも、自分の試合を心配したらどうだ?戦闘準備期間ももう終わる」
「今からじたばたしてもしょうがねぇよ……やれる事は全部やったつもりだ」
「ぼ……俺もです」
まもなく本選トーナメントは再開される、先日戻ってきたダイオウドウ曰く後は最終調整のみらしいので近日中に再開されるだろう。キバナはシロナ、オニオンはハッサクと、何方も強敵とのバトルを控えている。
「シロナさんとかぁ……ラビだったらどいつを警戒する?」
「ぶっちゃけ、あの人の手持ちはどいつもこいつも満遍なく強いからなぁ……バランス重視だけどそれがチャンピオンの中でも屈指の完成度の高さだ。明確な役割を持たせられるし、仮にそれが無しで考えても滅茶苦茶厄介なのがあの人だ。ガブリアスの強さ何て言うまでも無いだろ?そこにミロカロスやトゲキッスっていうのもいる」
「ミロカロスはミクリさんとお前さんの配信で改めて厄介さが身に染みてる」
歴代最強チャンピオンとも言われるが、パーティの完成度の高さこそがシロナの強さを示している。しかも平然と絡め手も使って来るのが厄介、ピカチュウを道連れで落とした時はかなり驚いてしまったのを覚えている。
「強いて言うなら真っ向から中央突破が活路だろうな……下手に弱点を探そうとしたらその隙を逆に襲われる。だからオレ様は王道のバトルで行くつもりだ」
「結局それが一番だと思う、大崩れもし難いだろうし」
「ぼ……俺はハッサク先生……ドラゴン使い」
一方オニオンの相手はドラゴン使いでもあり、パルデア四天王の一角たるハッサク先生。これまでのバトルを見返してみたが、ハッサクのポケモン達は分かり易く強力なドラゴンタイプで固められており、逆にキバナがしようとしている強行突破がしにくい相手となっている。
「それこそゴーストの強みを活かせばいいだけだよオニオン君、二重でも三重でも。それこそがゴーストらしい正面突破戦法だろう?」
「っ!!はい、そうします……!!」
そんな風にアドバイスを送るラビとそれを受け取って奮起するオニオンを見ながらもキバナは未来の一場面を幻視した気になった。席を立ちながらもベランダで自分のポケモン達の世話をしていたレビへと声を掛ける。
「お前はオレ様を応援してくれるか?」
「私が応援するのはお兄ちゃんだけよ」
「つれねぇな」
「……ついででいいなら、少しぐらいならしてあげるわよ」
「おう、してくれしてくれ」
そして、この二日後―――遂にPWCS本選トーナメント第二回戦が行われる事となった。その第一戦は―――……
「さあ思う存分にやり合おうじゃねぇかシロナさんよぉ!!!」
「ガラルのトップジムリーダーの力、見せて貰うわよ」
「はん、見惚れるんじゃねぇぞ!!」
「お生憎様、私はそんな軽い女じゃないわよ」
キバナ VS シロナの対決である。
次回、第二回戦編をスタートします。
PWCS本選トーナメント第二回戦、貴方の注目カードは?のアンケートの結果は
1位:サトシVSダンデ 329票
2位:ミクリVSラビ 295票
3位:ナンジャモVSアイリス 279票
4位:キバナVSシロナ 205票
となりました。なのでこの4戦を書いて行こうと思います。皆様のご投票、有難う御座いました!!
サトシVSダンデが想像以上の人気でビックリしました。
個人的にはカルネとアランが多いと勝手に思ってました。
PWCS本選トーナメント第二回戦、貴方の注目カードは?
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第一試合 キバナ VS シロナ
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第二試合 デンジ VS レッド
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第三試合 ナンジャモ VS アイリス
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第四試合 グルーシャ VS ダイゴ
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第五試合 サトシ VS ダンデ
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第六試合 ハッサク VS オニオン
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第七試合 カルネ VS アラン
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第八試合 ミクリ VS ラビ