「さあ思う存分にやり合おうじゃねぇかシロナさんよぉ!!!」
「ガラルのトップジムリーダーの力、見せて貰うわよ」
「はん、見惚れるんじゃねぇぞ!!」
「お生憎様、私はそんな軽い女じゃないわよ」
『対戦ルールは3対3、メガシンカ、Zワザ、テラスタル、ダイマックスは各選手一度ずつのみ、ポケモンの交代は両者自由となります。キバナ選手 VS シロナ選手。それでは両者、最初のポケモンをフィールドへ』
『本日もお相手は貴方の脳深部にエアスラッシュ、シンイチロウが実況をさせていただきます。そして解説は先日と同じく此方のお方です』
『脳深部って……貴方に地均し、砂の貴公子のラバイでお送りします』
『本日の第一試合、ガラル地方が誇るトップジムリーダーキバナ選手対シンオウ地方チャンピオンシロナ選手とのバトルが今始まろうとしています』
「行こうぜ、セグレイブ!!!」「レィブァ!!!」
『キバナ選手はセグレイブ、強豪と言われるドラゴンポケモンです。ラバイさんどう見ますか?』
『何方も極めて強力なポケモンです。セグレイブは火山の熱気すら凍て付かせる程の極低温を発する事が可能なドラゴンで氷タイプも有する重量級ポケモンです、かなりの物を連れてきましたね……』
「レエエエイブァァァ!!!!」
唸り声を上げながらも威嚇する、目の前にいるのが自らの敵だと理解している。それを必ずや打倒してやるという意味合いの意気込みに思わず笑いが出てしまった。頼もしい限りで嬉しい限りだ。
「なぁシロナさんよ、アンタがポケモン出す前に俺の切り札って奴を見せてもいいか」
セグレイブの発する迫力に思わずやる気になっている時に思わずキバナが制止してきた。それをシロナは笑って受け入れた。
「流石エンターテイメント重視のガラル地方のジムリーダーね、演出に凝りたいのね?」
「ご名答」
「勿論、いいわよ」
『おっと、変則的ではありますが先にキバナ選手が何かをするようです。シロナ選手は既にボールを握っておりますし、そのボールのポケモンを出すのであればルール上の問題はありません』
『しかし何を―――ってあのセグレイブ何かアクセサリーみたいなのを……ってまさか!?』
ワザと深く被っていた帽子を直すと、そこには装飾としてキーストーンが嵌めこまれているピアスがあった。何とかこの本選に間に合ってくれたことを感謝する、後、メガシンカの練習の為に、キーストーンの貸し出しをしてくれたラビにも感謝する。
「早速、行かせて貰うぜぇ……ナンジャモじゃねぇが、奥のお手々って奴だ!!」
「キーストーン、まさか、その子が!?」
「ラビと見つけた新たな進化の地平線って奴を見せてやろうじゃねぇか、行くぞセグレイブ!!!」
「レエエエエイブッ!!!」
「荒れ狂え、制覇せよ――全てを蹂躙してみせなっ!!メガシンカァ!!!」
「―――レイイイブウウウウウウウ!!!!」
メガシンカを果たしたセグレイブ、雄叫びを上げながらも天に向けて冷凍ビームが発射される。その影響なのか、フィールドの温度が一気に下がってきているのか観客も含めた全員が肌寒さを感じ始めていた。唯の冷凍ビームが異常な威力を秘めている事をその場の全員に印象付けた。
『メ、メガシンカです!!セグレイブがメガシンカしました!!セグレイブのメガシンカはまだ確認されていない筈ですが、キバナ選手それがありました!!というかその前の発言も大分あれでは!?ラビ選手、貴方一体どれだけの事に関わってるんですか!?』
『おい兄さんまたか!!アンタいい加減に自分の隠してる事を全部吐け!!配信で全部晒せ!!いや待て、あの人の事だこの程度な筈がねぇやっぱり黙っててくださいお願いします!!』
「セ、セグレイブにメガシンカの可能性があったとはっ……ド、ドドッドラゴォオオオンッ!!!!」
何処からかそんな声が聞こえてくるようなインパクトを与えたセグレイブのメガシンカにシロナは素直に驚いていた。まさかセグレイブにメガシンカの可能性があったなんて思いもしなかった……だが、これを最初に見せてくれた事には感謝しかない。このPWCSの場で、世界初ともいえるメガセグレイブとのバトルの機会を与えてくれるなんて嬉しい限りだ。
「メガセグレイブ……この圧倒的な存在感、凄まじいわね―――ならば此方はっ……!!」
シロナは笑いながらも自らも隠していた物を明かすようにその手に握りしめていたボールを見つめながらも一度瞳を閉じた。そして瞳を開きながらもボールを投げながらもその名を呼んだ。この日の為にゲットし、共に努力してきた新たな仲間、その名を―――!!
「悪夢を祓え―――クレセリア!!!」
「リィィイィルナァン」
シロナのボールから飛び出したポケモンは三日月のような美しさと神々しさを纏いながらもフィールドへと降り立った。まるで天女の羽衣のような翼を持ったそのポケモンに誰もがその瞳を奪われていた。そして何処からか自分への嫌がらせか、という言葉も聞こえて来た。
「はっはぁっアンタも大概エンターテイナーじゃねぇか!!この場でそんなポケモン出すとはな!!」
「本当は取っておくつもりだったのよね、レッドさんとのバトルまで。だけど、此処で出さないと勝てないっていうお告げがあってね」
『なんと美しいポケモンでしょうか、このポケモンは……ラ、ラバイさん!!』
『あ、あれは、ええっ?えっと、確かクレセリアというポケモンだった筈です……私の記憶が正しければダークライは悪夢を見せますが、クレセリアはそれを払い吉夢、つまり良い夢を見せてくれるポケモンだと兄の纏めたノートで見たような……あっ兄さんからメールが……クレセリアはダークライと対になると存在と言われ、三日月の化身とも呼ばれる伝説のポケモン、だそうです』
『もう解説席に御呼びします?』
伝説のポケモンの登場に会場はヒートアップするがそれ以上に興奮しているのはキバナだった。まさかこんな相手とバトル出来るなんて思いもしなかった。
「よくそんなの見つけたな!!」
「数か月前に満月島に訪れた時に偶然出会ったのよ、そしてそこでゲットした。この子は並大抵のポケモンとは訳が違うわ、メガシンカポケモンにだって負けないわ」
「上等!!」
『改めまして―――セグレイブ VS クレセリア!!3、2、1……BATTLE START!!』
「行くぞセグレイブ!!!」「グレエエエイブッ!!!」
「照らしなさいクレセリア!!」「リィィイィルナァン!!」
はい、シロナさんクレセリアゲットで御座います。そしてメガセグレイブとバトルで御座います。