週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:心構え。

「ラビ氏、キバナ氏には勝ち目ってあったの?」

「まずセグレイブを速攻で引かせるべきだったな、相手がガブを出して来るのは読めていたんだから最初からレジドラゴを投入するべきだったと思う。それで可能であればレジドラゴでクレセリアを落とす、無理でも大ダメージを与えるのが必須。ンでそこからブリジュラスで突破して、ガブが出てくるとしたらメガセグレイブをぶつける。と言ってもシロナさんもメガシンカを切ってないしまだまだ余力を残してたから推測の域を出ないな……」

「あれで全力じゃないんだ……」

 

ナンジャモはラビとレベと話をしていた。それはキバナとシロナ戦の振り返り、バトル後の応急フィールド整備を含めた最終戦闘準備時間にて出来る事をしようとしている。

 

「本気ではあった、だが全力には程遠いと思う。初見のメガシンカ相手に警戒しつつ戦力分析をしていると見せかけながらの瞑想の積みは良い戦術且つ相手の心理を上手く付いてる。伊達にチャンピオンじゃないって事だよ」

「しかもなんていうか戦い方が凄いラビ氏っぽかったよね」

「うん、早業で能力を上げつつそれで初速を上げて力業を基本に据えてた」

「あれが一番実戦的なコンボだからな、業の……って事は業を連発出来る位には鍛えてるって事だな……相当使い込んだな」

 

その言葉の意味はナンジャモもよく分かる。業を最初に教わったが、練習している時に思ったのが慣れるまでに時間が掛かったという事。技のPPをより多く使う業は集中力を消費する、だからなれない内はポケモンがあっという間に疲労してしまう事が多発した。故に業はどんどん使う事こそが分かり易く上達の秘訣。

 

「それをバランスよく使い込めるのが早業と力業の併用のコンボだからな。早業変化技と力業攻撃技ってのが一番やりやすい」

「んじゃシロナさんはそれをやってるって事なのかな」

「分かり易くな、あの人はシンプルにやれる事をとことんやるタイプの人だからなぁ……仮にナモ公、お前が勝ったとしてもその先に待ち受けているのはレッドかシロナさんかの二択って訳だ」

「うっわぁ~地獄だね……勝てる騎士ねぇ……」

「勝てる気しねぇだよね、なんかコメントに染まってるよ」

 

遠い目をしてるナンジャモを何とか慰めようとしているレベを見て進展したんだな……お兄ちゃんは嬉しいぞ、それに比べてラバイの奴は……と思っていると何処かでくしゃみをする男の声がする。それはともかくとして―――

 

「まあ落ち着けナモ公、仮にレッドと対決する事になって極端に悲観する事はない。それに―――折角のバトルをお前は負ける気で挑むのか?」

「……ううん、どんなバトルでもボクは勝つ気で行くつもりだよ。ジムリーダーは相手の実力を見極める事が仕事、だけどそれは勝ちに行くボク達を如何やって乗り越えていくかを見る為。だから勝ちに行く事も仕事だからね」

「その意気だ。さてと、ここで対戦相手のアイリスについての復習と行こうか。ロトム」

『ロトトッお任せロト!!』

 

愛用のスマホロトムはワイドサイズに巨大化しながらもその画面にアイリスの情報を映し出していく。そこでは直近のバトルの映像も確りとある。

 

「イッシュ地方チャンピオンアイリス、チャンピオン就任の最年少記録保持者にして龍に愛される龍の姫君。俺達の親父の出身である竜の里でも一際デカい才覚を持ってた麒麟児だ」

「僕もアイリスさんの話は聞いたよ、どんなドラゴンタイプとも心を通わせるって」

「ドラゴンポケモンって扱いが難しいんじゃなかったっけ」

「そう、世間一般的にそう言われてるのは正しい。基本的に龍達のルールは強者に従う、気に入った者につき従うの二択、アイリスの場合は殆どのドラゴンが後者を選ぶんだからどれだけの凄さかは分かるだろ」

 

ナンジャモは勿論の事、竜の里にも何度も行った事があるレベも理解している。

 

「俺とレベも竜の里の縁者ではあるが……あれには届かない。正しく龍に愛されてるし本人もドラゴンを愛してるからこそ到達出来る領域。ハッキリ言うぞナンジャモ、ドラゴンタイプはポケモンの中でも随一なのは事実、それを受け入れろ―――その上で屈服させろ」

 

それは最早戦術的なアドバイスなどではなかったのだ、精神的な、心構えの領域。

 

「ドラゴンは天に舞い、地を蹂躙し、海を制する。竜の里の格言の一つ、ハッキリ言おう、だからどうした」

「えっ?」「ちょっお爺ちゃんが大好きな格言を……」

「天に居るなら雷で撃ち落せ、地面に居るならサンダーダイブで押し潰せ、海に居るなら10万ボルトで感電させろ、ドラゴンは強いが無敵でも最強でもねぇ、攻略の仕方は幾らでもある。この世に最強のポケモンは存在しない、それが俺の思う真実だ」

「真実……」

 

その言葉が、不思議と重く圧し掛かってきた。イッシュ地方の伝説のポケモンの事を調べたからなのだろうか……。

 

「俺の理想はどんなポケモンでも、そのポテンシャルを引き出してどんな相手だろうと勝つ事だ。結局の所、トレーナーのバトルの理想何てその程度の事でいいんだ、これからやるバトルで負けるかもなんて事は考えなくていい―――必ず勝つ、その気持ちで挑まないと損だ」

「だね、なんだラビ氏だって結構トレーナーしてるじゃん」

「10年トレーナーの旅してたんだ舐めんな、ガラルで一気に萎えたけどな」

「う~ん、初旅ガラルはやめとこうかなぁ……」

 

しれっと、レベの初旅候補からガラルが除外された瞬間だった。

 

「それとナンジャモ、お前俺のオノノクスとやり合ったろ?」

「えっ?ああうん、あるけど……3匹掛かりで漸く倒せたと言ってもラストのハラバリーで相打ちが精々だったんだけどね……」

「アイリスのオノノクスとあいつはライバル同士だ、ならお前は悪くない所まで行けるさ。その悪くないの地点を決めるのはお前だ」

「―――うん、じゃあ悪くないを勝利に設定するね」

 

『ナンジャモ選手、出場ゲートまでどうぞ。まもなく試合を開始します』

「お呼びが掛かったか」

 

如何やら緊急整備が完了したらしい、戦闘準備時間は終了だ。いよいよだ……そう思いながらも立ち上がるとナンジャモは立ち上がろうとしたレベを見た。

 

「レベ君」

「なんですぅっ!?」

「うわぁお大胆、成長したなぁ……」

 

ラビにそう言わせるような事をした、レベとの距離が再び開いた時、ナンジャモはニッコリ笑いながらも唇を舐めた。

 

「行って来ます」

「は、はひ……いって、らっしゃい……」

 

腰砕けになったレベにもう一度しながら、ナンジャモはラビに頭を下げてから控室を出た。残されたラビは完全に放心してしまった弟の顔をぺちぺち叩く。

 

「お~い確りしろ~正気を保て~」

「し、しひゃに、あうあうあう……」

「……まだ学生のレベには刺激強かったんじゃねぇかナモ公……?」

 

 

「……フフフッやっちゃった、でも、素敵な気分……よぉ~し勇気百倍、元気千倍!!」

 

そんな言葉を口ずさみながらもフィールドに出たナンジャモは相対するアイリスに笑いかけた。

 

「アイリス氏、いやチャンピオンアイリス。ボクは全力で君に挑むよ、天地海を制するドラゴンが相手だろうともボクは負けない!!」

「あたしだって負けないよ!!さああたしと貴方で、最高に楽しいバトルにしよう!!!」

 

『対戦ルールは3対3、メガシンカ、Zワザ、テラスタル、ダイマックスは各選手一度ずつのみ、ポケモンの交代は両者自由となります。ナンジャモ選手 VS アイリス選手。それでは両者、最初のポケモンをフィールドへ』

 

「さあ回転上げていくよ―――ジバコイル!!!」「ジバババババンッ!!!」

「行っちゃうよ~サザンドラァ!!!」「ザドラァ!!!」

 

To Be Continued……!!




ナンジャモ、覚醒……?
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