週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

580 / 691
PWCS:第二回戦第五試合 サトシ VS ダンデ 2nd

「コゥゥウウウガッ……!!」

「頼むぜゲッコウガ、お前の復帰第一戦だ!!」

「コウガ!!」

 

サトシのゲッコウガはカロスにて起きた大事変、それに関連した事でジガルデから直接の協力要請を受けていたのだが……これに関してカロスの伝説のポケモンであるゼルネアスとイベルタルが、ジガルデへの協力を了承。遠くの地方でジガルデが力を使った事で負のエネルギーが追い込まれて一か所に収束したというのでそこをサトシゲッコウガ、ジガルデ、ゼルネアス、イベルタルの四者が一丸となって駆逐することに成功。仮に再発するとしても数千年は掛かる上にゼルネアスとイベルタルがそれらに関しては対処してくれるという約束を取り付けた為にゲッコウガはサトシの元へ帰って来た。そしてジガルデたるプ二ちゃんはユリーカの元へと行ったとゲッコウガは語った。

 

「ゲッコウガ……その強さは聞いてる、リザードン、お前も感じるな」

「グゥオン」

 

リザードンも感じ取っているそれは涼やかだが凄まじい闘気、冷たい筈なのに確りとした熱を帯びているそれに思わず汗が滴り落ちてしまった。いや戦うだけしかないのに余計な事を考えすぎだとダンデは頬を叩いた。

 

「サトシ、あの時は俺が君を迎え撃とうとしていた。だが今は違う、君はチャンピオンで俺は四天王、だから今度は俺が君に挑戦する番だ!!行くぜサトシ、いやチャンピオン!!!俺達の炎を、受けてみろ!!!」

「受けて立とうぜゲッコウガ、あの炎をブチ破れ!!!」

「グオオオオオオオオオンッ!!!」

「コウガァッ!!!」

 

『NEXT BATTLE ゲッコウガ VS リザードン!!3、2、1……BATTLE START!!』

 

「行くぞリザードン!!!素早く―――龍の舞!!力強く―――ニトロチャージ!!

「こっちも行くぜ!!素早く―――剣の舞!!力強く―――アクアブレイク!!

 

一気にトップスピードへと到達したリザードンの猛突進を真正面からアクアブレイクで迎撃するゲッコウガ、だが本質は違う。リザードンはスピードを欲していた、トップスピードならばこれでゲッコウガと並ぶものを手に入れる事は出来た筈。だがゲッコウガは焦る事もなく、まるでアウトボクサーのようにつま先でぴょんぴょんと跳びはねながらリザードンを見据える。

 

「リザードン、素早く―――剣の舞!!力強く―――ニトロチャージだ!!!

「させるなゲッコウガ!!素早く―――挑発!!力強く―――水手裏剣!!

 

リザードンとダンデの思惑を阻止する為に先んじて挑発を掛けてそれを封じた、互角にまで上げて来たと言ってもまだゲッコウガの方が上。そして早業の恩恵を受ける事が出来なくなった為に初速が大幅に落ちたリザードンに向けて水手裏剣を連続で放つ。それを翼を盾にするようにして防御するが、ダメージは容赦なく入っていく。

 

「何というパワー……リザードン焼き尽くせ!!」

「グオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

容赦なく突き刺さって来る水手裏剣、だがそれを焼き尽くすような獄炎が放たれると水手裏剣の水分が一気に蒸発して爆発する。流石いい火力だと思った直後にそれを読んでいたぞ、と言わんばかりに飛び込んで来たゲッコウガが水で作った苦無で居合切りを放って来た。咄嗟にリザードンが独自判断で切り裂くを繰り出して相殺するが、一瞬で伸ばした爪が切り裂かれてしまった。

 

「何という切れ味だ……!!ドラゴンクロー!!」

素早く―――岩石封じ!!

「砕けリザードン!!」

 

無数に跳んで来る石礫の嵐、それをリザードンは龍の爪で切り裂いて砕いていく。この程度造作もないと言わんばかりの攻撃だが……顔を前に向けた時、ゲッコウガの姿が消えていた。ほんの一瞬、思考に生まれた隙間、ダンデは即座にリセットさせると上を見た。そこに答えがあった。

 

「上だリザードン!!フレアドライブ!!」

「グオオオオオオッ―――グォウッ!!?」

「は、早いっ!!!」

 

フレアドライブを繰り出すよりもずっと早く、ゲッコウガは懐へと飛び込んでくるとリザードンの頭を上から踵落とし、そこから顎へのアッパーカットの燕返しを決めた。これがゲッコウガの身のこなし、スピードを上げたとはいえそれは機動性の話で運動性では話にならないか……とダンデは少しだけ汗をかく。まだまだリザードンは動けるとはいえ、このままダメージが蓄積されたら何れリザードンは確実に落とされてしまう。それより先に何とかしなければならない……

 

「だとしても燃えるなリザードン!!!此処まで追い込まれたのは久しぶりだ!!」

「グオオオオオウウウオオオンッ!!!」

「ああそうだな、俺達は―――本当にポケモンバトルが大好きなんだ!!」

 

気合を入れた為か一際巨大となるリザードンの尻尾の炎。まるで猛火の炎のようじゃないか、そんな風に思っているとダイマックスバンドが輝きを増し始めていた、これは……

 

『ダンデさん頑張ってきてくださいね!!』

『応援してますから!!』

『兄貴、ファイトだぞ!!』

『ああ、皆有難う!!これなら百人力だ!!』

 

その時に脳裏に過ったのは試合前に自分を激励してくれた友人と弟の顔だった。もしかしてこれは―――そう思った時、ダイマックスバンドが眩いばかりの輝きを放ち始めて思わず笑ってしまい、大声で叫んでしまった。

 

「サトシィッ!!!あの時の約束を本当に果たす時だ、どうやら俺達の本当の力を、発揮出来るようになったみたいだぞ!!!」

 

笑いながらもガッツポーズで見せつけたダイマックスバンドにサトシも笑顔を見せた。

 

「ユウリと同じって事ですか!?」

「ああそうだ、きっとユウリにマサル、そしてホップが力を貸してくれたんだ!!俺は彼らに先人としての意地を見せてやりたい!!だから―――行くぞリザードン!!!」

「グオオオオオオオオオオッ!!!!」

 

『こ、これはダンデ選手のダイマックスバンドが脈動しております!!これはユウリ選手の時と同じくっ―――!!!』

『来るのか、キョダイマックス!!!』

 

「期待に応えてやろうぜリザードン、もっともっとも大きく、強く、高みを目指し!!!キョダイ、マアアアアアアアクスッ!!!!」

 

ボールへと収められたリザードン、そこへ注ぎ込まれていくエネルギー。本来パルデア地方には存在しない筈の力が注がれる、それを与えた存在はマサルの傍で少しだけ微笑んでいた。そして巨大となったボールを投げ込むとそこから通常の数十倍の巨大なリザードンが出現する、だが唯のリザードンではない。肩回りからは炎が溢れており、それが翼を完全に飲み込んでいるのか、翼そのものが炎と化している。これこそがダイマックスの中でも特別なポケモンのみが許されるキョダイマックスである。

 

『出たあああああっガラル地方の象徴たるダイマックスを越えたダイマックス、その名もキョダイマックス!!!ユウリ選手に続いてダンデ選手もどうやってか分からないけどキョダイマックスです!!しかしルール上は全く問題はありません!!ルール上の使用は許可されていますので!!』

『だけどユウリ選手もどうやってできたか分からないと言ってましたからね、まあ共通しているのはガラル地方の事変を解決に導いた、という事ですが……そのつながりでしょうかね?』

 

「キョダイマックスリザードン、そうだ俺はこいつと戦いたかったんだ!!!」

 

ダンデとのバトルへの熱望、それはサトシの中にあったリザードンという特別なポケモンへの渇望でもあった。リザードンの更なる姿、それだけで胸が熱くなったものだ……それを扱うチャンピオンと戦ってみたかった……今こうして戦えるだけで興奮している。だからこそ、それを超える為に秘策を、今ここで切る!!

 

「行くぞゲッコウガ!!」

「コウガァッ!!」

 

直後、ゲッコウガは隠し持つようにしていたメガストーンを握り込んだ。そしてサトシとの呼吸を合わせながらも―――メガシンカエネルギーをサトシの波動と同調させ始めた。身体から溢れ出した水タイプエネルギーが逆巻いて自身を中心に渦潮を作る中で繋がっていくメガシンカと波動。

 

「ゲッコウガ、君に決めた!!行くぞメガシンカ!!」

「コウウウガアアアアッ!!!!」

 

逆巻く渦潮の中で開花するメガシンカの繭、そこには深い黒の中を赤い閃光が駆け抜けているかのような忍装束に身を包み、サトシの帽子を思わせるような頭部の形状をしたゲッコウガがいた。

 

「これが俺達の全力全開だ!!勝負だダンデさん!!」

「ハッ!!はははっ光栄だな、こんなサプライズをしてくれるとはな!!最高だぞサトシ!!」

 

そこにはラビにPWCSに参戦を決意させたとも言うべき姿―――宙に浮きながらも高速回転巨大な水手裏剣に逆さ立ちしている、メガサトシゲッコウガがリザードンを見つめていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。