週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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PWCS:第二回戦第八試合 ミクリ VS ラビ 1st

その場に登場したラビはまた溜息をついてしまった。またダークライが張り切ってるなぁ……これは本当にいい趣味と言っていいのだろうかと割と本気で悩んでいる。今回は闇が怪物のような姿を取っていたが、その怪物が差し出すように手を出したのが自分だったという演出だった。人を魔王にしたいのかと一言言いたい。

 

『対戦ルールは3対3、メガシンカ、Zワザ、テラスタル、ダイマックスは各選手一度ずつのみ、ポケモンの交代は両者自由となります。ミクリ選手 VS ラビ選手。それでは両者、最初のポケモンをフィールドへ』

 

「さあ、フィールドを舞うがいい!!イルカマン!!」「キュウウンッ!!!」

「GOヤドラン!!!」「ヤド、ランッ……?」

 

『さあ両者ともに繰り出しました。ミクリ選手はイルカマン、ラビ選手はヤドランです!!水タイプの使い手に対してヤドラン、おっとあれは確かガラル地方のリージョンフォームでしょうか』

『ですね、随分と昔に兄さんが紹介してハラバリーとの動画が未だに再生回数が伸び続けているというあのヤドランですね。しかしヤドランかぁ……』

 

このヤドランは配信でも紹介したガラルヤドラン、そののんびりさと何を考えているのか分からないが、PWCS参加に当たり、ポケモンの戦力再評価を行った結果として晴れての1軍入りを果たしているのだが……喜んではいるらしいが、見た目のとぼけ加減からいまいちな印象が拭えない。

 

『イルカマン VS ヤドラン!!3、2、1……BATTLE START!!』

 

「さあ行こうかイルカマン、まずは手堅く凍える風!!」

「ルルル~ラァァァァ~!!」

素早く―――ど忘れ、重ねな

ヤァ……ヤァ???ヤド、ラン……???

 

凍える風を受けるのだが、即座にど忘れを発動させてダメージを受けている事にすら気付いていないようなヤドラン。流石のイルカマンも堂々としているヤドランに効いているのか?と首を傾げてしまっている。

 

「イルカマン落ち着くんだ、君には真の姿がある!!クイックターン!!」

「パルウラアァァァ!!!」

 

そうだ、自分には本当の力があるんだと言わんばかりにイルカマンは突撃していく。さあヤドラン、真の戦いはこれからだと言わんばかりだった時だった―――ヤドランの瞳が鋭く、強く輝きを持った。

 

「生憎ながら俺はそれをさせてやるほどお人よしじゃないんでね、力強く―――とおせんぼう!!

ヤドランッ!!!

 

即座に発動された力業、それは早業の影響もあって加速していたがそれ以上に、ヤドランの特性が発動し先制で繰り出された。それはとおせんぼう、それだけではなく力業の影響かイルカマンは、明確に大きな重圧を受けているように何処か動き辛そうにしている。

 

「マイティフォルムをぶっ飛ばしてやるのも面白いがそもそもマイティフォルムを出せないように立ち回るのも一興。来いよトップコーディネイター、ご自慢の真の姿になれないイルカマンを輝かせてみろ」

「―――……やってくれるな……!!」

 

『なんとラビ選手イルカマンの交代を封じました!!イルカマンの特性の発動には交代が必須!!これではマイティフォルムになれません!!』

『マイティフォルムのイルカマンはケッキング並の能力を秘めているが、それを許されなければ、その能力は著しく劣ったものでしかない……イルカマン最大の泣き所を突いてきたか』

 

「演じてみろよ、俳優!!素早く―――腹太鼓!!力強く―――シェルアームズ!!!

ヤドドドドッドドドドオオラドラアアアアンッ!!!

「プルルルウァァッ!!?」

 

ヤドランは素早く腹太鼓を済ませると圧倒的なスピードで迫りながらも全力で左腕のシェルダーでイルカマンを殴りつけた。イルカマンは想像以上のスピードで迫ってきたヤドランに反応しきれずにまともに一撃を受けてしまった。

 

「何というパワー……!!!だけどまだまだだぞラビ君、黒い霧だ!!」

「プルアアアアッ……!!」

「生憎想定済みだ。素早く―――怠ける、力強く―――身代わりだ

ヤドォォォ……ラアアンッヤド、ラアン?」

 

黒い霧を放出するイルカマンだが、それは既に想定済み。素早く怠けるで体力を回復させるとその体力で身代わりを展開した。隣に全く同じガラルヤドランが出現、黒い霧が身代わり諸共飲み込むがヤドランは何の変化もない。

 

「黒い霧に触れた以上、能力変化は解除されるはずだが……それも力業身代わりの効果かな」

「ああ、通常よりも体力は使うがその分本体にも恩恵がある。言うなればミミッキュの化けの皮再現って所かな」

「成程……これは、厄介だ」

 

腹太鼓による攻撃最大上昇に加え、身代わりによる数的有利と疑似的な化けの皮による変化技の無効化という芸当を一瞬で披露してくるヤドラン。此処まで厄介な相手も中々居ない……イルカマンで様子を見ながらも交代する策を完全に潰された、だが仮に成立したとしてもこの相手を突破出来ていたかと言われれば難しかっただろう。

 

マイティフォルムのイルカマンの主力技は水タイプだがもう一つが格闘タイプ、それを封じられている。水タイプのごり押しこのヤドランを倒す事は出来ただろうか。

 

「イルカマン、冷や水!!」

素早く―――怠ける、力強く―――ダストシュート!!!

 

攻撃力を下げようと冷や水を放ってもそれをアッサリと迎撃されてしまう、あのヤドランのレベルは相当に高い……。

 

「アクアブレイク!!」

「キュウウウアアアアア!!!」

「引き付けろ、シェルアー「そこでカウンター!!!」マズったか!?」

 

接近した所で素早くカウンターへと切り替える、だがヤドランはぼんやりとしており攻撃してくるそぶりが全く見えない。イルカマンは早業の関係でカウンターを維持しきれずに解いてしまうと、その直後にアッパーカット気味のシェルアームズが飛んできた。

 

「キュウウアアアアアッ……」

「まだいけるかいイルカマン!!?」

「キュ、キュァァァァッ!!!!」

「よしいい根性だ!!」

 

だがあのヤドランはいきなり惚け始めたり、その後の動きが鋭かったりかなり厄介な相手だと言わざるを追えない。此方の狙いを呼んでいるのか、自分でも読み切れない……。

 

素早く―――欠伸、力強く―――思念の頭突き!!

ヤァァァァンッ……ヤァッ!!!

「プ、プルルラァッ!?プラァ……!!」

 

吐き出されたピンク色のシャボン玉に直撃してしまったイルカマン、その直後に飛んできたヤドランの頭突きを受けてグロッキーになりつつもその瞳は閉じそうになっており、今にも眠りそうになっている。思わずボールに戻しそうになるが、ミクリはまだまだとおせんぼうが有効な事を思い出して歯軋りをする。

 

『あ~っとここで欠伸の効果が出てしまってイルカマン、眠ってしまいました!!?なんという展開でしょうか、ヤドランは素早く行動できないのが最大の欠点と言われているのになんという身のこなし!!これがガラル地方のヤドランなのか!?』

『ガラルヤドランの特性はクイックドロウ、一定の確率で先制攻撃のように動けるという特性ですが……それでスピードを補っているのか……だとしてもあのヤドランの攻撃センスの高さには感嘆を禁じ得ません』

 

素早く―――瞑想、力強く―――未来予知

ドオオオオッ……ラン?

 

「イルカマン、起きてくれ、起きるんだ!!」

「ZZZ……」

「残念ながらまだまだお眠なようだ、それじゃあ完全に寝かしつけてやろう素早く―――光の壁、力強く―――シェルアームズ!!!

ヤドラン?ヤアアドオオランッ!!!

「プルルルルゥゥゥゥラアアアアッ!!!?」

 

光の壁を展開しつつも振り抜いたシェルアームズでイルカマンを捉えるヤドラン、その一撃を受けてイルカマンを宙を浮きながらも白目を剥いてミクリの足元に転がった。

 

「プ、プルァァァ……」

 

『イルカマン、戦闘不能!!ヤドランの勝ち!!』

『ヤ、ヤドラン一人抜き!!ミクリ選手のイルカマンに本領を発揮させる事もなく、叩き潰しましたぁ!!これです、この合理的でありながらも相手を的確に追い詰めるバトルこそがラビ選手が此処まで勝ちあがってきた強さでもあるのです!!』

『ヤドランってとおせんぼう覚えるんですね……初めて知りましたよ。それにしても本当にこれはキツい、戦況もですが兄の戦術は対戦相手の精神的にも来る物です』

 

 

「戻ってくれ……イルカマン、本当にお疲れ様。君の本領を活かし切れなかった私を許してくれ……さあ君の出番だ、勝ちに行こうミロカロス!!」

「ミロオオオオッ!!!」

 

「さあこっから本番だ、ヤドラン油断するなよ」

「―――……ヤァ?ヤァ??ヤド、ラン???」

「大丈夫かなこれ」

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