「ヴォオオオオオオオオオオオオオッ!!!」
『さあ遂にご登場です!!伝説と幻というPWCSでもめったに見られない激レア対決を制した幻のポケモンのボルケニオン、それが遂にご登場だぁ!!!ボルケニオン、どんなバトルを見せてくれるのでしょうかぁ!!?』
『こればっかりは私もコメントのしようがありませんね……幻のポケモンは文字通りの幻のような存在、それの存在を詳しく研究しようとする者は星の数ほどいますがいまだに解明に至っていない物ばかりなのです』
「ラビ君、本気で行かせて貰うよ」
「おやおやおや、これからが本領発揮ですか?いけませんねぇスロットル管理が出来ていないというのは……オーバ程度の炎では沸騰出来ないというのも考え物ですねぇ……スロースタートにも、程がありますねぇ」
「いや本当にムカッと来るし、こういう事を言ってしまうのも申し訳なくて悪いんだけどさ、君のそういう挑発的な言葉のレパートリーはどっから来てるんだい?」
「どっかからです」
「うわぁっ急に普通に戻らないでくれるかい!?」
「ハハハハハッ!!世界的コーディネイターの驚愕の表情、実に美しい、今の貴方は私の作り上げた芸術品だ……どうかな、芸術を生み出す側が作られた側に変わる気分は」
本当に一々神経に触る言い回しをする、とミクリは若干額に青筋が浮かんでいる。トレーナー同士の煽り合いというのもPWCSではよく見られる光景だし、なんだったら他地方のリーグ戦でも普通に使われる盤外戦術なので卑怯だと何だと宣う権利はないのだが……本当にラビの煽り方は上手いと思える。
「ラビ、絶好調だなぁ……」
ところ変わってイッシュのブルーベリー学園のデスクで珈琲片手に観戦しているブライアは思わずそんな言葉を口にした。今のラビは嘗て、退学を賭けて行われたポケモンバトルの時の姿にそっくり被る。言葉で相手のペースと冷静さを奪い取り、自らの敷いた線路の上を哀れにも喚き散らしながらも走らせる……相手はそれによって自我を取り上げられて操り人形にされる……あのモードに入ったラビは本当に手強い。
「ミクリさんが大丈夫だと良いんだが……」
『NEXT BATTLE ボルケニオン VS ヤドラン!!3、2、1……BATTLE START!!』
「ボルケニオン、熱「素早く―――電磁波、力強く―――シェルアームズ!!」
「ヤドラン、ドラッ!!!」
矢張り、早い……!!」
素早く電磁波で麻痺を行わせながらもシェルアームズでぶん殴るヤドラン、ボルケニオンは想像以上にパワーに引っ繰り返りそうになりながらも、アームから水を噴射して体勢を整える。その直後にフィールドを覆っていた光が消え、トリックルームが解除される。
「よし、これならば―――」
「ボ、ヴォオオオオッ……!!!」
「麻痺頂き!!そして、ところがギッチョン素早く―――トリックルーム!!!」
「ヤドラン……?」
「再びだと!?」
ミクリが驚くのも無理はない、再度展開されるトリックルーム、それによって再び素早さが逆転するのだが……これでは麻痺をしているボルケニオンの方が素早く動けてしまうのではないか、と思うがラビがこんな初歩的過ぎるミスを起こすのか……?と思う。
『これはラビ選手、采配ミスでしょうか。電磁波は素早さを半減させてしまいます。これではボルケニオンが更に遅くなっていますのでヤドランの方が早くなってしまうようにも思えますが……』
『いや兄さんがこんな初歩的なミスを犯すとは思えない。ヤドランはそこまで遅いって確信があるのか……?』
「うちのヤドランは冗談抜きで遅いからな、ボルケニオンが遅くない限りは問題はない。オーバとのバトルでその辺りの計算はすませてあるからな、そのボルケニオンは最速ほどではないが速い部類だ、それなら麻痺を撒いた所でヤドランより遅くはならない」
「……種族値、だったかな。君の配信で言っていたポケモンの種族の平均的を取った数値」
「ああ」
ミクリのボルケニオンの素早さは準速に届かない程度、標準的だと推定してもそれはそれなりのスピードが保証されている。ならば麻痺を撒いた所でボルケニオンはヤドランより遅くはならない。ラビのヤドランは最遅とまではいわないがそれでも相当に鈍い。故にトリックルームを展開したとしても上は十分にとれる。
「さあどうするよコーディネイター、足掻いてみな!!素早く―――鉄壁!!力強く―――シェルアームズ!!!」
「ヤドラン!!ヤッドオオオオオッ!!!!」
「来るぞボルケニオン!!熱湯だ!!」
「ヴォオオオオオッ!!!」
今度は確りと動いてくれたボルケニオンだが、熱湯を軽々と回避しながらもヤドランとは思えない程のアクロバットを披露しながらも迫って来る。そしてアームへと手を掛けながら回転し、その脳天にシェルアームズを叩き込んだ。だがそこはボルケニオン、確りと耐えながらも身体を回転させてヤドランを振り払った。
「ちっ本当に上を取られているのか……!!スチームバースト!!」
「ヴォオオオオオオオオオオルルルルルッ!!!」
二つのアームを稼働させながらもヤドランへと狙いを定めて蒸気を放つボルケニオン、それを見つめながらもヤドランは地面を殴りつけると左腕の殻を起点にして猛毒の津波が発生して蒸気を妨げる。本当に上手い、ラビの指示が無くてもヤドランは独自の判断で最適な技を選んでいる、表情は何時も通りの間抜けな顔をしているのにも拘らず……。
「だが、僕にも意地があるんだよ!!ボルケニオン、届けさせてくれ、僕達の熱意をっ!!!」
「ヴォオオオオオオッ!!!!」
応よ!!そう言わんばかりに全身から蒸気を噴出させていくボルケニオン、その迫力にはヤドランも思わず左腕に右手を添えてしまう程、だがラビはそれを真正面から受けていた。ダークルギアやらネクロズマやら、ここ最近でも敵対的な伝説連中に絡まれまくっている彼からしても中々な迫力であることは認めざるを得ないが―――その程度の物だ。
「生憎、それなら俺にもある。意地があんだよ、男の子にはなぁ!!ヤドラン、シェルアームズ!!!」
「ヤドラッ!!!」
クイックドロウの起動とトリックルームの重ね技、そのスピードはミクリですら捉えきれない。ならば捉えなければいい。
「地面に向けてスチームバースト!!!」
「ヴォオオオオオオオッ!!!!!」
ほぼ真下に向けて放たれるスチームバースト、自分諸共なその攻撃は当然ボルケニオンにも直撃するのだが、特性の貯水によってダメージを自力で回復に繋げる事が出来る上に、ボルケニオンは高々と飛び上がった。その直後にヤドランのシェルアームズが地面に炸裂し回避に成功するが、ヤドランはすぐさま左腕を構えて射撃のシェルアームズへと切り替える。
「見せてやろうボルケニオン、僕達の意地を!!」
「ヴォオオオオオオオオオオッ!!!」
身体を走る麻痺、それを無理矢理にも打ち消すように叫びをあげたボルケニオン。それと同時に、全身に走っていた電撃が消え去った。ボルケニオンの根性が、ミクリと勝ちたいという思いと共に炸裂し、麻痺を打ち破ってしまったのだ。
「おい懐き効果ぁ!!!」
「いいぞボルケニオン!!」
飛来するシェルアームズの毒液弾、だがそれを各部からの蒸気噴出を推進力にして華麗に回避していく。それに負けずに何度も連発する、流石に慣れないのか、何発かは喰らってくれるが、それでも本命は確実に回避される。蒸気の噴出で空を飛ぶという行動に流石のラビも驚くが、トリックルームの影響からは逃れられない。だがそれをカバーするように蒸気で回避する、いい手段だ……だが
「素早く―――金縛り!!」
「ヤドラァッ!!!」
「ヴォオオッ!!?」
メインの水力はアームからのスチームバースト、ならばそれ自体を封じてしまえば空中に浮き続ける事は出来なくなってしまう。金縛りと麻痺、その両方を受けてしまったボルケニオンは空中にとどまる事が出来ずに落下していく。その落下地点に先回りしたヤドランは力を溜めるような構えを取りながら左腕を引いていた。
「ボルケニオン、力強く―――ヒートスタンプゥッ!!!」
「ヴォオオオオオオウウウウアアアア!!!!」
「偶然、違うねラッキーは自分で出すもんだ。猛々しく―――シェルアームズ!!!!」
「ヤッドラアアアアアアッッッ!!!!」
頭上から迫って来る流星にも似ていた攻撃、それに対してヤドランは全身の筋肉のばねを使って全力のガゼルパンチでシェルアームズを繰り出してボルケニオンの一撃に対抗する。獄炎の炎の流星と全力の一撃が激突、周囲には衝撃波が四散する中で―――それは起こった。ボルケニオンは背中のアームを稼働させて真上に向けて水を噴出させると、それを自ら纏った炎で蒸発させながらも、水蒸気爆発を起こさせて更なる推進力を得て押し潰して来た。ヤドランはそれに耐えきれずに、遂に真っ向からそれを受けてフィールドへと落着する。
「ヤ、ヤドオオオオオッ……???」
普段通りのとぼけたの顔のまま目を回しているヤドランを目の前にしながらもボルケニオンは声高に自らの勝利の誇りを上げた。自分こそが勝者、自分が勝ったと言いたげなそれにミクリも思わず笑ってしまった。
『ヤドラン、戦闘不能!!ボルケニオンの―――』
「ヴォ、ヴォオオオオオオオッ……!!」
「ボルケニオン!!?」
勝利を確認しながらもボルケニオンはゆっくりと身体を横に傾けながらも、大きな音を立てながらも崩れ落ちてしまった。審判がコールを中断してボルケニオンの状態の確認へと入る。ボルケニオンは必死に立ち上がろうとするが、途端に目を回して動かなくなってしまった。
『ボ、ボルケニオン戦闘不能!!』
『こ、これはっボルケニオンが倒れました!?な、何が起こったのでしょうぁ!!?』
「やっと効きやがったか……流石は幻のポケモンだ」
その言葉にミクリは思わずラビを見た。
「シェルアームズには毒の追加効果がある、如何やら蒸気で空中で逃げまくってる時に運よく引けたらしいな」
「毒、麻痺を直したことが裏目になったか……!?」
「いやあれはマジでビビったよ、だけど―――毒タイプを相手にするって事はこういう事だ。麻痺毒だけが毒じゃないって事さ、Do you understand?」
「クッ……参った……な、完敗だ……」
『両者ダブルノックダウン!!!BATTLE OVER!!よってこの試合、ラビ選手の勝利となります!!』
『ラ、ラビ選手再びヤドラン一匹で3匹全てを倒しました!!?なんという事でしょうか、ホウエン地方ではチャンピオンの経験もあり、トップコーディネイターたるミクリ選手を圧倒して見せました!!!これがラビ選手か、ランクバトルでチャンピオンに勝利し無敗を誇ったのは伊達ではない!!!!パルデア地方には途轍もない人がいる!!!』
『洒落にならないなぁこれ……冗談抜きで兄さんやり過ぎだろ……』
二連続の三タテ劇場、正直できるとは思っていなかったが……ミクリ対策にヤドラン採用は大成功だったという事か。直前まで原種ヤドランと迷っていたのだが……何とかなる物だ。
「フゥッ……僕に勝ったんだ、この先もちゃんと勝たないと容赦しないよ?」
「おおっ怖い怖い、トップコーディネイターが言うと迫力ありますねぇ」
「全くどの口が言うんだか……フフフッ君の盤外戦術、正直効いたよ」
「メンタルハーブ要ります?」
「おっ更にムカつくな?」
そんな軽口を叩き合いながらも二人は握手を結ぶ。互いの健闘を称えて……。
「勝てよ、次も」
「勿論です、俺達は最強ですから」
これによって次のバトルが明らかとなる。
準々決勝第一試合 シロナ VS レッド 第二試合 ナンジャモ VS ダイゴ
第三試合 サトシ VS ハッサク 第四試合 カルネ VS ラビ
この組み合わせで競われる事となる。
アンケートについてのお知らせです。準決勝からフルバトル予定です!!作者の負担やべぇなおい!!
頑張ります!!だから投票もお願いします!!
あとアンケートで第一試合がミスってますすいません‼︎シロナの前にVSは入っちゃってます。でもアンケートはアンケート自体を消さないと修正できないっぽいので削除せずにこのままで行きます。あと準々決勝でした、申し訳ありません。
PWCS本選トーナメント準決勝、貴方の注目カードは?
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第一試合 VS シロナ VS レッド
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第二試合 ナンジャモ VS ダイゴ
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第三試合 サトシ VS ハッサク
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第四試合 カルネ VS ラビ