「ラビ~取材の申し込み入ってるけど?」
「ハバネロで顔洗って出直せって言っておいて」
「失明するよそれ」
「じゃあ俺のアーマーガアに勝てたらいいよって言っといて」
「それ事実上の拒絶だろ」
第二回戦の翌日、再び戦闘準備期間へと突入したPWCS本選トーナメント。今回はいつもよりも入念にやられるらしく、前日からダイオウドウの貸出依頼が来ていた。如何やらダイオウドウの腕前がメンテナンスを請け負っている会社のダイオウドウよりもずっと上手いらしく、このままウチに就職してほしいとスカウトを受ける程。まあダイオウドウはそれを拒絶しているので、残念がっていたがこれも巡り合わせだな!!と社長は笑って自社のダイオウドウを負けない位に育てるぞ、という事で社員一同で心を一つにしていた。
「今回からは特に念入りに手入れをするらしい、何でもあの艦の設計段階じゃフィールド自体を入れ替える機構を組み込む事が大真面目に検討されてたらしいからな」
「入れ替えるって、偶にリーグである水とか草とかいうあれか?」
「いや、バトルフィールドそのものをスライドして、新しいフィールドを艦外に出して、そこから新しいフィールドを装填する方式を考えてたらしい」
「……はぁ?おいラビそれの何処か大真面目なんだ?なんか冗談だろ」
「俺もそう思う、だけどマジなんだよ。バッテリーを外部充電式にして、使う時には組み込んで使う工具とかあるだろ?それをフィールドでやろうとしてたんだよ」
「……兄さん、それ考えた人バカなの?」
「いいじゃんスゲぇロマンあって」
「あははははっ超ウケるじゃんそれ!!」
笑っているがそれが大真面目に検討される理由はこれからにある。それは―――準々決勝からは遂にフルバトルが解禁されるという事だ、ただ実質的に二試合をするという事ではない。トレーナーとポケモンによってはそのバトルだけで一日分の負荷がフィールドに掛かる事が懸念されている。艦のフィールド耐久想定はダイマックスが許可されていた大会の数倍だったのだが、業の影響なのか既に問題部分も起こっているらしく、緊急の大修繕と並行して改良が超急ピッチで行われているのである。
「まあ詰まり―――ラビ氏のせいって事だね」
「ナモ公、表出ようか、最強の害悪型で一方的に殴られる痛さと恐怖と何も出来ずに嵌め殺される絶望って奴を体験させてやる」
「OK分かった、落ち着こうラビ氏」
「お、お兄ちゃんそこらへんで勘弁して上げて……」
実際問題業は問題に大きくかかわっていると言わざるを得ない。というよりも世界でもトップ層が業を併用してコンボを決め始めると冗談抜きで艦への負担がエグいことになったりするらしい。今回の改良では観客席に展開されているバリアをフィールドの下部分にも展開して強度を上げるというごり押し的な解決策も使うとの事。
「しっかし、此処にいるメンバーで準々決勝に残ってるのが俺とナモ公、そしてカルネさんだけってのがなぁ」
「め、面目ねぇ……」
「す、すいません……」
「いや別に責めちゃいねぇよ、キバナは相手がシロナさんな事を踏まえてもしょうがない。だとしても俺的にはオニオン君は勝てると踏んでたんだけどなぁ」
「ボ、ボクも勝つつもりだったんですが……」
『セグレイブ、地面に向って力強く巨剣突撃!!そして―――冷気を流し込みなさい!!!』
『レッッイブゥゥゥゥ!!!!』
「あれは正直サトシさん的な発想したハッサク先生の勝利だからしょうがない」
「あれブライア先生から聞いたんだけど、アオイとハルトが前にセグレイブに提案した戦法だそうよ?地震の代わりに冷気をフィールドに流し込んで自分の物に出来ないかって話してたらしいわ」
「なんちゅうことを考えたんだあいつら」
地面に巨剣突撃したセグレイブは火山をも凍らせる冷気をフィールドへと流し込み、フィールドを完全に凍結させてしまい、地面を透過して隠れていたメガゲンガーを無理矢理に引きずり出してしまった。そこから早業氷の礫と力業巨剣突撃でメガゲンガーを吹き飛ばして勝利という力業を超えた力技で勝利をもぎ取ってしまったのである。
「あれは正直ハッサク先生があんな超力技に出るのが予想外過ぎた……というかアレもフィールド整備の原因の一つになってるとは思う」
「それはそう」
「オレ様もなぁ……メガセグレイブを出す事に気を取られ過ぎてたなぁ……」
「あれはクレセリアというか耐久お化けを出して来る想定が出来ないからしょうがねぇよ」
「お前あのポケモンのこと知ってんのか?」
「まあな、逆に考えてみろよ。俺はダークライに護衛されてるんだぞ?なんで悪夢とか見ない、どころかこの家に居るお前らだって悪夢に魘された事あるか?アンシャちゃんなんて毎日お昼寝してんだぞ、今だってほら」
「すぴ~……しゅぴぴぴっ~……」
「ハゥッ……うちの子、可愛すぎ……!!」
そこでは最早ラビ家の名物になり始めているアンシャがムーランドに背中を預け、ブースターを抱いてのお昼寝風景がある。ついでにそれを見て娘可愛さで親馬鹿を爆発させているカルネさん。
「そう言えばそうだね……ダークライっていえばその場にいるだけ周囲に悪夢を見せちゃうって事で有名なのにね」
「三日月の羽を使ったお守りを持ってる、こいつがあればその周辺にはダークライのナイトメアによる悪夢を見る事を封じられる」
「そんなの持ってるんだお兄ちゃん」
「ダークライをゲットした時にな、クレセリアが現れて三日月の羽をくれたんだよ。それをちょこちょこっとな」
「ねえラビ氏、ちょっと自分の旅を纏めた小説とか出版してみない?絶対売れるよ?」
「10年分の旅だぞ、何巻になると思ってんだ。あとちょっと言えない事とかあるから書かない方がいいと思う。レッドに許可取りとかしないと駄目だろうし」
「どんな旅してたんだテメェ」
「偶にレッドと悪の組織叩き潰したりした旅」
特にジョウト編とオーレ地方編なんて書けたもんじゃないぞ、と本気で思うラビであった。
「そうだわ、兄さん、あのヤドラン一体何なの?あんなに強いガラルヤドランは初めて見たわ」
「ああ、あいつ?あいつは元々マスタード師匠のヤドンだったんだよ」
「あのお爺ちゃんの?」
マスタード道場には修行の一環としてマスタードが直々に育て上げたヤドンを追いかけてヤドンから合格の証を取るという修行がある。だがヤドンと侮ることなかれ、例えロトム自転車を使っても追いつく事が難しいレベルのスピードで爆走するのである、ヤドンが。種族値に反映したら70か80ぐらいはありそうなスピードを出すのだ、ヤドンが。
「そんな中であいつだけはどんなに修行しても素早くならないってんで師匠も修行のやり方を考えてたんだけど、その時に俺が貰い受けたんだよ」
『ラビちん、この子ののんびりさ加減は筋金入りよ?どうせなら他の子を譲っちゃうよん?』
『いやこの子でお願いします、こいつの遅さは才能ですよ。それを否定する事はない、それこそが最大の長所です』
『ほっほっほっ面白い事を言うねん、分かったラビちん。そのヤドン宜しくねん』
『はい、ヤドンこれから宜しくな』
『ヤァッ???』
「っていう出会いだった」
「お前もサトシの事言えないようなゲットの仕方してんだな」
「あの人程友情ゲットはしてねぇぞ俺は」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日はゲスト付きです」
「よおっ元気か皆、ガラルのジムリーダーのオレ様キバナだぜ!!」
「おはこんハロチャオ~!!貴方の目玉をエレキネット!!何者なんじゃ、ナンジャモで~す!!!」
「本日はこのメンバーでいきます、そして今回ご紹介するのは此方」
「ジババババババ」
「ジバコイルです」
PWCS本選トーナメント準決勝、貴方の注目カードは?
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第一試合 VS シロナ VS レッド
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第二試合 ナンジャモ VS ダイゴ
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第三試合 サトシ VS ハッサク
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第四試合 カルネ VS ラビ