「えっ嫌です」
『ですよね、私の方でお断りの連絡を入れておきます』
オモダカの電話の内容はラビへの取材要請、ナンジャモにも取材は行くらしいが圧倒的に自分への取材申し込みが多いのだが……ラビはそれを即答で拒絶する。マスコミ連中が嫌いなのも取材拒否の理由の一つではあるがそれ以上にポケモン達の世話で忙しいし普通に本業の仕事の締め切りなどもあるので取材なんてやってられないのである。オモダカもだと思っていたと、言わんばかりの声だったのでそのまま通話を切った。
「良いのかよ断って、今回の取材はポケモンリーグ本部の認定を受けた記者だから他の馬鹿共と違ってまともな筈だろ」
「それは本部がそう思ってるだけだろ、俺は実際に目で見て判断しないと納得しない。俺はそういう人間だ」
「それに関しては私もそれでいいと思うわよ、まあ私はマネージャーが持って来るのを信頼してるから任せちゃってるけど」
カルネ的にもラビの意見は間違っていないと思うのでそれでいいと返答する。
「だけどラビ君、PWCS中なんだから仕事の方は配慮して貰えるんじゃないの?」
「なんか期間延長の通達は来てましたけどガン無視します。俺には俺のスケジュールあるんで」
PWCSは世界的なイベントなので依頼されていた絵の期日は延長はされているが、ラビはそれに合わせて描くペースを変動させる気は皆無。既にあるペースを弄るとモチベーションが損傷しかねないのでこうしておくのである。
「PWCSの準々決勝前に此処まで普通に仕事してる奴もそういねぇだろうな」
「趣味と仕事は切り離すのは普通では?」
「PWCSが、趣味……?」
「俺は別にここで自主的に降参しても後悔しないんだが?ただサトシさんとのバトルが公式戦でなくなるだけだから、次会った時にバトルすりゃいいし」
「お前、冷静過ぎね?」
「仮にも世界大会の準々決勝前に言うセリフではないわよそれ」
「だって本当だし」
「此処までPWCSを軽視してる人初めて見ましたよ僕」
最近俺に一人称を変え始めているオニオンが素に戻るレベルにキバナとカルネも同意した。
「それはあくまで世間一般的に認識なだけで俺の認識じゃないんで」
「ホントブレねぇなこいつ……特性マイペースかテメェ」
と言いつつも準々決勝のメンバーは既に選定済み、其方の体調管理なども良好で問題なく明日の準々決勝には出場可能になっている。地味に選定には苦労を重ねた。
「というかよくあれだけの中から選んだな」
「どっちかというと我の強い連中を抑え込む方が大変だった」
「アーマーガアの事?」
「そいつが中心なだけで俺を私を出せっていうのはいっぱいいました」
ラビのポケモン達は強いがその分極めてアクが強い面子ばかり、加えて世界大会の準々決勝ともなればきっと楽しいバトルが出来るだろうと自分を出してくれという要請が沢山来たので困ったものである。パーティバランスの兼ね合いやらやりたい事を鬩ぎ合いながら、交渉などをしてメンバーの選出を完了させた。
「キュレムとか使うのか?」
「誰が出すか、出したらあの艦が凍るぞ」
「さ、流石にそれは出せないわよねぇ……」
カルネは思わず胸をなでおろしていた。ラビがキュレムを持っている事は聞いているのだが、流石のカルネでもイッシュ地方の伝説のポケモンと戦うのは余りにもハードルが高い。まあそんな事を言ったら他にも伝説のポケモンを手持ちに入れている選手がちらほらいるのが今大会が過去最大級の魔窟トーナメントと言われる所以でもあるのだが……。
「それでも妥協はしてないから問題なく戦うだけだ」
「ふふん、私だって容赦しないわよ?」
「逆にしたら許しませんよ、一生ネチネチと引きずって会う度に言ってやりますから」
「なんでラビ君ってこう、人の精神を攻撃するのがそんなに得意なの?」
「加虐性が高い人間性をしてるからですね」
「本当にお前を敵に回さなくてよかったとオレ様思ってるよ」
そんなラビを敵に回したエクスプローラーズは物の見事に目論見を崩壊させられている、だからこそキバナの意見が極めて正しい事が実証されている。
「俺よりもレッドとシロナさんのバトルの方が余程重要じゃね、注目度的に」
「それはまあうん、第一試合でもあるからな」
生ける伝説として名を馳せるレッドとチャンピオンの中でも屈指の実力として有名なシロナ、それが激突する事はPWCS本選トーナメントではこれが初、しかも3対3ではなくフルバトル。大注目カードの一つとして戦闘準備期間にはこれを考察するという動画が大量制作され、TVでも特集が組まれる程であった。
「ラビはどっちが勝つと思うよ」
「これほど戦術予測が出来ないのはねぇなぁ……」
以前エキシビジョンマッチでは辛うじてシロナとミライドンが勝利こそしている。だが、それでも本当に紙一重、最後の最後にミライドンの序盤の攻撃が急所に当たったのがボディに来たのか、コライドンの動きが鈍くなった事でマジカルシャインが間に合って逆転に成功した。
「今回レッドはコライドンを万全に仕上げて来てるだろうし、シロナさんはシロナさんでクレセリアを確実に出すだろ。そうなると簡単にどっちが勝ちますなんて言えない」
「ラビ君でもそうなのね……」
コライドンミライドンなんてトップ環境に座ずるようなポケモンをチャンピオンの手持ちに組み込んでみろ、それ単体でもエグい性能を発揮する。だが何方かと言ったらマッチしているのはレッドのコライドンの方だろうか……彼方ならリザードンにフシギバナでいい感じにマッチする筈だ。
「さてさて、遂に準々決勝か……フルバトルは久しぶりだな……」
次回、第準々決勝編をスタートします。
PWCS本選トーナメント準々決勝、貴方の注目カードは?のアンケートの結果は
1位:第一試合 VS シロナ VS レッド 554票
2位:第二試合 ナンジャモ VS ダイゴ 533票
3位:第四試合 カルネ VS ラビ 383票
4位:第三試合 サトシ VS ハッサク 78票
となりました。皆様のご協力ありがとうございます。予想以上に第一と第二が熾烈なデッドヒートを引き起こしておりまして、どっちになるんだと思っておりました。だけど第三が想像以上に凹んでてビックリしました。流石レッドさんとシロナさんやでぇ……。
だけどこれ、相対的にナモ公の人気もエグいですな。ダイゴさんファンってもしかして想像以上に多かったりします?
さて、書くのは第一試合―――と行きたい所ですが、第二試合が想像以上の人気ぶりですので……まあ大変なのは作者だけですので、まあうんはい……第二試合も書きます。フルバトルになりますから、多分すげぇ長くなると思います。そこだけはご容赦ください。
ホントこの作者って考えなしでやるよね。 まあ好きでやってるんですが……という訳で、次回はPWCS:準々決勝 レッド VS シロナ、をお送りします。それでも皆様、お楽しみに!!
PWCS本選トーナメント準決勝、貴方の注目カードは?
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第一試合 VS シロナ VS レッド
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第二試合 ナンジャモ VS ダイゴ
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第三試合 サトシ VS ハッサク
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第四試合 カルネ VS ラビ