週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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PWCS:準々決勝第一試合 シロナ VS レッド 7th

「マジで何やってんだよあの人」

 

控室でそんな言葉を呆れ返ったように吐き出したらラビは画面の中で熾烈な殴り合いをしているルカリオとコライドンの対決を見ているのだが……明らかにコライドンがコライドンの域を凌駕している。コライドンが出来るのはあくまで滑空、大ジャンプで高度を稼いでそこから風に乗って長距離を移動する程度の筈なのに……明らかに翼で羽ばたいて空中で更に高度を稼いでいる。

 

「特殊個体ばっかいる俺が言える台詞じゃない事は自覚してる、だがいう、アンタ一体何なんだ」

「ホントラビが言える台詞じゃないね」

 

コライドンは連続でパンチを放っていく、それを寸での所で回避していくルカリオ。波動を全開にして、それにコライドンが触れるとそこから逆算して軌道を予測して避けるのだが……コライドンのスピードも尋常ではない。単純にパンチやキックなどの攻撃の溜などがなく、ほぼほぼノーモーションで攻撃が飛んで来るのでルカリオですら回避に必死になっている。

 

「ルカリオのような波動を扱うポケモンにとって何の変哲もない唯の攻撃、それですら予測を常に超えて来る攻撃を放ち続けて来る。こいつは厄介だな……」

 

言うなればルカリオは波動を扱う武道家、その武道家が何の心得にも属さない原始的な暴力に反撃の手立てを組み立てる事が出来ずに回避に徹している。これはルカリオにとっては屈辱的だ。

 

『クォンンッ……!!!』

『完璧に躱してダメージが入る……風圧、いえ拳圧……数段上をいかないと本当の回避とは言えないって訳ね……』

 

『素早く―――ビルドアップ、更に上げていくぞ』

『ギャアアアアアアアアアアアアッスッ!!!!』

 

『悪龍の波動!!!』

『ルウウウウウラァァァッ!!!!』

 

両手からそれぞれ悪の波動と龍の波動を出しながらもそれを手を合わせて混合、同時に放つ事で波動の相互作用で威力を上げて放つ、だがそれすらも太古の暴力を一撃のもとに相殺される。ルカリオは顔を歪めながらも、悪辣な言葉を吐き捨てながらも放った一撃がコライドンの顔面に炸裂させる、その際に僅かにコライドンが揺れた事に、更に心が揺れた時、コライドンの尾が叩きつけられて吹き飛んでしまった。

 

「今、ルカリオの動き止まらなかった?」

「流石カメラマン、瞬間瞬間の審美眼は流石だな」

「まね、それで何で止まったんだろ?」

「そりゃお前……これまで自分の技巧の全てをつぎ込んだ技が通じなかったのに、何の技でもない拳が相手の根底に届いたんだぞ……そりゃ今の自分を全否定されたような気分にもなるだろ」

「あ~……」

 

格闘タイプの中でも技巧派、何か一つのテーマを極めようとしているポケモンにはよくある現象、超えるべき壁にぶち当たった瞬間とも言われている。エビワラーならパンチよりもキック、サワムラーならばキックではなくパンチで、其方の方が効いてしまった際に自分は此方も強いのかと自覚し新たなステージに上がる個体もいれば、これまで自身の誇りとしていた物よりも、其方の方が有効だと分かってしまうと精神的に揺らいでしまう。自らのアイデンティティにも深く根差す問題。ポケモンに対する心理学でもこれを如何に癒して次に繋げるかが重要視されている。

 

『アクセルブレイク!!!』

『ギャアアアアアアアアアアアッ!!!』

 

『ルカリオ波動全開よ!!!今の貴方の全力を叩き付けなさい!!!後悔なんて後で幾らでも自身の糧に変えられるわ!!!』

『ルウウッオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!』

 

波動を全開にした波動弾、いやそれを拳に宿らせての渾身のパンチ。それはコライドンのアクセルブレイクと拮抗したが、足元までもが削られていく壮絶な一撃に足元が不安定になった事でルカリオは遂にアクセルブレイクを受けて倒れてしまった。

 

「これでシロナさんは最後の一匹か……」

「最後ってなると、やっぱりガブリアスなのかな」

「だと思う。クレセリアみたいに強力なポケモンをゲットしてないとも限らないと言えばそうだけど……それよりもずっと一緒にやって来たガブの方が勝算が高い。だけど……」

「だけど?」

「何だろうなぁこの感覚……妙な感覚がする」

 

プラターヌから数多くのメガストーンを受け取っているからだろうか、それともそれらが暴走メガシンカによるメガストーンからだろうか……ラビはメガシンカの波長のような物を感じ取れるようになっていた。波長と言ってもメガストーンとキーストーンの双方が無ければ感じ取る事が出来ない類の物。そしてそれをシロナから感じる、メガガブリアスを使うつもりなのだろうか……。

 

「……俺なら使わない、使うならバンギラスを組み込んだパーティで使う」

 

ガブリアスはメガシンカしない方が強いと言われるポケモンの代表例だ。スピードを削ってパワーに振ったというのは酷く似合う、自分だったらバンギラスと可能ならば加速バトン要因を組み込んで運用すると思う……

 

「そんなシロナさんがメガシンカを―――……?」

 

 

「天空に舞え、ガブリアス!!!」

『さあシロナ選手は最後の一体です、レッド選手は3体、これを引っ繰り返す事は出来るのかぁ!!?』

『やっぱりラストはガブリアスか……!!シロナさんと言えばガブリアスだからなぁ……』

 

最後の一体となったガブリアス、ここまで追い込まれたのは何時以来だろうか……だけど、こんなにもワクワクしているのも久しぶりだ。追い詰められているというのにドキドキとワクワクが止められない。そして自分はこの切り札を切る……全てをここで出し切る、それでこの人に勝てるならば本望という物だ。

 

「行くわよガブリアス、準備は良いわね!!」

「ガアアブッ!!!」

 

そう宣言するとシロナの懐にあったキーストーンが輝きを放つ、口紅へと埋め込まれていたキーストーンが七色の輝きを放ち、ガブリアスが装着していたメガストーンが黄金に輝くが、それは即座に変化、青黒いドラゴンタイプの光へと変貌していく。

 

「メガシンカっ!!!!」

「ガアアアアアアブァァァアアアアアッ!!!!」

 

進化の繭を突き破り、そこに生誕せしはメガガブリアス。だがその姿は―――竜人というべき姿となったメガガブリアスとは異なる。元のガブリアスの身体的特徴を色濃く残している、だが両腕の鰭はより大型化し、頭の突起に飛行を補助する補助翼のような物が追加されている。

 

「過去を紡ぎ、今を語り、未来へと舞う……三世を飛翔せよ、ガブリアス!!!」

「ガアアアアアアアアアブァァァァァ!!!!」

 

「面白い……コライドン、最高の相手が来たぞ」

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアスッ!!!!」

 

 

To Be Continued……!!




現在の状況

シロナ       レッド
×ミカルゲ     ×ピカチュウ
×トゲキッス    ×オオニューラ
×ミライドン    ×プテラ
×クレセリア    コライドン
×ルカリオ     ?
ガブリアス     ?
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