週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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PWCS:準々決勝第一試合 シロナ VS レッド 8th

『こ、これがメガシンカ!!!で、ですが情報にあるガブリアスのメガシンカ態であるメガガブリアスとは明らかに異なっている姿です!!このようなメガシンカは、前例がない!!!』

『おい兄さんアンタこれ知って―――『る訳ねぇだろ俺だって知らねぇよこんなの……だが、複数のメガシンカ先を持っているポケモンはいても可笑しくはない。リザードン見てみろ、そういう事として捉えろ、今ある状況を受け入れろ』

 

思わずラビへと連絡してしまったラバイだが、肝心のラビもこればっかりは完全なノータッチ。プラターヌから預かったメガストーンの中にもなかったし、自分もメガガブリアスにするメガストーンは持っているが、こんな進化は齎さない。

 

「シロナ、それを何処で?」

「ウチの家宝です、PWCSに挑むにあたって実家に帰って蔵を漁ってみたら、多分先祖が見つけて綺麗な石だから保管してたんだと思います」

 

そう、これは過去からの贈り物……自分の祖先にあたるであろうショウが未来に向けて当てた宝物の中にこれは眠っていた。ショウの日誌を読み込んでいる時にとあるページに当たった。それはヒスイの北部、シンオウ地方で言う所のキッサキシティ辺りの純白の凍土、そこに居を構えるシンジュ団の元へと向かっている時の記録。

 

―――ガブリアスが何かを発見して、持って来たのは変わった石だった。手のひらに収まってしまう程度の小さな石だけど、不思議な色合いをしていて……私には生憎縁が無かったけど、これはメガシンカに必要となるメガストーンという奴なのだろうか?凄い値段だったのだけは覚えているけど……それを確かめる為のキーストーンもない、だからこれは大切にしまっておくことにした。ガブリアスもそれに賛成なのか、そうする事にした。もしかしたら……私の子供の子供、そのまた子供の役に立つかもしれないし

 

「(ええ、立派に役に立ってるわよ―――ショウ)」

 

その記述を見つけて、シロナは早速実家のカンナギタウンまで戻ると実家の蔵を整理しながら探してみると……小さな木箱に大切に収められていたそれを見つけた。それこそが……ガブリアスに、新たな次元の進化を齎すメガストーンだった。

 

「行くわよガブリアス!!」

「ガアアアブァ!!!」

 

その言葉の直後、ガブリアスの姿が掻き消えた。コライドンは咄嗟に身体を斜めに落としながらも身体を右へと傾けた。そこを一つの線が通り過ぎ、周囲に凄まじい爆風を齎す。それを見たレッドは思わず目を丸くした。

 

「……速い、それに、これは……」

「ギャアアス」

 

コライドンも同意するような言葉を口にしていた、その身体に明確に傷が入っている。ビルドアップで上昇している筈の防御を貫通した上でこの傷……圧倒的なスピードは攻撃へと化ける。それを見事に体現してきている……だがレッドは口角を持ち上げていた。

 

素早く―――ビルドアップ

ギャアアアッ……!!

「下手に飛び回るな、意識を集中しろ」

「ギャアアッ」

 

「(これよね、即座に対策を講じて来る……)」

 

シロナはレッドの判断に舌を巻く、仮にも高速移動を積んでいる状況で防御を固めて下手に動かない。メガガブリアスで得たスピードから逆算してコライドンでは絶対に追いつけない事を察して、次の手段を考えてきている。

 

「ガアアアブァァ!!!」

「ギャアアッ!!!」

 

メガシンカしたガブリアスの飛行能力は著しく上昇している、元々マッハで飛び回れるそれ自体が脅威とされるガブリアスの飛行能力向上は大きなメリット。ただ飛び回り、突撃するだけでもギガインパクトクラスの破壊力を出す事だって出来る、だが―――今、コライドンは守りを固めて、その攻撃を確りと受け止めてみせた。

 

「よし、次は―――後ろ!!」

「ギャアアッッ―――スウウッ!!!」

「ガブァッ……!!」

 

コライドンは素早く跳躍してガブリアスの攻撃を回避する、反転して今度は別角度から襲い掛かるにも拘らず、それを真正面から受け止めて完全な防御を実現した。たった数度の攻撃で、完全に、ガブリアスの攻撃への対応をしてみせた。

 

「コライドン、完全に視界を委ねろ。それ以外の感覚に集中しろ」

「ギャアアアッ……!!」

「よし、行け!!」

 

駆け出すコライドン、コライドンの速度は決して遅い訳ではない。というよりも寧ろ速い、ガブリアスのようなマッハを出せないだけで空中戦でも一級品のスピードを出せる、そのコライドンは駆け抜ける、フィールドを走る。それを見つめるガブリアスはシロナの指示を待つ、どうすると言わんばかりに瞳を鋭くする。

 

素早く―――悪巧み!!力強く―――流星群!!!

ガアアアッ―――バアアアアアアアアアッ!!!!

 

高速で飛び交いながらも空へと撃ち放たれた光は無数の流星となってフィールドへと降り注いでいく、だがその密度が余りにも異常の一言。ギッシリと敷き詰められた散弾が撃ち放たれたと誤認する程に流星が視界いっぱいに溢れかえっていた。

 

「コライドン、素早く――剣の舞、力強く―――ドラゴンテール!!

アギャッ!!アギャギャギャギャギャギャ!!!!

 

その場で回転しながらもドラゴンテールを発動させるが、力業の影響かコライドンの本来の尾を3回り程は巨大になったその尾で降り注いでくる流星群を打ち返していく。

 

「くっガブリアス、回避して!!」

「ガバァッ!!」

 

更に打ち返した流星で他の流星を打ち砕きながらもその破片で他の流星にもダメージを与えつつもガブリアスへのダメージを狙う。それに気づいたのかガブリアスはUFOのような軌道でそれを潜り抜けながらも今度は無事な流星と共に突撃を敢行。

 

「ギャアアアッ!!!」

 

先に降ってきた流星をガブリアスへと向けて放つ、だがガブリアスは一切動じる事もなくそのまま突撃していく。

 

「そこよ―――ドラゴンダイブ!!!」

「ガアアアアアアアアアバアアアアアアアアッ!!」

 

身体から放出されるドラゴンタイプのエネルギー、それらが流星群と一体となりながらもコライドンへと向かっていく。サトシのカイリューが自ら流星群と共に突撃するというカイリュー星群からヒントを得て、そこにガブリアスのドラゴンタイプを加えた強化版として投入してきた。

 

「いいじゃん、そういうの―――だったら、これだよ」

 

そう言いながらもレッドは、無造作に何かを投げた。それはコライドンを包み込み光で満たした、そう、テラスタルオーブだった。発現させたのはドラゴンテラス、そのまま胸の浮袋を一気に膨らませると口から青白い炎が漏れた。

 

「ぶちかませ、力強く―――テラバースト!!

ギャアアアアアアアアアアアアア!!!!

 

正しくドラゴンブレス、それでドラゴンダイブと流星群の合わせに対抗するというレッドとコライドン。だがガブリアスも覚悟を決めたと言わんばかりに真正面から突っ込んでいく、その瞬間に、世界から色が失われたかのような光が満ちて、フィールドを満たしていく。その中心にいたガブリアスは歯を食いしばりながらもドラゴンダイブを継続するが次々と砕けていく流星群を見ながら、ある決断を下す。

 

「ガアアアアアアアアバアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

ガブリアスの雄叫びと共にその光が弾けて、艦を飲み込むような巨大な爆発が発生する。爆発で艦は揺れる、その中でもレッドとシロナは微動だにせずにそれを見届ける。

 

『い、一体何が起きたのでしょうか……コライドンとガブリアスは……!?』

『あそこだ……』

 

ラバイの言葉の先、フィールドに未だ健在のコライドンと膝を突きながらも荒い呼吸をするガブリアス。だが直後にガブリアスのメガシンカが解除されてしまう、これに審判は戦闘不能なのか!?と思ったが、ガブリアスは立ち上がってファイティングポーズを取った。

 

『ガ、ガブリアスまだ立ちます!!メガシンカが解除されても戦闘続行の意志を崩しません!!』

『あのメガシンカ、もしかしたら時間制限があるのかもしれませんね。その分強力ですが、自らの意志で保持し続ける事が出来ないのか……』

 

ラバイの言葉通りだとシロナは思う、このメガシンカは従来のメガシンカよりも強力で常に早業級の初動の速さがあるし業も強力になり易い、だが……その分明確な時間制限が付き纏う。通常ならば戦闘の意志がある限りは解けない筈のメガシンカ……それが自動的に解除されてしまう。

 

「(だけどコライドンにも大きなダメージは見えている……!!)」

 

これまでのダメージの蓄積が顕著なコライドン、あと一歩、あと一歩で倒せる……もう自分に迷いはない、ここで全てを出し切る。此処で全てを飲み込む……!!そう思いながらもテラスタルオーブを握り締める。

 

「行くわよガブリアス!!三世十方、時の空間の加護を貴方に!!」

「ガブァァァアアアア!!!!」

 

発動されるテラスタル、輝きの結晶がガブリアスを包み込み、テラスタルが顕現する。顕現するテラスタルはドラゴン、これで条件は五分と五分、まだまだ勝負はこれから。

 

「此処からはアドリブよガブリアス!!素早く―――剣の舞!!力強く―――ドラゴンクロー!!

「面白い―――!!素早く―――ビルドアップ!!力強く―――ドラゴンクロー!!

 

互いにドラゴンテラスを輝かせながらもドラゴンクローを発動、一気に距離を詰めて、互いの龍の爪をぶつけ合う超接近戦を開始。それぞれが狙うはお互いの急所のみ、隙さえあれば喉笛を喰いちぎらんとする荒々しいバトルが開始されるが、お互いの狙いを看破しているかのようにあと一歩が命中せず、決定打にならない攻防が続いていく。

 

「ギャアアアアアアアアアアア!!!!」「グウウガアアアアアアアアア!!!!」

 

そこで行われているのは極めて原始的な攻撃性を剥き出しにしたバトル、龍の爪がぶつかり合って木霊するのは龍の咆哮。そして刻み込まれる龍の息吹。

 

「此処は堪えるしかないわ!!」「我慢比べなら負けん!!」

「「ドラゴンテール!!」」

「「グウオオオオオオオオオオッ!!!!」」

 

この領域、極まった状態になればトレーナーとポケモンは一心同体と同義、それぞれの視界にはポケモンが見ている物がそのまま反映される。互いに拮抗するこの状況を打破しようと指示も同一。しかしそれが勝敗を分ける分水嶺となる、尾の一撃がぶつかり合って互いを吹き飛ばす。距離が取られるならば次は―――

 

素早く―――悪巧み!!力強く―――流星群!!!

素早く―――嫌な音!!力強く―――テラバースト!!!

 

流星群とテラバースト。降り注いでくる流星群へと突撃していくコライドンはそれらを一瞬で砕き切ると天からガブリアスを見下ろしながらもその瞳を鋭くした。ガブリアスは天に舞うコライドンを睨み付けながらも声を上げた。

 

「「次で決めるぞ!!!」」

 

猛々しく―――ドラゴンダイブ!!!

ガアアアアアバアアアアアアアッ!!!!

 

猛々しく―――テラバースト!!!

ギャアアアアアアアアアアアアアアアッスゥゥゥゥ!!!!!

 

天は自分の物だと叫びながらも自らの全てを放出しきるようなエネルギーを纏いながらも地上を疾駆するガブリアス、それは空へと飛び出した瞬間にマッハへと到達、ソニックブームを巻き起こしながらもコライドンへと向かう。コライドンは自らの得意技であるアクセルブレイクのように体を丸めながらもドラゴンテラバーストを発動させ、その全身にドラゴンエネルギーを纏いながら突撃した。極まった技の一撃同士、それが激突するとエネルギーは逃げ場を求める、というよりもその余波すらも争うかのように、お互いを喰らおうとする龍のように天へと昇っていく。

 

一瞬の静寂の後、晴天であった筈の空が陰る。コライドンの特性が時間切れを迎えたのか、それとも力尽きた故のパワー切れなのか……その答えは……フィールドにあった。

 

「ギャ、ギャアアアスッ……」

「ガ、ガァバアアアア!!!……バァッ……」

 

身体を揺らし膝を突くが、支えきれずに崩れ落ちるコライドンを前にガブリアスは世界に向けて勝鬨を上げるが……その勝鬨を最後にガブリアスも、崩れ落ちた。

 

『コライドン、ガブリアス、両者戦闘不能!!シロナ選手、残りポケモン0!!BATTLE OVER!!よってこの試合、レッド選手の勝利となります!!』

『け、決着がついたぁぁぁぁぁ!!!壮絶なバトルの終わり、終焉です!!ガブリアス、遂にコライドンを撃破するも此処で力尽きた!!!よってレッド選手が準決勝へと駒を進めます!!シロナ選手を持ってしても、メガシンカをもってしても、レジェンドチャンピオンマスターを止める事は出来ませんでした!!ですがこのバトルもまた、ポケモンバトルの歴史に刻み込まれた事でしょう!!!!』

『本当に、凄い……言葉で言い表せない程に、凄いバトルでした……!!』

 

「有難うガブリアス、最高のバトルだったわ……負けちゃったかぁ……悔しい、悔しいなぁ……」

 

そんな言葉を繰り返しながらもシロナの表情には後悔はないと言えるほどに清々しい物で染まっていた。悔しいと口にするが、実際は負け惜しみのそれに近く、レッドの勝利を誰よりも祝福している。何故かと言われれば楽しいバトルが出来たからだ。

 

「コライドン、良く粘った。リザードンも褒めてるぞ」

「ギャ、ギャアアッ……」

「ああ、このまま勝ち抜くぞ……頂点をもう一度極める為に」

 

準々決勝第一試合、シロナ VS レッド

勝者 レッド




……素直に倍掛かっとる……あれこれ、単純計算であと16話使うって事じゃね?
……脳溶けそう。
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