週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:根性空元気輝石リングマ

「どうしたのラビ、なんか顔色悪くない?」

「ああなんか、夢見が悪くてなぁ……変な夢を見るというか悪夢を見るというか……」

 

共に住んでいるという事からか、朝食やらの家事は交代交代で行っているのだが今日は珍しくラビが起きるのが遅かったのでサザレが朝食を作った。サザレとしては住まわせて貰っているのだから毎日作っても構わないのだが……それ以上にラビが寝坊する事が酷く珍しかった。

 

「悪夢ってどんな夢見たの?」

「なんか暗闇の中で誰かが俺を呼ぶ声がするんだよなぁ……その光はだんだん近づいてくるんだけど、ディアルガとパルキアの声が聞こえたと思ったら凄い勢いで引っ張られて……それでサザレの声が聞こえてそっちに手を伸ばしたら目が覚めた……」

「ディアルガ様とパルキア様の声って……何かがラビに干渉しようとしてるのを抑えてくれたとかなのかな」

「だとしたらその相手はとんでもない相手って事になるけどなぁ……」

 

考えられる相手は二体、一方はシンオウ地方の最後の一柱たるギラティナ。ギラティナは相当な暴れ者であったが故に破れた世界に追放されたとされている。そのギラティナがタイムマシンの一件で兄弟とも言えるディアルガとパルキアが干渉した自分に興味を示したのかもしれない……それならばまだいいのだが、もう一方は本当に勘弁してほしい。

 

「ダークライって事はないよね?」

「それはない、こいつがあるからな」

 

そう言ってラビは首から下げているペンダント型のロケットを取り出した。それはまるで三日月のような形をおり、そこには三日月の羽という悪夢を払う力がある羽が使われている。この羽がある限りダークライの力で悪夢を見るなんて事は有り得ない。

 

「そもそも、ダークライの力が原因だとしても俺はあいつを責めるつもりはない」

「うん。ダークライが意図してやってる事じゃないもんね」

 

ダークライは眠っている相手に悪夢を見せる力がある、がこれはダークライが制御出来ない力でもあり、月が出ない夜にはダークライによって悪夢を見るという弊害が生まれてしまっている。

 

「んじゃ一体何が……?」

「さあな……あっそう言えばなんか、真っ暗だったけどなんか月みたいなのが見えたな……」

「月?」

「ああ、何て言えばいいんだろうな……赤い月……」

「赤い月!?」

 

思わず、サザレは思いっきりテーブルを叩きながら身を乗り出させた。

 

「そ、それって満月だった!?本当に赤い月だった!!?」

「お、おいお前ちょっと落ち着け……!?」

「おっお願い思い出して!!私が今撮りたいって思ってるポケモンかもしれないの!!」

 

身を乗り出して自分の肩に手を置いて真剣な眼差しで此方を見つめて来るサザレに何とか思い出そうとするのだが……ラビはハッとした。

 

「言われてみたら、満月……だったな。真っ赤な月だ……」

「や、やっぱり!!じゃあ本当にラビも見たんだね!!?私も見たんだ、赤い月の前にポケモンが吠えてる夢!!」

 

その言葉に益々興奮してしまったのか、サザレは大喜びをするのだがラビは視線をそらした。

 

「んもうどうしてそっぽ向くの!?私真剣なんだよ!!絶対に撮りたいって思ってるの!!」

「わ、解るよそれは……で、でもお前、その……ち、近い……」

「へっ?」

 

何故ならば……今のサザレは寝起きの為か軽装、タンクトップである為にラビは至近距離でサザレの胸を見てしまった事になる。が、それを見てサザレはははぁんと言いたげな顔となった。

 

「ふ~ん、シャッターチャンスを逃すなんてラビも助手としてまだまだだねぇ~」

「バ、バカ!!お前もっと自分を大切にしろ!!まったく、そんな無防備だから俺は心配なんだろうが……」

 

大きな声でワザとらしく御馳走さま!!と述べるとそのまま食器を片付け始めてしまった、そんな姿を見つつもサザレは朱がさした頬に手を置きながらそっと言った。

 

「君にしかしないよ、こんな事は……♡」

 

そして小さく、もう少しかな……と呟きながら首から下げているラビとお揃いのペンダントを揺らした。

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日ご紹介するポケモンさんは此方」

「グマアアアアアアア!!!」

「はい、リングマさんです」

 

・うわあっ出た!?

・タ、旅の途中で何度出くわした事か……。

・ク、クマだぁ!!

・迫力あるなぁ……。

・なんか、怖がる人多いな。

 

「リングマさんはノーマル単タイプのポケモンさんです。さて、今回はリングマさんに対する諸注意もしておきます。リングマさんはかなり凶暴な性格をしているポケモンさんです、旅をしている最中に出くわして追いかけられたという方も多いのではないでしょうか?」

 

・追いかけまわされました……

・群れで包囲されました……

・群れが気合玉ぶっぱしてきました……

・ちょいちょい何で生きてんだって人いね?

・マジでこわ……。

 

「脅すつもりはありませんが、ポケモンさんは多種多様で簡単に人に慣れるポケモンさんばかりではありません。中には相容れないポケモンさんもいます。リングマさんは縄張りに入った相手への容赦は皆無でその鋭い爪や怪力を活かした攻撃を仕掛けてきます、木の実を探して木を登る事も得意で高い所に逃げれば安心という訳でもありません」

 

・ひえええ……

・クマポケモンっておっかないなぁ……。

・キテルグマとかもやべぇからなぁ……。

 

「基本的に縄張りである森の中を徘徊して生活します、彼らの縄張りには爪の跡などが残されているのでそれで判別が可能ですので注意深く行きましょう。さて、怖い事ばかり言いましたがリングマさんは敵がいない時はかなり気だるげな様子で過ごしますし家族のヒメグマと仲良く過ごす姿も見られます。そして認めたトレーナーの指示には極めて従順に従います、その圧倒的なパワーで敵を屠る矛となってくれます」

 

・そんなに怪力なのか……

・実際トレーナーでもリングマ連れてる奴って大体強いもんな……

・つうかこいつマジでケッキング並みにやばいと思うんだよ

・能力的な意味でな。

・実際強い。

 

「はい、リングマさんの攻撃力はあのガブリアスさんやカイリキーさんと肩を並べる程という凄まじさですからね。特性は、相手から逃げる速度が上がる速足、そして夢特性が緊張感です。が通常特性は根性という物があります」

 

・こ、根性?

・何、いきなり精神論?

・い、いや確か根性って相当にやばい奴だった気が……

・ほらあれだよあれ、なんだっけとあるワザとのコンボがあるって話があった気が……

・あ~何出てこんのや!?

 

「根性は状態異常、麻痺や毒、火傷状態になっている時に攻撃力が上昇するという特性です。因みに速足は麻痺状態では素早さが下がらず、状態異常になると素早さが上がるという物です。この上がり幅がとんでもなく、私調べでは1.5倍程度は上昇していますね」

 

・1.5だぁ!!?

・なんちゅう上がり幅ぁ!!?

・えっどの位凄いの?

・十万ボルトが雷以上の火力になる。

・何それやっべぇ!!?

 

「ですので相手が状態異常を得意としているポケモンの相手にぶつけて意図的に根性を発動させることでそのパワーで全てを粉砕するという戦術もありますね。更に空元気という技もあります、この技は状態異常になると威力が上がるという物です」

 

・出たアオキさんが使ってたやつ!!

・ああ、社会人の得意技って言ってたやつ!!

・なんか物悲しいなおい……

・えっノーマルタイプだよね、じゃあタイプ一致が乗るやん!?

・えっどういう威力になる!?

 

「そうですね、まずタイプ一致の威力上昇が1.5と言われていますからそれに根性の1.5、空元気は約2倍の威力上昇と言われてますので……4.5倍になりますね。此処にテラスタルが乗ったとしたら……ああ、考えたくない……」

 

・ファーwww

・頭爆発しますよねこんなのwww

・反動で動けなくなるのをロマン砲とか言うけどそれ以上やんけwww

・誰も受けられんわこんなのwww

・笑うしかねぇwww

 

「まあ態々此処までしなくても剣の舞を覚えますのでそれで威力上昇を狙うのも堅実で良いと思います。私はビルドアップで防御にも対応出来るようにしてます、そして此処で更なる情報を一つまみ提供します」

 

・いやもうお腹いっぱいっすwww

・これ以上何が来るんだよ

・もう驚かない自信あるぞ

・ほんまそれな。

・もう大概のことじゃ驚かねぇ自信あるぞ

 

「実はリングマさんには進化の可能性があります」

 

・はっ?

・はっ?

・すでに進化してませんでしたっけ?

・ヒメグマから進化してますよね?

・いやいやそれはない。

 

「マジなお話です、以前リングマさんに間違えて進化の輝石という道具を渡してしまった事があったのですが、この道具は進化前のポケモンに持たせると防御と特防が上がるという物なのですが……持たせる前よりも格段に防御性能が向上したのです。そしてシンオウ地方のナナカマド博士に言わせると、かつてシンオウ地方がヒスイ地方と言われていた頃にはガチグマというリングマの進化形がいたそうなんです。ですので進化の輝石が適用されたという事です」

 

・えっマジなん?

・ナナカマド博士が証明してるのか……

・ぜ、前言撤回、驚きました……!!

・マジかリングマ進化すんの!?

・え、今より強くなんの?

 

「問題はその進化条件が分からないという事です、レベルの進化ではなく恐らく進化の石などと同じで道具を使った場合による進化だとは思うのですが……ナナカマド博士もその辺りの解明を目指しているとの事です」

 

・いや、凄い面白い話聞けたなぁ!!

・リングマの進化の可能性と根性のロマン戦術、そして進化の輝石と

・盛りだくさんだったな!!

・いやぁ面白かった!!

・というかこの話、ポケモン研究的な意味でもスゲェ発見なのでは?

 

 

配信を閉じた後、ラビは丁度満月を見て瞳を輝かせるリングマを見た。その瞳は郷愁に満ちていた。進化の可能性をあの満月に向けているのか……そんな思いに更けていると隣にサザレが座って肩に頭を預けてきた。

 

「進化出来るといいねリングマ」

「そうだな……その朝言ってたポケモン、それが分かれば可能性が開けるかもな……なぁサザレ、そのポケモンを撮りに行くなら、俺も一緒じゃダメか?」

「何言ってるの、私の助手は君、だけだぞ♪」

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