フィールドへと出たウーラオスは演武を行いながらも状況を確認する、ボールの中でも十分すぎる程の外の状況は把握出来る。フィールドに展開されているのは一回分のまきびしのみ、毒びしもあるにはあるが……毒にするには足りなさすぎる、ステルスロックは全て破壊されて機能しない……成程、あいつが整えたフィールドがこのありさまか……
「ベアアアアアアアアクァァァアアア!!!!」
片足を上げ、片腕をガチゴラスへと向けて片腕は曲げる。独特な戦闘態勢を取りながらもウーラオスは闘気を纏った、ガチゴラスはそれを見て即座に威嚇の声を上げる。あれはとんでもない強敵だという事が分かったのだろう。
『NEXT BATTLE ウーラオス VS ガチゴラス!!3、2、1……BATTLE START!!』
「素早く―――龍の舞!!力強く―――雷の牙!!」
素早く飛ぶカルネの指示を受けて龍の舞の体勢に入るガチゴラス、このまま即座に完了させて攻撃に移ろうとするのだが―――
「素早く―――アクアジェット!!!」
それよりもずっと早く、懐に飛び込んで来たウーラオス。そのまま振り上げた蹴りがガチゴラスの顎を捉えて大きく上へと弾き飛ばした。そこはバンギラスが冷凍パンチを発動させた部位、今ガチゴラスの身体を蝕むダメージの根源、そこを的確に蹴り抜いた為にガチゴラスは想像以上のダメージに震えていた。そして直後に空中で体勢を変え、身体を捻っているウーラオスが目に入る。そして彼は小さく言った。
「"どうだ、俺の家族は強いだろう"」
「力強く―――アイススピナー!!!」
「ベアアアアアアアアアアアクァ!!!」
高速スピンを始めたかのような高速回転を行いながらもその勢いで空気中の水分を集めつつもそれを急速に冷やす事で氷を生み出し、遠心力を使って伸ばした足にそれを集めて、渾身の廻し蹴りを同じく顎へとヒットさせた。
「ラァッスァァ……!?」
的確に、そして正確、尚且つ容赦する事なく叩き込まれる連撃は急所を捉えていた。しかもそれはガチゴラスの持つ生来の急所などではない。バンギラスのバトルで生まれた急所を捉えた、並大抵の事ではない、偶然ではなくフィールドに立った瞬間にそれを見抜いて的確に抉って来た。
『ガチゴラス、戦闘不能!!ウーラオスの勝ち!!』
これが、ラビが三馬鹿と呼ぶトリオの一角の実力、馬鹿とこそ呼ばれるがその実は気性難四天王にも引けを取らない戦闘狂どもである。特にウーラオスとルカリオの二匹は普通にとんでもない馬鹿垂れだとラビが言っていたが……あれはこういう意味合いも込みなのか……とすら思いたくなる。
「ガチゴラス有難う、ゆっくり休んでね」
これで自分は手持ちの半分が戦闘不能、残りは3匹……バンギラスの打倒で少しは状況を好転させる事が出来たと思ったが、そうでもないらしい。だとしても引く訳にはいかない。
「行くわよ、パンプジン!!」
「パンンプウップップウップ!!」
次はパンプジン、ウーラオスは水と格闘タイプだと聞いた。ならば草とゴーストタイプのパンプジンは分かり易い天敵として機能する筈だ、だがラビの顔色は変わらない。これまでどんな揺さぶりを掛けてもあの顔はそこまで崩れないポーカーフェイス、如何切り崩して行こうか……。
『NEXT BATTLE パンプジン VS ウーラオス!!3、2、1……BATTLE START!!』
「素早く―――挑発!!力強く―――剣の舞」
「早速やってくるかっ……素早く―――ムーンフォース!!力強く―――影打ち!!」
早速此方の変化技を封じて来るラビ、直近の配信でパンプジンの事をやって煽って来たのが本当に憎たらしい。パンプジンの事を自分以上に知り尽くしている、自分が覚えるとは知らない技まで、惜しげもなく教えて来たあのヤングフェイスが本当に憎たらしい。だが変化技が使えないならばとムーンフォースと影打ちの両面で攻撃する、ムーンフォースは威力こそ落ちるが、効果抜群で炸裂し、そこで威力の上がった影打ちが襲い掛かる。
「ゥゥゥゥウウウウウッ……!!」
「パ、パプププッ……!?」
ムーンフォースと影打ちを喰らっているが、全く衰えぬ覇気にパンプジンは僅かに気圧されそうになった。直後、一気に踏み抜いてきたウーラオスがパンプジンの顔面を鷲掴みにするとそのまま地面へと叩きつけようとするので慌てて地面を透過して逃れるが、地面へと突き刺さったウーラオスの拳は小さなクレーターを作っていた。幾ら剣の舞でパワーアップしているとはいえ信じられない破壊力だとカルネも息を呑んだ。
「素早く―――種爆弾!!力強く―――種マシンガン!!!」
「パンプッ!!パププププププププッ!!!」
打ち上げられた種爆弾はサイズこそ小さいがまるで爆撃のように数があり、更に放たれるマシンガンは機関銃のような重低音を響かせながら異様な数をばら撒かれていく。普通なら右往左往するが―――
「恐れるなウーラオス!!ドレディアとオリーヴァさんのあれらと比べたらどっちが恐ろしい!!」
「ベアクァ!!!」
「だったら恐れるな!!突っ込めぇ!!」
「な、何ですって!?」
ウーラオスは爆撃と弾幕の嵐を恐れる事もなく突撃した、素早く再度ステップを踏んで頻繁に進路を変えて種マシンガンから逃れつつも頭上から降り注いでくる種爆弾からも逃れていく。信じられない戦法だ、いや違う。
『一見無謀、無茶、無理、狂気の沙汰程面白い……そして、一度地獄を見ると―――運命は、逆転する!!』
ギーマの言葉が頭を過る、そうだ、あの男はそうして自分のサーナイトをズルズキンで追い詰めてあと一歩の所で此方も賭けに出て勝ったのだ。あの時―――引っ繰り返りそうになった運命の輪を自分が再び引っ繰り返した、それをラビはやろうとしている!!
「パンプジン、パワーウィップ!!!」
「素早く―――剣の舞、力強く―――水流連打ぁ!!!」
「ベエエアアアアアッ……ベェァ!!!」
振り下ろされた巨大な蔓の一撃を掌底で弾きながらも前進、そして次の瞬間にはパンプジンの全身に激流のような無数の連打が繰り出され、めり込んでいった。死中に活を求める、ラビはこれまでの自分の流れを引き戻す為に正面突破を選んだ、ウーラオスならば切り抜けられるという確信と信頼を持って、そしてその賭けに成功。パンプジンは全身に掌打と蹴りの嵐を受けてグロッキーになった。効果が今一つだとしても連続で急所に叩き込まれる技が効かない訳が無いのだ。
「パンプジン、ゴーストダイブ!!!」
「させるかぁ!!!冷凍パンチ!!」
沈み込もうとするパンプジンに真下からラビの得意技でもあるガゼルパンチを倣うように、身体を沈みこませてからの冷凍パンチが顎を捉えてパンプジンを宙に舞わせた。
「力強く―――アイススピナー!!!」
「ベアアアアアアアクァ!!!」
再び高速回転からの廻し蹴りがパンプジンの身体にヒットした、蹴り出されたパンプジンは勢いよく撃ち出されて強く特殊合金の外壁へと叩きつけられた。外壁は容易に凹み、その奥にパンプジンが埋められるように叩きつけられていた。そしてその瞳は回っていた。
『パンプジン、戦闘不能!!ウーラオスの勝ち!!』
『ウーラオス二体抜き!!とんでもない強さです、これがマスタード道場に伝わる秘伝の鎧!!!ウーラオス!!!』
「有難うパンプジン、本当に有難うね……」
改めて実感する、この人は長年旅にこそ出ていなかったがそれで鈍っているなんて事はない。寧ろ、これだけのポケモンがいるあの庭ならば自己研鑽で何処までもレベルを上げられる……分かっていたが、本当に恐れ入る……だけど負ける訳にはいかない。
「だけど負けないわよ!!行くわよアマルルガ!!」
「ルウウウウゥゥゥワァ!!!」
ラビ カルネ
×フォレトス ×ルチャブル
ペンドラー ×ヌメルゴン
×バンギラス ×ガチゴラス
ウーラオス ×パンプジン
??? アマルルガ
??? ???