週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:便乗クエスパトラ

「はいそう言う事ですので、ハイ宜しくお願いします、それでは……」

「如何だった~?」

「ああ、民宿になるらしい大丈夫だろ?」

「旅をしてたんだからその位気にしないよ、なんなら一緒のテントでも構わないよ」

「だな」

 

荷物の準備を行っているサザレに書類を書き続けるラビ、二人はポケモンの撮影兼旅行をする事になった。目的地はサザレが撮りたいと思っているポケモンがいると思われるキタカミの里、そこの民宿を利用しながらポケモンの撮影とスケッチを行う事にした。自分としても環境を変えてみて筆を取るのも悪くないと思っている。

 

「それにしても二人で何処かに行くって本当に久しぶりだね~旅をしてた頃はいつも一緒だったから本格的な旅行って今回が初めてかも」

「かもな~……キタカミの里ってのは自然が豊かな田舎らしいな、のんびり出来そうだ」

「あっそう言えば向こうでも配信ってするの?」

「ああ、その為の機材も持って行く」

 

向こうには此方にはいないポケモンもいる、それらを紹介するのも良いと思っている。それと……キタカミの里の調査は個人的にはしておきたいと思っている。

 

「よし、こんな物かな……あっそうだ、今晩の買出し行かないと、何かリクエストある?」

「そうだな……サザレの手料理、かな?」

「アハハッ了解、ガーディ行くよ。ウインディ借りるね」

「くぅん!!」

「応」

「ぐふぅん!!」

 

サザレの後に続くガーディとウインディ、ウインディがサザレのライドポケモンを引き受けている。元々サザレのポケモンなので相性もバッチリ、そんな彼女が出掛けたのちにキタカミの里の紹介ホームページを見ながらもある事を考える。

 

「キタカミの里って言えば……ともっこだよな、規模的にはエリアゼロ程ではないにしろ、無視する訳にはいかないよな……それと―――こいつだ」

 

ラビが最も危険視しているのは紹介として映し出されている商店、桃沢商店に飾られている不腐の桃(くさらずのもも)という置物……その正体をラビは知っている、幻のポケモンの一角にして支配ポケモンという分類を持つモモワロウ。

 

「こいつを如何するか……始末をつけるにして方法を考えるしかないな、オーガポンにさせるのが一番だとは思うけど……ともっこの事もあるし、今は注意しておくしかないかもな……」

 

モモワロウは己が作り出す毒で作った鎖餅を相手に食べさせる事で相手を洗脳し支配する、そしてそれを食べた相手は更に鎖餅を別の相手へ、という一種のパンデミックを生み出して一つの町を滅ぼしてしまう程の力を秘める。しかも、食べた相手の根底にある欲望や願望を能力と共に引き出すという厄介さまで持ち合わせている。

 

「上手い事、やるしかないかもな……なんとかしよう」

 

先送りにする、ような事を言いながらも脳内でどのようにモモワロウを抑え込むかの考えを巡らせる。対モモワロウのメンバーも着々と選定するのであった。

 

 

 

「よっ!!」

「あらっフランベも出来ちゃうのね」

「この位、楽勝ちゃんって奴ですよ。そぉらっペパー特製クレープの完成です」

 

アオイとハルトの家にはペパーとボタンが訪れていた。エリアゼロの一件以来、ペパーはアオイが彼氏として母に紹介をしたのだが、料理好きな事もあって関係は良好でちょくちょく訪れては一緒に料理をしたり、ペパーが料理を振舞ったりしている。ボタンは流石に彼女です、なんて言えないのでハルトの友達という事になっているが、如何やらバレているらしい。故かボタンとハルトは開き直った付き合いをしている。

 

「ペパー君がウチに居てくれたら私も料理のし甲斐があるし、こうして未来のお婿さんと一緒にキッチンに立つのも中々いいわね~」

「ちょっちょっとママ、ペパーに変な事言わないでよ!!?」

「あら、でもペパー君はウチに婿入りしてくれる気満々なんでしょ?」

「そりゃ勿論!!」

「ならいいじゃない♪」

「んもう~!!!」

 

アオイからすればまだまだ気持ちの整理がついていないのに、ペパーとは彼氏彼女の関係になっている上に母公認の存在になってしまった。嬉しいと言えば嬉しいのだが、色々と容認できない辛さがある。

 

「というか、ボタンは何で違うのさぁ!?」

「ウチはウチだから、お母さんテレビ調子良くなりましたよ」

「助かるわ~なんか突然悪くなっちゃったのよね、如何しちゃったのかしら」

「なんか広告とかリモコンで押しちゃったんじゃないかな、ウイルス感染してたから除去した」

「あっそう言えばサブスク見てる時に間違えちゃってなんかしちゃった覚えあるわね」

「こ、こっちも何だかんだで適応してるし……」

 

ボタンもボタンで受け入れられており、子供たちが相手を見つけて来た事に母は大満足なご様子だった。父がこの状況を打破してくれることを期待していたのだが―――

 

『ペパー君、と言ったな……アオイを頼むぞ!!』

『任せてくださいお父さん!!』

『そこは娘はやらんっていう所じゃないのぉ!!?』

 

何と父も大賛成でペパーが受け入れられたので盛大にずっこけた。如何やら既に母が根回しをしていたらしい……我が母ながら恐ろしいと思っているとハルトはスマホロトムを熱心に見ていた。

 

「何見てるのよ」

「ラビさんの配信」

「早く言ってよ!?」

 

と慌てて自分も開いてみるとそこには自分も持っているポケモンを紹介しているラビの姿があった。そして思わずガッツポーズをしている自分が居て、それをニヤニヤした顔で見て来る弟がいて我に返った。

 

「感謝しろよな、俺がラビさんにお願いしたんだから」

「はっ!?えっなんで!?」

「なんとなく」

 

今紹介しているのはクエスパトラ、自分の育て方はどんな風に見られるのか、別の育て方にはどんな可能性があるのかが気になっていたのだ。

 

『クエスパトラさんの特性は便乗、お見通し、そして夢特性が加速です。加速は素早さが上昇し続けていくという物ですね。お見通しは解説済みですね、そして便乗は今の所クエスパトラさんにのみ確認されている特性です』

 

便乗、自分のクエスパトラの特性はそれだった筈……それに固執して失敗した事もあって、改めて話を聞いておきたい。

 

『便乗は相手の能力が上昇した時にその分、自分の能力も上げるという面白い物ですね。例えば、相手が瞑想をしたらクエスパトラさんの特攻と特防も上がりますがこれは上昇した時のみに適用されます。ですのでゴーストタイプ以外が使った時になる鈍い、これは攻撃と防御を上げますが素早さが下がります、これをクエスパトラさんの前で行うとクエスパトラさんの攻撃と防御は上がりますが素早さが下がる事はありません』

「そうなの!?」

 

思わず声を上げてしまった、そうなると自分は勘違いをしていたことになる……これはもっと勉強しないとクエスパトラに悪い……。

 

『更に、バトンタッチや変身などで能力が上がった場合には適用される事はありませんので注意しましょう。そして矢張りクエスパトラさんといえばルミナコリジョンという技です。これはエスパータイプの技で、命中した時に相手の特防をがくっと下げるという破格の効果を発揮します。これによって相手の耐久ポケモンにも強く出れます、強いて言うなればこのルミナコリジョンによる防御性能低下に頼ってしまいがちなので、此処を如何フォローするのかが腕の見せ所です、ネックとなるのは矢張り悪タイプ相手です。マジカルシャインを習得するのでそれらを織り交ぜていくのもいいですが、他の技で攻めるかは皆さん次第』

「成程成程……!!」

 

「もうアオイったら、折角ペパー君がクレープを焼いてくれたのに配信に夢中になっちゃって……ごめんなさいね」

「いえいえいいんですよ、あの配信なら」

「あら、お知り合いなの?」

「俺達全員世話になってんだよ母さん」

「色々と、ね」

「あらそうなの」

 

「よし、戦術練り直すぞ~!!」

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