「う~ん……」
ベランダに出ながらもあいも変わらず賑やかなメンバーのあれこれを見ながらもラビは思案を重ね続けている。準決勝で繰り出すメンバーの選定に苦労している。これまでの相手はある程度の出すポケモンの傾向が分かっていたので対策が打てたのだが……今回ばかりはそうはいかない。何せ、相手はサトシなのだから……強いて言うならば……
「ピカチュウとゲッコウガが出てくる事位か?」
ラクアの事件後にバトルした後に貰ったゲッコウガのメガストーン、期待しているとも言われたし恐らくゲッコウガは出て来る……しかも絆変化とメガシンカの重ねをして来るであろう化物としか言えないようなゲッコウガが……これを対策しろ?草ドラゴンで4分の1で水タイプのダメージを抑えるメガジュカインを水手裏剣で沈めるような化物が更にメガシンカで強化されるのに?
「無理ゲー過ぎて笑うしかねぇわ」
これだったら素直にピカチュウの対策を考えた方が有益だ、と言ってもピカチュウの方は比較的容易。専用のZワザやら色々と規格外ではあるが―――結局の所、ピカチュウとしての域を逸脱してしまっている訳ではない、ならばやりようは幾らでもある。
「と、なると第一候補はガチグマだな……」
「ギラァァッ!!?」
「お前地面タイプじゃねぇだろ」
俺は!?とこっちへと凄い勢いで振り向いてくるバンギラス、残念ながらバンギラスはアランが使って真っ向勝負でブチ破られている、しかも速攻で。そもそもバンギラスはカルネさんとのバトルで出しているのだから他の連中に出番を譲ってやれと言いたくなる。まあ有効だと判断し、バトルまでに回復したならば考慮はするが……。
「ラビさん、お茶入りましたよ」
「ああ、あんがとオニオン君、君も随分とウチに馴染んだなぁ」
「あははは……」
少しだけ笑うオニオンからお茶を受け取りながらも茶を啜る、今日は春に摘んだメブキジカのお茶。柔らかな風味と爽やかな甘みのバランスがとても心地いい。と思っていたら、考えながら書いていた絵が何時の間にかピカチュウになっていた。しかもご丁寧にサトシ付き……本当自分は何も考えずに筆を取っていると考えている事に引っ張られる。
「凄い……ボルテッカーが本当に飛び出してきそうだ」
「そりゃどうも、こりゃアグ行きかなぁ……」
「あのラビさん……ピカチュウってどっちが強いんです?」
「それは当然、サトシさんかレッドのピカチュウがって事かい」
頷く。サトシとレッドのピカチュウ、どっちが強いかという議論は常に白熱している物。単純な比較は難しく、体格から来るパワーはレッド、スピードはサトシの、という事で一応の均衡は取られているが……ラビ的には―――
「レッドだな」
「理由は?」
「サトシさんのピカチュウは確かに強い……でも戦闘経験と戦闘センスにおいてはまだまだレッドには及ばない所がデカい。1000万ボルトっていうZワザを計算に入れたとしても、あくまで総合的に上回るのはレッドだ。瞬間的な強さならサトシさんなんだけどな」
確かにサトシのピカチュウも恐ろしいが、戦闘の幅という意味合いではレッドの方が遥かに恐ろしい。咄嗟の判断に合わせられる連携力ならばサトシの方が上だが……単純な戦闘能力ならば矢張りレッドの方に軍配が上がる。
「んじゃサトシさんとレッドさん、どっちの方がマシなんです?バトルするなら」
「ダントツでレッド」
オニオンはその言葉にラビの正気を疑ってしまった、あのレジェンドチャンピオンマスターと戦う方がダントツでマシ?何を持ってそうだというんだと思うが……ラビはレッドと一緒に旅をしていた時期があるのでレッドの戦術やらパーティ編成を理解しているのである程度の予測が立てる事が出来るしなんだったら定期的に訪ねてくるし、うちの馬鹿共の相手もしてくれるので戦力分析という意味合いでは遥かに御しやすいのである。
「逆に問おう、サトシさんのあれこれを全部読む事は君は可能かい?」
「無茶言わないでください」
「だろ」
サトシ最大の強みは自身の直観を基本的に信じるしそれを形にするのが爆速、それが環境利用するバトルスタイルにも直結する。相手のワザにすら隙を見出してそこを突く、ギルガルドのキングシールドを妨害した時は我が目を疑った。あんな方法で封じるなよと言ったもんだ。
「レッドの場合は基本的に真っ向からの素直な勝負に応じてくれる、だから楽なんだ……だけどサトシさんは基本的に隙を見せられない、見せたらその瞬間に切り崩されると思わないと駄目。だから選定するポケモンも基本的に隙が無い事が前提になる……」
「今決定してるのは?」
「一応ダイケンキとゲッコウガ位かなぁ……いやゲッコウガはアーマーガアに変えるかな……約束果たすのは別に二次会でやりゃいいし……期待してるとか言ってたけど本選で期待してますとか言わないあっちが悪いって事で押し切ろう」
「仮にもワールドチャンピオン相手になんて事を……」
「いいのいいの友人関係ではあるんだから」
メガゲッコウガの特性は変幻自在だった事が明らかになって、自分のゲッコウガの運用がそのまま適応出来る事は判明したが、タイプバランスの関係でゲッコウガをそのまま採用するのはハッキリ言って難しいと言わざるを得ない。いっそのこそ水統一パーティでも組んでみるかとも思ったが、ピカチュウ相手にそれはやりたくない。
「まあまだ時間あるからゆっくり考えるさ、最悪の場合はレッドとナンジャモのバトルでまたフィールドがぶっ壊れたら時間出来るし」
「いやそれを期待するのは人の心が無さ過ぎません?整備班の方々狂った目で仕事してましたよ」
「その分会社の株が鰻登りなんだからよくね?俺も買ったし」
「買ってるんですか」
「18%程」
「思った以上に買ってた!!?」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日はゲスト付きです」
「おはこんハロチャオ~!!貴方の目玉をエレキネット!!何者なんじゃ、ナンジャモで~す!!!」
「本日はこのメンバーでいきます、そして今回ご紹介するのは此方」
「ネェギガァ」
「ネギガナイトです」
現在活動報告でアンケートを実施中です。気が向いたらそちらもご覧になってみてください。
下記のURLで飛べますのでどうぞご利用ください。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=338167&uid=11127