「レッド氏いいいいいいっまた整備班が泣くよぉおおおお!!!?」
「それが仕事」
「情け容赦ねぇなこの人!!ハラバリー避けて避けて避けてぇ!!!」<<<レジェンドオニチャンピオンガァァァァ!!
「なんか聞こえたけど気にしない」
ハラバリーと奮闘するナンジャモだが、遠距離攻撃を主体とするハラバリーに対して腹太鼓によってパワー全開状態となっているカビゴンは先程と同じく、地震から瓦礫を生み出して打ち出す戦術を取っている。最早整備班を殺すような勢いでフィールドが崩壊していくのだが……
「素早く―――怠ける!!力強く―――パラボラチャージ!!!」
「ババッバリリリィ~……バアアリイイイイッ!!!」
最早ナンジャモのゴローニャのレールガン並の破壊力を秘めているかと思えるほどのパワーとスピードで放たれてくる瓦礫、まともに食らえば確実に即KO、だがそれだけの破壊力があると完璧に回避しなくても風圧でダメージを受けてしまう。それによって電気に変えるが発動可能というナンジャモにとってはピンチではある事には変わりないが、予想だにしない幸運が訪れた。
それでもダメージは割と洒落にならない程の物があるので怠けるで回復しつつもパラボラチャージを発動。頭上から放電染みた電撃の嵐が降り注いでくるのだが……
「カンビィイッ!!!」
「うっそおっ!?」
カビゴンは畳返しのようにフィールドを引っぺがすとそのまま頭上に掲げてパラボラチャージからの盾に使用した。これでは体力の吸収が出来ない、そう思いながらもパラボラチャージが終了するとそれを再び殴りつけて来た。
「バ、バリィィィィッ……!!」
「こ、今度はワザと荒くパンチを打ち込んでる!!」
一転にパワーを凝縮させる事で瓦礫から望んだ形の弾丸として発射可能なのにそれを行わず、ワザと荒く打ち込む事で細かな破片をまるで散弾のように飛ばして来る。威力は当然落ちるが、これならば回避は極めて難しくなるし、一発一発掠める様にして特性発動を狙うよりも遥かに効率は悪くなる……
「カ、カンビィィィッ……」
「よし麻痺った!!今の内だよハラバリー!!素早く―――怠ける!!力強く―――パラボラチャージ!!!」
先程と同じコンボだが、今度は回復しつつもパラボナチャージを当てる事に成功して体力の大幅回復に成功する……ハラバリーにも疲労の色が見始めている。このバトルが開始されてから常に技を業として連続的に使っている、その為にPPの底が見え始めてしまった。
「こっちも少しキツくなって来たか……カビゴン」
「カビ」
「寝ろ」
「カァ―――びぃぃぃい……ZZZ……」
「こ、ここで眠る!?というかエレキフィールドあるのに⁉︎」
「このぐらいなら問題ない」
「くそう説得力しかねえ!?」
平然と寝始めるカビゴンだが、本来はエレキフィールドの影響で眠れない筈……なのだが、レッドのピカチュウと模擬バトルも頻繁に行っている為に電撃を受けていようが眠れるようになってしまったとレッドはラビに語る。ラビはそれを聞いてそげな馬鹿なこつ……と酷く言葉が乱れた。
「しまった時間を無駄に出来ない!!ハラバリー、素早く―――アシッドボム!!力強く―――雷ぃ!!」
アシッドボムと雷、特防を下げながらも最大の火力をぶつけるハラバリー。大ダメージであることは確実であるはずなのにカビゴンはグースカと眠ったまま、本当に効いているのかと疑いたくなるレベルには変化が全くない。眠るは起きるまで少しだけ掛かる、本来であればその少しが致命傷に繋がりかねないので眠るを使うのは細心の注意がいる。
「ZZZ……」
「もう一回!!素早く―――アシッドボム!!力強く―――充電!!」
「バリリリイイイイッ……!!」
「素早く―――雨乞い!!力強く―――雷ぃ!!!」
「バババッリリリリ~……バアアアリイイイイイッ!!!」
アシッドボムから充電、そして雨乞いと次々と繋げられていく業、そして落とされる雷。怒涛の連撃が浴びせ掛けられるが……まだまだカビゴンは落ちない。腹太鼓でどれだけの体力が削られていたのか、そしてどれだけの体力が回復しているのか……底知れないと思った時だった。カビゴンが瞳を開けて体を起こした。
『遂に眠れる巨人カビゴンが目を覚ましたぞ!!ですが怒涛の連撃を受けていたカビゴン、体力は回復しているのかぁ!?』
『普通に考えれば全然な筈だけど……あっれぇっすっげぇ元気だ!?』
「カンビカンビカンビィイッ!!!」
「快眠だったみたいだなカビゴン」
「うっそぉ……」「バ、ババッバリィ~……」
流石に絶句するしかなかったナンジャモとハラバリー。アシッドボムで特防を下げながら攻めたのに平然と起き出したカビゴン、しかも体力が満タンとは言えないらしいが、十分に安全圏内にまで回復しているように見える。
「さあ、ここからが本番だ」
「っ……」
ナンジャモは実力の差が余りにも巨大すぎる事を確信する、ピカチュウ、フシギバナを倒した事で自分でもレッドに対抗しうるのだと錯覚したが……格が違い過ぎる。自分が50だとすればレッドは平然と100の完全な高みに立っている。これはもう勝ち目が……
「―――……ううん、違うよね。ボクは勝つ為だけじゃないんだここに来た理由は……ハラバリー!!此処からは楽しんでいくよ、ポケモンバトルは楽しんでなんぼだよ!!」
「バ、バリリリッ!!!」
「いい顔だ、とことん―――付き合ってやる」
「行くよ……レッド氏!!!10万ボルトォ!!!」
「グモモモモモッバアアリイイイ~!!!」
「素早く―――雷パンチ、力強く―――アイアンローラー!!」
「カアアビィィッ……ゴオンッ!!!」
奪取しながらも雷パンチで10万ボルトを受け止めて受け流し、跳躍しながらものしかかりのように飛び掛かって来るカビゴン。ナンジャモは回避の指示を出すがそれによってフィールドが再び割れる、だがこの場合はエレキフィールドの事を指しており、アイアンローラーによってフィールドが粉砕されてエレキフィールドの効力が完全に失われてしまった。
「まだまだァ!!素早く―――冷や水!!力強く―――放電!!」
「グモモモモモッ~!!!!」
「遅い!!メガトンパンチ!!!」
「カアアアビイイゴンッ!!!!」
冷や水から放電に繋げられようとしている狭間にカビゴンは空気を殴りつけた、それは爆発的な風圧を巻き起こしてそれは冷や水を押し戻しながらもハラバリーを殴打、風圧でぶん殴るという滅多に出来ない芸当を成し遂げながらもハラバリーは壁へと叩きつけられて目を回してしまった。
『ハラバリー、戦闘不能!!カビゴンの勝ち!!!』
『カビゴン強い!!!これがレッド選手の重戦車、カビゴンの実力か!?もうナンジャモ選手は後がないぞ!!?』
「まだまだだよ!!ハラバリー有難う!!!ランターン、行こう!!」
「ラアアアアンッ!!!」
『NEXT BATTLE カビゴン VS ランターン!!3、2、1……BATTLE START!!』
「素早く―――凍える風!!力強く―――エレキネット!!」
「ララララアアアアアンッ!!!」
「素早く―――炎のパンチ、力強く―――岩雪崩」
再び風圧の拳が放たれ、凍える風を一瞬で飲み込んで無力化すると、再び瓦礫の殴打による岩雪崩が襲い掛かって来る。力強く放たれているとはいえ、流石に腹太鼓による岩は網で捕らえ切れずにあっさりと破られてしまう。
「地震!!」
「マズい、ランターン地面に向かってハイドロポンプ!!!」
地震による致命傷を避ける為に空中へと逃げる為のハイドロポンプ、だが直後にナンジャモは我が目を疑った。地震を放たずにカビゴンが跳躍してランターンの真上を取っていた事を。
「まさかブラフ!?」
「違うさ、地震は―――これからだ」
「カアアアビイイイイ!!!!」
「ラアアアアンッ!!??」
真上を取ったカビゴンはそのままのしかかりのようにランターンを押し潰しながらフィールドへと落着、そのまま地震が放たれてランターンは震源地でそれを味わう事となった。スタジアム艦と整備班が揺れる中で、カビゴンがゆっくりと立ち上がると……ランターンは完全に目を回してしまっていた。
『ランターン、戦闘不能!!!カビゴンの勝ち!!ナンジャモ選手、手持ちポケモン0!!BATTLE OVER!!よってこの試合、レッド選手の勝利となります!!』
『決着ぅぅぅぅっ!!!カビゴンの鬼神の如き戦いぶりで怒涛の連勝劇を大演出!!恐るべしカビゴン、恐るべしレッド選手!!やはりレジェンドチャンピオンマスターは強かった、決勝戦に駒へと進めます!!!ナンジャモ選手は惜しくもベスト4止まりとなってしまいましたが、レッド選手のピカチュウとフシギバナを見事に撃破して見せたパルデアのジムリーダーに惜しみない賞賛が降り注ぎます!!!実際、PWCSでレッド選手のポケモンを2体以上下したトレーナーは数えられる程しかおりません、その一人に見事名乗りを上げました!!!』
『ジムリーダーでこのレベル……パルデア地方のポケモンリーグは学園ありきだから決して高い物ではないという意見が多かったですが、これは改める必要がありますね……』
「ランターン、お疲れ様。よく頑張ったね……」
ランターンに労いの言葉を掛けながらもナンジャモは空を見上げる。確かに負けてしまったが、彼女に悔しさなどは溢れていなかった、寧ろ不思議なまでの清々しさがあった。あのレッドと本気のバトルが出来ただけでもこのPWCSに参加した甲斐があったように感じられたから……やっぱり、自分はトレーナーなんだなぁと思い知る。するとレッドが歩み寄って来て手を差し出して来た。
「良いバトルだった。次も期待させて貰う」
「……うん、何だったら今度ボクの配信に出てよ。その時にリベンジさせて貰うよ」
「何時でもいい、何だったらこの後でもいい」
「いや流石にそれは無理だと思うよ……後レッド氏、一言だけ良い?」
「???」
頭に?を浮かべているレッドに向けてナンジャモはそっと遠くを指さした。そこには緊急フィールド整備のために出て来た整備班が慟哭の声を上げたと思いきや、狂った笑顔を浮かべながら整備に励んでいる姿がある。
「あとで謝った方がよくない?」
「……確かに」
長くなるどころかだった……一番短くなった……。
そして、次の試合は運命のサトシ対ラビで御座います!!
勝つのはサトシか、それともラビか……お楽しみに!!
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