週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:セット、バトル。

「イヤァ~ハッハッハッハッ!!見事に負けたねボク!!」

「いいザマだったぞナモ公、いい肴になるだろうな」

「ひっどいなぁ未来のお義兄さんは、まあそれだけ相応しい負けっぷりだったけどね!!」

 

勝負を終えたナンジャモはラビの控室を訪れていた。控室というのにそこには婚約者に弟妹達やキバナがいたりと控室とは?と思いたくなるような賑やかさがあった。そこでナンジャモは豪快且つ愉快そうに自らの敗北をまるで誇るかのように大きな声で負けたと笑う。

 

「ナンジャモさん、その悔しくないの?」

「悔しいに決まってるじゃん、でも嬉しかったんだよね。だってこんなボクがこの舞台であのレッド氏と真正面きって、自分の力で対立するバトルフィールドに上がってさ。それだけでボクにとっては夢のような時間だったよ。まあ勝つ気はあったんだけどね~」

 

レビの言葉を受け止めるナンジャモだが、その顔に嘘偽りは全くない。心からの本音だという事が分かる。

 

「にしてもナンジャモ、ムウマージ入れてりゃカビゴン楽だったんじゃねぇのか?」

「あ~キバナ氏それ聞いちゃう?実際さ、ボクもそう思ったんだけどさ~レッド氏の過去のバトル漁ってたらゲンガー相手に嗅ぎ分ける使って後でメガトンパンチでぶっ飛ばしてる場面があってさ~……こりゃゴーストも意味ないわって悟ったよ」

「あ~……そうか、嗅ぎ分けるでノーマル格闘が当たるようになるだっけか」

「そっ。まあ鬼火とかで攻撃を下げる手段もあったし浮遊で地面技も無効の電気テラスで押し切るってのも考えたけど……ムウマージの電気技で押し切れるか不安だったし、それだったらシンプルに電気ポケモン達で真っ向勝負の方がマシかなぁ……って」

 

カビゴンの対策としてムウマージを考えなかったわけではないのだが……あの百戦錬磨のレッドにそんな超基本的な策が通じるのか……?という疑問もあったので調べてみたら、物の見事にカビゴンでゴーストタイプをぶっ飛ばしている記録が残っていた。

 

「ゴローニャ連れて行った方が良かったかなぁ……いやでもレッド氏のポケモン調べてて大半のポケモンが地震覚えるって分かったから余計に怖かったんだよなぁ……多分カビゴンに出したとしても速攻で地震飛んでて来てただろうしなぁ……というか何あのカビゴン、エレキフィールド展開してても眠る使うとか」

「ああそりゃ俺のせいだな、カビゴンの模擬バトルでピカチュウと戦わせまくってたし。レッドのカビゴンは厚い脂肪でな、脂肪は殆ど電気通さないって聞いて利用できない?って提案した事あってな」

「ラビ氏のせいかよ!!?」

「と言ってもこのおかげでロケット団とシャドーの電撃トラップ突破出来たしなぁ……」

「やべぇそういう事言われると責め辛ぇ……」

 

電気に対する著しい耐性を獲得できたわけではなかったが、仮にエレキフィールドの中だろうが雷の中だろうが眠る事が出来るようにはなったカビゴン。これのお陰で危機を脱する事が出来た事も割とあったのでナンジャモには申し訳ないがこれは正しかったと思っているラビであった。

 

「次は3位決定戦かぁ~……サトシ氏だろうがラビ氏だろうがボクが4位決定なのは目に見えてるのが割と酷いよなぁ……」

「PWCSで4位なんて立派以外の何物でもねぇんだけどな」

 

キバナの言葉に全員が頷いた。そんな事を言ってしまったら初戦で負けてしまった面々はそれ以上に何も言えなくなってしまう訳で……ナンジャモはワザとらしく咳払いをする。

 

「それよりも次はラビ氏だけど、準備は良いの?」

「出来てなかったらここで寝てないんだわ」

「寝てた!?ボクの応援は!!?」

「義兄の応援とかいらねぇだろ、既に愛しの男からのエールがあるんだからよ」

「なんちゅうか、ラビ氏って感傷的な部分を否定するっていうかさ……」

「何、言葉攻めにでもすればよかったの?」

「なんでラビ氏のあれこれは0か100に振り切れてるんだよ!!?」

「これが俺だから」

「サザレ氏、大変じゃないこの人のお相手」

「いやそうでもないよ?私相手には穏やかだから」

「これあれだ、身内判定してる人には凄い甘い人だ。……あれ、そうなるとボク身内判定受けてない!?」

「だってまだ正式に義妹になった訳じゃないし、せめてうちの親に挨拶してからだな判定は」

「じゃあオニオン氏は!?」

「あれはほら、俺にロルをくださいって真っ向から挨拶して来たから」

「ボクもしたよね!!?」

「……したっけ?」

「うおおおおおおおいっ!!!!」

 

余りにも流れるようなやり取りにレビが最初に噴出して連鎖的に控室は笑い声に包まれていった。

 

「というか3位決定戦って整備班マジで大丈夫か……?」

「確かに……現状でお兄ちゃんとサトシさんのバトル、更に決勝戦があるって思うと……」

「ああそれなら大丈夫。今日の時点で整備班にデボンコーポレーションのバトル環境事業部の面々が合流して整備班の拡充が図られてる」

「遅くねそれ」

「言ってやるなロル、ダイゴさんが割と無理して呼んでるらしい。主にパルデア行きのチケット確保でな……一部はポケモンで来てるらしいからな……んで最初は意気揚々でPWCSを会場で見れるぞ~!!って感じだったらしいけど、ナモ公とレッドのバトルを見てるうちに顔から血の気が引いて行ったって話だ」

「……ボクは違うよね、あれやったのレッド氏だからね、僕全然関係無いよね!!?」

「連帯責任じゃね?」

「いいいいいやあああああああああああああああ!!!!??炎上するうううううう!!!!!???」

 

そんな悲鳴が立っている時、遂に控室に整備完了の方が届いた。流石デボンコーポレーション自慢のバトル環境事業部が合流しただけはある。ホウエン地方でスタジアムの建設からジムフィールドの整備、周辺環境の整備まで担う事業部の力とPWCS本選トーナメントで鍛えられた整備班と結び付くと此処まで恐ろしい事になるのか……。

 

「さてと……行くか」

 

身体を延ばすと骨が鳴る、これが三十路かぁ……と思っているとサザレに何言ってんだか、みたいな顔をされる、何も言ってないじゃないか……。

 

「お兄ちゃん確りね、優勝期待してるわ」

「応、トロフィーはお前らの結婚の記念品にしたるわ」

「なんでそうなるのよ!!?気が早過ぎるわよ!!?」

「気が早い、ねぇ……キバナ、脈ありで~す!!」

「おっ勝算ありか」

「いい加減にしなさいよこのバカ二人ぃ!!!」

 

ふざけて全身でハートマークを作るとキバナはそれに乗っかり、レビは顔を真っ赤にする。それを笑ってスルーしておくとロルが抱き着いてくる。

 

「エール注入だし!!」

「応サンキュ、しかしエールって言われると妙に不安になるのはなんでだ?オニオン君、マリィに理由聞いといてね」

「いや絶対分かってますよねラビさん」

「うん分かってるからこそ反応みたいんじゃん」

「やっぱりこの人Sだ……」

 

ロルからのエールを受け取りつつもロルをオニオンに返却する。そしてレベからは力強い握手を受け取る。

 

「勝ってよ、僕の目標がお兄ちゃんなんだから」

「ハードル高いねぇ、それよりもお前はやる事あるだろ」

「えっ何?」

「ナンジャモの代理のジムリーダーになる為の勉強」

「えっそれ決定なの!?」

「オモダカさんに推薦しといた」

「うおおおおいラビ氏ボクジムリーダーやめる気ないんですけどぉ!!?」

「じゃあ夫婦でやりゃいいじゃん、ホウエンのフウとランみたいにさ」

「「まだ夫婦じゃない!!!」」

 

はいはいと受け流しておく、出ないとこの二人は自分の言葉の意味を理解して顔真っ赤にして甘酸っぱい空気を展開するからだ。そんな所にラバイがやって来た、走って来たのか息切れしている。

 

「ま、間に合ったか……」

「よぉ仕事しない解説、何しにパルデアまで来たの?」

「殴るぞ兄さん!!?……負けるなよ、相手はPWCSチャンピオンだ、油断してると負けるぜ」

「誰がするか馬鹿、誰に口きいてんだ一人身」

「関係ねぇだろそれ!?」

 

そんな言い合いをしながらも拳をぶつけ合った後に固く握手をする、なんだかんだで一番仲がいいのはこの二人―――そして最後にサザレ。

 

「行って来る」

「いってらっしゃい」

 

硬く抱擁しあう二人、そして人の目があるのにかかわらずに口づけを二人は交わす。それに周囲から黄色い声とウチらもやる?なんで!?という声が聞こえてくるのを無視しながらもし続け後に見つめ合う。

 

「……有難う」

「気を付けてね」

 

最後に頬にキスを落として貰ってから、ラビは控室を後にする。

 

 

『さあ遂に準決勝第二試合の時がやって参りました!!僅か2時間でこのフィールドを新品同様に致しました整備班とデボンコーポレーションバトル環境事業部の皆様には頭が上がりません!!あなた方のお陰でPWCS本選トーナメントは成り立っております!!改めての感謝を述べさせて頂きながらも選手入場です!!!』

 

片方の入場を飾るのは各地方の初心者用ポケモンの御三家とその進化形たち。それぞれが技を繰り出して送り出すのは―――

 

『目指すはポケモンマスター、全てのポケモンと友達となる事を目標にするという偉大な夢を持ち、それも決して幻想ではないと思わせる程の人望を持ち合わせるトレーナー、彼の相棒の赤いほっぺと黄色いシャツには皆夢中です!!貴方たちのエピソードを世界の皆が待ち望んでいるのです!!新しい風と共に踏み出す一歩の先を見せてくれ!!PWCSランキング堂々の1位!!彼を表現するにはこれだけで十分なのです!!マサラタウンのサトシ選手ぅぅぅ!!!』

 

「俺はマサラタウンのサトシ、目指すは優勝!!行くぜ皆!!」「ピッピカチュ!!」

 

駆け抜けてバトルフィールドへと立つ彼を皆が待ってましたと叫ぶのだ、そしてそのサトシとピカチュウは真っ直ぐと反対側を見つめていた。そこから溢れ出すのは闇―――同時に暗闇の中にぼんやりと浮かび上がるのは紫炎の灯、それに挟まれた影の道を、誰もいない筈なのに響く足音、一歩、また一歩と踏み締める度に闇からその身体が徐々に露になって行く。

 

『さあ今回も派手な登場だ!!生国と発しますイッシュ地方カノコタウン、ブルーベリー学園を飛び級にて卒業後、イッシュ地方を始めとした各地を転々と旅を続け、各地のリーグで優秀な成績を収め、チャンピオンリーグへの出場経験をも持ち合わせます。ヒスイに伝わりし業の復活、夢特性、種族値、ポケモンに関する様々な貢献をしつつも保護区の管理人という立場をも纏いますが生業と致しますはイラストレーター、配信は何時でも辞めてもいい趣味だと断じてしまう御仁。だがしかしその実力侮りがたし、ホミカに始まりミクリ、カルネ、ジムリーダーからチャンピオンを下して此処まで来ました。その知識と実力が結びついた時、留まる事を知らず……そんな男が遂に、世界王者へと挑むのです、さあ皆さん今大会屈指のダークホースのご登場です!!!PWCSランキング25位!!パルデア地方在住のイラストレーター、ラビ選手です!!!』

 

「なんか、俺が言う言い回し混ざってね?」

 

と実況の自分の説明に関して首を傾げつつもバトルフィールドへと立つ、サトシとは何度もバトルしているのにこうして形式を整えて戦うのはそれほど悪い物でもないな……まあ此処まで来るのに随分と時間が掛かったなとは思うが……。

 

「遂に来ましたねラビさん、あの時の約束覚えてます?」

「だったらせめて場所の指定してくれます?」

「あっもしかして連れてきてない!?」

「自分で確かめてどうぞ」

「じゃあそうします!!」

「やれやれ、こういうの通じないから舌を使う意味がないんだよなぁこの人……まあ偶には―――昔みたいに限界バトル叩きつけるのも悪くねぇ……!!さあやろうか、サトシさんよぉ!!!」

「ああ、行くぜ!!!勝負だ!!!」

 

『対戦ルールは6対6のフルバトルとなります!!各選手はメガシンカ、Zワザ、テラスタル、ダイマックスは一度ずつの使用が許可されます。ポケモンの交代は両者自由となります。それでは……サトシ選手、ラビ選手。両者、最初のポケモンをフィールドへ!!』

 

To Be Continued……!!




やっとここまで来たよ……あれから何話掛かったんだろ……。

ラクアの終わりからだと仮定すると……嘘だろ300話ぐらい前の事なのかよ……約半年前だぜ……
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