『ラビ選手の三体目はポリゴン2!!この選出にはどのような意図があるのでしょうかラバイさん』
『いやまあ分かり易くリザードンを削り取ってやろうというのが透けてますね』
ラバイからしたらあのポリゴン2でやりたい事なんて分かり易過ぎて笑ってしまう程。
『あの断言してもいいでしょう、あのポリゴン2は進化の輝石を持ってます』
『進化の輝石、ですか?メガストーン以外でバトルで持ち物を持たせるのは珍しいですね……どのような効果なのですか?』
『進化前のポケモンに持たせると防御と特防が上昇するという道具です。故にポリゴン2は要塞型ですね……これを打ち崩せるかが、リザードンにとっての課題です』
『NEXT BATTLE リザードン VS ポリゴン2!!3、2、1……BATTLE START!!』
「先手必勝だ!!素早く―――龍の舞!!力強く―――ニトロチャージ!!」
初っ端から飛ばしていくサトシ、龍の舞から繋げるニトロチャージで一気に加速しながらも突撃してくるリザードン。リザフィックバレーで鍛えられただけあってそのスピードは凄まじい物があった。それに対してポリゴン2はそれを受ける直前に指示を受けて技を実行する。
「素早く―――充電、力強く――放電!!」
充電を行った直後にニトロチャージが炸裂し、ポリゴン2は飛ばされるのだがその表情にはダメージがあるように見えない。そして直後に充電によってパワーアップした大放電が行われるのだが……フィールドを飲み込まんとする程の大放電であり、リザードンはその攻撃範囲に驚きながらも上昇したスピードを生かして無理矢理に振り切るように放電を回避する。
「なんだこの放電!?充電したからってこの威力は可笑しいぞ!?」
「さあ何故でしょう、考えてみてくださいサトシさん。素早く―――ロックオン、力強く――電磁砲」
「リィィイィンンリンッ!!!」
発射される電磁砲は如何にリザードンが素早く動こうとも追尾し続ける。ニトロチャージと龍の舞で加速していようともどこまでついてくる。
「流石にロックオンされてちゃ無理か……!!」
「思い出すでしょう、レジスチルを」
「確かに思い出す、だけど―――だったら真っ向からだ!!リザードン、ドラゴンテール!!」
バトルピラミッドでの敗戦の記憶を思い出すような攻撃だが、何時までもそれに囚われている訳でもない。だったら真っ向で迎撃するのみだとドラゴンテールを指示、リザードンは急上昇からの急降下の勢いを使ってのドラゴンテールを繰り出して電磁砲を弾き返してフィールドに炸裂させた。これで延々と悩まされる事もない。
「火炎放射!!」
その爆炎を突き破るように突撃しながらも火炎放射を浴びせ掛けて来るリザードン、その尻尾の炎はより強く、大きく燃え盛っている。電磁砲を打ち返した際に少なからずダメージはあった。それによって特性の猛火が発動したのである。身体を焼く炎に耐えるポリゴン2の懐へと入り込んだリザードンは炎を纏った拳を振り抜いた。その一撃は明確にポリゴン2の急所を貫き、その身体にやけどを負わせた。
「よし、これでポリゴン2はダメージを負うぞ!!」
「良いわよ~サトシリザードンその調子~!!」
「頑張れサトシ~!!」
「リザードンの力強さも素晴らしいねぇ~!!」
と応援席からタケシとカスミ、そしてアイリスとデントの声援が届く。確実に流れはサトシに来ている、リザードンもダメージを負っている身で想像以上に戦えているしこれはこのまま取れる、と当人も思った時、ラビは少しだけ笑う。
「有難う御座います、火傷させてくれて」
「えっ」
「まあ貴方の事だから毒々は覚えさせてないと思いますけど、雷パンチなども覚える事を考慮すると火傷になるのが一番楽ですからね」
急所と火傷のダブルパンチにも拘らず、ラビは余裕を崩さなかった。それは数的有利を取っているからなどではない、今の状況に感謝すら述べたくなっている。そしてリザードンの体力は限界にきている、だが恐らくまだまだ粘る筈……だったら此方も全力で行くまで。
「素早く―――自己再生!!力強く―――充電!!」
「リイイイインッ……!!」
此処でサトシはある事を思う、それはポリゴン2の特性。トレースやダウンロードという中でラビの配信を思い出す、アナライズという特性。それと力業を組み合わせたらとんでもない威力が出る筈……それならばあの放電も頷ける、だがスピードを上げているリザードンに態々遅い動きの指示は難しい。だったら……突っ切るしかない。
「素早く―――龍の舞!!力強く―――フレアドライブ!!」
「グウウウオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」
賭けに近い選択ではあるが、既に高いレベルに高まっているスピードと攻撃を最大限に生かす選択を取った。青い炎を纏いながら突撃してくるそれにポリゴン2はそれを受けて吹き飛ばされるが、耐えきったと言わんばかりに笑って見せた。
「ぶちかませ!!力強く―――10万ボルトォ!!!」
「リイイイイイイイイイイインッ!!!!」
力業充電からの更なる力業10万ボルト、それとアナライズが加わった時に10万ボルトはまるでピカピカサンダーのような莫大な雷の槍と化してリザードンを貫いた。既に猛火が発動しているリザードンにこれは耐えられない。
「リザードン!!!」
「―――グウゥゥウゥウオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」
その時、尻尾の炎を更に強大化させながらもリザードンは吠えた、まだまだ俺はやれるぞ!!まだ倒れないという根性の耐え、懐き効果かよ?!とラビの声がしそうだったが、それよりも先にサトシは笑っていた。
「だったら行くぞリザードン!!お前の全てを込めろ!!猛々しく―――フレアドライブゥッ!!!』
『グウウウオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!』
燃え盛った尻尾の炎が更に巨大化し、それで自らを包み込み更に温度を上げる。青白い炎と化して10万ボルトをその上から纏うかのようにして突撃していく。雷の槍を押し返す獄炎の焔、それを纏う一撃はポリゴン2へと到達した時―――巨大な火柱となって天へと昇っていく。雷諸共空へと打ち上げられた後に残されたのは……互いに力尽きたポケモン達のみ。
「……マジかよ」
計算外だと言わんばかりにラビがそう呟いてしまった。目の前の光景は、最早それ以外に表現しようがなかった。ポリゴン2でリザードンを落とすつもりだった、それなのに……ここで懐き耐えをされた上にポリゴン2最強の組み合わせを押し返されて持っていかれた……。
『リザードン、ポリゴン2、両者戦闘不能!!』
『ポリゴン2対リザードンの末はドロー!!!限界であった筈のリザードン、意地の反撃でポリゴン2を突破しました!!これで2対3、まだまだ勝負はラビ選手に有利ですがこれは流れが来ている来ているぞぉ!!』
「ポリ2、お疲れさん……予測は無駄って事か……」
ボールに戻しながらもラビはサトシというトレーナーの底力を改めて思い知った気がした。耐久メインのポケモンで固めたのもサトシの動きを見る為……だが予測通りに動いてきた、それなのに、自分の予想以上に被害が出る。だけど……笑う自分がいるんだ、可笑しい物だ……。
「サトシさん、約束、守りましょうか」
「へへっやっぱりそのつもりだったんじゃないですか!!」
「破って貴方の驚いた顔を肴にするのも一興だったんですけどね……敢てここは王道と行きましょうか、行くぞチャンピオン、絆の準備は十分か」
「言わずもがな!!行くぜ、ゲッコウガ君に決めた!!」「コウガァ!!!」
「さあ、遥か高みへの挑戦と行こうじゃねぇか!!GO!!ゲッコウガァ!!!」「ゴウガァッ!!!」
『こ、これは両者ともにゲッコウガです!!ラビ選手のゲッコウガは色違い!!世にも珍しいミラー対決!!しかも、両者ともにメガストーンを持っております!!』
『メ、メガゲッコウガ対決!?』
サトシ ラビ
×シャリタツ ×クレッフィ
×ドダイトス ×チオンジェン
×マスカーニャ ×ポリゴン2
×リザードン ゲッコウガ
ゲッコウガ ???
??? ???