週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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PWCS:準決勝第二試合 サトシ VS ラビ 10th

「……ケン」

 

ゲッコウガが倒れる。うちの庭では別段珍しい事でもない、あいつとて日によっては負ける事もある、だが全力全開のあいつが負けた姿は見た事がない……伊達に相棒の近衛を自称しているという訳ではない、近衛は確実にダークライだろというのは言わないでおこう。多分素直に凹んで体育座りをして数日は動かなくなる。

 

「相棒―――分かってるな」

「ケン」

 

言われるまでもねぇ、五体満足じゃねぇってのが不満だけど……それだと俺だけじゃ勝てない。それはまた別の機会に取っておく……ここは俺達の勝利を優先する。

 

「メガサトシゲッコウガ、改めて出鱈目な強さだ……だけど既に理解した、あの時と今でな」

 

初戦は自分が情報を引き出す為に戦った、ワザと長引かせて一秒でも長くラビの目に焼き付け、スマホロトムに撮影させる為に、そして次はメガゲッコウガでそれを実践し、何処までのズレがあるのかを確認……後は―――落とすだけ。

 

「ゲッコウガ、気張っていこうぜ!!」

「コゥッ……!!」

 

イチかバチかのカウンターが随分と効いているらしい、ゲッコウガだけではなくサトシにも疲労の色が見える。サトシゲッコウガの時点でゲッコウガとシンクロして痛みすらも共有する為に長期戦に弱いという弱点を露呈する、ならばそれすらも利用し、大ダメージでサトシにもダメージを与える事をするまで。

 

『NEXT BATTLE ゲッコウガ VS ダイケンキ!!3、2、1……BATTLE START!!』

 

素早く―――剣の舞!!力強く―――秘剣・千重波!!!

ケエエエエンッ……!!!

 

いきなりの抜刀にサトシは思わず息を呑んだ、それはその迫力だけではない。ダイケンキの貝殻の鎧が黒く染まっていったから、何が起こるのかと思いながらも完全に黒くなった鎧を引っさげながらも突撃してくるダイケンキの迫力は明らかに異質、ラビのダイケンキとはそれなりにバトルした事があるが……こんなのは初めてだ。

 

ケエエエエエエエエンッ!!!

素早く―――影分身!!!

 

此処は回避を選択する、全周囲を囲む程の圧倒的な物量の影分身を生み出すメガサトシゲッコウガにダイケンキは全く動じる事もなく、アシガタナを構えながらも回転しながらそれを一気に降り抜くと全周囲に向けて何かが四散するように打ち出されていく。それらは影分身を一つ残らず消し去ってしまった。

 

「ぐっ……!?」「コゥッ……!?」

「ピカピ!?」

「これって……何かの、破片か……!?」

 

ゲッコウガの身体に何かが突き刺さった、それは小さな破片のような物。それがゲッコウガの身体だけではなくフィールド中にまき散らされている。秘剣・千重波最大の効果、それはまきびしを内包しているという事、しかも当時の物を再現すると唯フィールドにまきびしを敷設するだけではなく、相手にぶつけて継続的なダメージを与えられる。言ってみれば拘束力のない炎の渦的な使い方が出来る。

 

「水手裏けっ―――!?」「コウッ―――!?」

 

シンクロしているが故に互いの考えている事はリンクしているサトシとゲッコウガ、故に技の発動も他と比べてかなり早い、それに合わせた初速が早い先制技の水手裏剣、だがそれが仇となる時もあった。

 

「疾風返し、流石相棒、判断が早いな」

「ケン」

 

ダイケンキは独自判断でゲッコウガの水手裏剣を殺す疾風返しを繰り出して潰していた。その気になればラビの代役としてトレーナーの真似事が出来るダイケンキ、レッドと共にした旅の中では、お互いが離れ離れになってしまう事が複数回あったので、その対策としてダイケンキに独自判断が出来るような訓練を着けた。それは唯、単独行動時に適切な対応な出来るようにする為ではなく、バトルでも十二分に効力を発揮する。

 

「ピィカッ!!」

「ぐっぁっ……!!」

 

ピカチュウからの言葉に必死に意識を取り戻そうとするサトシだが、思考と身体がゲッコウガと同じで怯んでしまっている。これがゲッコウガとのシンクロのデメリット、ダメージを受けるのは当然のこととして怯みがトレーナーにも及ぶ。

 

「メガサトシゲッコウガは確かに最強と言っても言い過ぎじゃない、だが無敵じゃない。この世で最も厄介なのが無敵、最強ならば幾らでも超えようはある!!素早く―――アンコール!!力強く―――秘剣・千重波!!!

ケンケンケンッ!!ダァイケン、ケンケンケ~ンケンエケン~!!……キァキイイ!!!

 

アンコールで技を縛られた所に再び秘剣・千重波が炸裂する。ゲッコウガは受け切れずに後方へと吹き飛ばされる、その身体には再び破片が食い込んで痛みがさらに激しくなってきている。もうこれ以上長引かせる事は出来ない……!!

 

「ゲッコウガッ全てを込めるぞ!力強く―――水手裏剣!!

コゥゥゥウウオオオオオオッ!!!!

 

流石に重撃は無理だったのか力業止まり、だがそれでもこの状況でサトシは冷静さを失ってはいない。力業で水手裏剣の初速を落とす事で疾風返しを使えなくしている、サトシなら絶対にそうするであろうという確信もラビの中にはあった。

 

「真空波!!素早く―――秘剣・千重波!!

「ダァァケン!!!ケエエンキァ!!!

 

薙ぐ、というよりも空気を殴りつける様にアシガタナを振るって発生させた真空波がゲッコウガを襲う中で更なる千重波が襲い掛かった、更なる破片が突き刺さる中でゲッコウガは完成された巨大な水手裏剣を投げつけようとしていた所にダイケンキが第二撃の刀を振り被った。

 

鋭利に―――シェルブレード!!!

いっけええっゲッコウガァ!!!

ケエエエエエエエエンッ!!!

コオウンガアアアアアッ!!!!

 

地面を抉る、いや削り切るように突き進もうとする水手裏剣を真っ向から迎え撃つダイケンキ。エネルギーを収束させたアシガタナは一瞬、水手裏剣と激しい火花を散らせる。一進一退の攻防が続くと思った直後にシェルブレードが水手裏剣を切り裂きながらもダイケンキは突き進んだ、そしてメガサトシゲッコウガの身体へとシェルブレードを命中させた。

 

「……ケンッ」

 

通り過ぎながらもアシガタナを納刀すると、グラリと崩れ落ちそうになる身体を必死に耐えるゲッコウガは水手裏剣を地面に突き刺して耐えようとするが―――水手裏剣も維持出来なくなり、そのまま前のめりに倒れ込んでメガシンカと絆変化が解除されてしまった。

 

『ゲ、ゲッコウガ、戦闘不能!!!ダイケンキの勝ち!!!』

『これがラビ選手の切り札にして相棒のダイケンキ!!!サトシ選手のメガサトシゲッコウガを退けました!!ラビ選手のメガゲッコウガとのダメージがあったとはいえ、これは凄まじい事です!!何が起こるが分からないそれがバトル、ポケモンバトルはトレーナーとポケモンの足し算ではない!!場合によってそれは掛け算にも変化する!!』

 

実際、この勝利はゲッコウガの頑張りがあったからこそだ。イチかバチかのカウンターが成功していなければこれはあり得なかった……そしてまきびしは3回分撒けた、ちゃんと機能してくれるのであれば4分の1は削り取る事が出来る筈……そして漸くここまで来れた。

 

「ゲッコウガ有難う、良く休んでくれ……ピカチュウ、遂に来たぞ、お前の出番だ!!」

「ピィカ!!」

「ピカチュウ、君に決めた!!」

「ピカピィッカ!!!」

 

ピカチュウ相手にポケモンが2体……悪くはない方だろう。最悪、此処に辿り着けずに全滅というのも当たり前に存在していたのだから……。着地と同時に炸裂するまきびし、小規模の爆発が連続的に発生、それは連鎖してやや大きめの爆発となったピカチュウを吹き飛ばした。と言ってもピカチュウも自ら跳んでダメージを最小限に収める、流石としか言いようがない……秘剣・千重波を見る目は酷く鋭かった。流石はピカ様だ。

 

「行けるかピカチュウ!?」

「ピカピ、ピィカピカカピ」

「そうだな、やるだけだもんな!!!」

 

「さあ遂にここまで来たぞダイケンキ、最後までやり切るぞ!!」

「ケェンッ!!!」

 

To Be Continued……!!

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