週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:いざこざ?

「はぁぁぁ……」

「お疲れ、はいお茶」

「あっすいませんサザレさん……」

 

疲れたと言わんばかりに溜息をついているとお茶を出してくれるサザレ、それにしても天は人に何物を与えるのだろうか……と思いながらも庭に繰り出してポケモン達と触れ合っているラビを見つめる。ポケモンの手入れをしている時の彼の表情は本当に晴れやかでストレスなんて感じていないかのようだった。時折、ガブリアスに噛みつかれたり、ドラピオンにクロスポイズンされたりしているが……それにすら苦にしていないというか……特に何も思っていないと言わんばかりだ。

 

「この庭の事、いい記事なりそう?」

「そりゃもう……と言っても流石に避けなきゃいけない部分も相応にありますから最終的にラビさんとサザレさんのチェックはお願いしようと思ってます」

「その辺りはやるよ」

「それにしても……」

 

保護区認定される程の希少なポケモン達がいるという事は理解していたが、本当に沢山のポケモン達が過ごしている……しかも彼らの生活をたった一人で支えている。地方からの支援などは一切ないし保護区である事を売りにしている訳でもないのがまた凄い。

 

「それにしても、あのサザレさんと御婚約してるなんて……以前来た時はそこまで聞きませんでしたけど……あっ記事にはしませんからご安心を」

「良かった、してたらラビが訴えてる所だよ」

「いやウチはそういうゴシップ系じゃないので……」

 

綺麗な奥さんもいて、凄い収入もあって、人脈もエグい、ポケモンバトルの実力もとんでもない……この人の記事を書くに当たって改めてこれまでの旅についてのお話も聞いたりしたのだが、一日やそこらで聞き取れる程の規模の物ではなかった。10年という長い時間の旅の記録、いっその事、書籍したらいいんじゃないのか?と言ってしまった。というか私が読みたい。

 

「それじゃあお茶のお供に私のちょっとした愚痴に付き合って貰ってもいい?」

「私なんかでよければ」

 

これでも人生経験は割と豊富な方だ、クズな師匠のせいで色々と面倒事に巻き込まれた事もあった……なんだよギラティナを崇拝する宗教団体への潜入調査って……改めて何やらせてたんだろうと思う。しかも今、師匠はその宗教団体のトップに座って組織を完全に健全化してるし……私も割と人の事が言えない程度には面白い人生を送っている自信がある。

 

「私ね、偶にラビの隣にいて良いのいいかなぁ~って思う時があるんだよね」

「居ていいのでは?凄いラブラブじゃないですか」

「いやぁそれは否定しないんだけど人に言われるとちょっと照れるね……というのもさ、ラビって知っての通り凄い人脈もあるしポケモンに対する知識もあるしイラストレーターとしてもいい腕してるじゃない?それに比べて、私ってなんかあるかなぁって思う時があるんだよね」

 

言いたい事は分かるが、サザレとて天才女性カメラマンとして名を馳せている。ポケモンが生活している光景をそのまま切り取り、そのまま次の動きや息遣いが感じ取れる自然体の写真は中々取れる者はいない。フィールドワークとしての依頼を出したいと思う人は大量にいる。だがラビの隣に居て相応しい程の物かと言われたらまだ物足りないという印象は拭い消えれない。

 

「分かってるつもりだよ、人の隣にいるって事がそういう事じゃないってのさ。だけどラビには昔、一緒に旅をしてたイクハって人がいるの、知らないこの名前」

「あっアローラ発のスーパーアイドルモデルのイクハさんですか!?」

「うん彼女。ラビとしてはあんまり思い出したくないらしいけどね」

 

仲は極めて悪いという割にお互いの事を完璧に理解しているらしく、今でもダブルバトルで合わせようと思ったら平然と合わせられるらしい。というのも訴状を出された一部の報道社が不服を申し立てに直接乗り込んで来たのだが、そこに決勝進出おめでとうとお祝いの品を持って来たイクハが偶然居合わせて―――

 

『ピカチュウ、アイアンテールでジャンプ!!』

『ミミッキュ、影打ち!!次に雷が落ちて来るから退避!!』

『そこで落とせ雷!!合わせろ!!』

『じゃれつく!!』『ボルテッカァ!!!』

 

暴れ出したポケモンを二人で完全に制圧して見せた。尚、イクハはハイタッチしようとしたらラビは華麗に回避してイクハはしこたま顔を地面に叩きつけてしまった。自分ではあんな事は絶対に出来ない、あそこまで心を通わせる事は出来ない。

 

「でもラビさんはサザレさんに全幅の信頼を置いてるじゃないですか」

「……それは分かるけど」

「それでいいじゃないですか、多分ですけどラビさんがイクハさんに向けてる信頼は全く別カテゴリーの何かなんだと思いますよ」

「そう、かなあ……」

「そうだぞ」

 

何時の間にか背後から顔を覗かせて来たラビにラシーマは思わずギョッとしてしまった。

 

「あいつとお前じゃ向ける物が違う。あいつは合わせるが楽なだけだ、あいつは難しい事考えられないし考えてる事が直ぐに顔に出るだけ、あいつはあいつで他者を察する能力が高いだけだ」

「パートナーにし易くて相方的に助かる能力持ちなんですねイクハさんって」

「ああ、多分初見の相手でもあいつとは上手く会わせられると思うぞ。その癖にカントーだとなんで俺に合わせねぇのか……」

 

やっぱり色々あったのか……と思う中でラシーマは空気を察してそこを二人にする。ラビからは悪い、小声で言われつつも自分のカイリューの元へと向かっていく。

 

 

「下らねぇ事考えるなよ、両親に挨拶しといて今更それか?」

「いやさ……その、これからそういう事も出来た方がいいのかなぁって思っただけで……」

「いいんじゃねぇの出来なくても」

 

ラビは寝っ転がりながらも続ける。

 

「互いに出来る事も出来ない事も違うんだ、お互いに出来なきゃ一緒に出来るようにすればいいし、片方が出来ないなら手を貸すでいいんだよ。お互いに支え合ってこその人よ」

「……なんかぐちゃぐちゃ考えて、ごめんなさい」

「気にすんな、俺もあいつと会って悪かった」

「ねぇラビ」

「んっ?」

「今日、一緒に、寝ない?」

「寝かせないけどいい?」

「うん、いいよ」

 

自然とサザレはラビの隣に寝っ転がって、身体を寄せた。自分らしくいけば良いんだから気にせずに自分達のペースで色々とやれば―――

 

「ソルルルッ!!」

「うわっアブソル!?」

「おまっいきなりなんでデデデデデデ!!?噛むな噛むな!!?「ガブァ」うおいガブリアステメェもか!!?」

「ジュペッ!?ジュウウペエエッ!!」

「ジュペッタお前だけか俺の味方!!」

「アハハハハッ!!!」

 

思わず笑ってしまった、本当に楽しいなラビの傍にいると。

 

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日もゲスト付きです」

「おはこんハロチャオ~!!貴方の目玉をエレキネット!!何者なんじゃ、ナンジャモで~す!!!」

「よおっ元気か皆、ガラルのジムリーダーのオレ様キバナだぜ!!」

「えっと皆さま初めまして、月間ポケモン大好きクラブの副編集長補佐のラシーマです」

「本日はこのメンバーでいきます、そして今回ご紹介するのは此方」

「エッペッ!!」

「エンペルトです」

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