週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

660 / 691
エンジョイ?:会いたくない師で恩人。

「やぁラビ君久しぶり、元気そうで何よりだ」

「ゲンガー、力強く呪い」

「ゲンガァァァア……!!」

「待て待て待て!!?ラビお前邂逅いきなり何やろうとしてんだ!!?オニオン、お前はラビのゲンガー止めろ!!?」

「もうやってます!!?」

「ちょっとラビ氏ストップストップ流石に人間にそれはマズいって!!?ラシーマさんも手伝って―――」

「ジュペッタ、メガシンカ、そしてこいつに催眠術、そして悪巧みからの夢食いじゃああああ!!!」

「ジュペエエッ……!!!」

「「「お前もかぁぁぁ!!!?」」」

「ちょっ落ち着きなさい二人とも!!?サーナイト、サイコキネシスで止めて!!?」

「る~ちゃんもお手伝いするのです!!?」

「サナアアアッ……!!」「ルラァ~……!!」

 

ラビの家へとやってきた客人、それは祈祷師にも見えるような和服を纏っている男で何処か胡散臭い笑みを湛えながらも妙に長い杖を持っていた。それが挨拶をした途端にラビはゲンガーに力業呪いを指示、ラシーマもそれに続くようにジュペッタをメガシンカさせようとしたりといきなりてんやわんやになっているのにも拘らず、その人物はどこ吹く風と言わんばかりにニコニコとし続けていた。

 

「やれやれ、相変わらず賑やかだねぇ君達は」

「「喧しい誰のせいだ!!!」」

 

一先ず家の中へと招き入れてお茶を差し出すとぬけぬけとそんな事を言い出すのでラビとラシーマは額に青筋を作りながらもブチ切れ寸前だった。

 

「改めまして……私はスガ、とある宗教団体の主をさせて貰っているしがないゴースト使いさ」

「話には聞いてたが……お前がラシーマの師匠って事でいいのか?」

「ええ、そうですよキバナさん。そこのラシーマにゴースト全般に対する知識と技術を教え込み、メガストーンも与えたのも私さ。これでもキクコさんの下では一番成績優秀で品行方正な教え子として有名だったんだよ」

「だったら……ラビ氏とラシーマ氏が此処まで荒ぶるとかあり得ないと思うんだけど……」

「ハッハッハッハッハッこれは手厳しい」

 

ケラケラとなんの悪びれもなく笑っているスガに対して、アンシャはカルネの傍から離れようとしなかった。初対面の人間が感じるのはスガはとても丁寧で何処かユーモアを感じさせる言葉遣いをする好青年、そう感じられるようにしているのだが……アンシャの視界には自在に表情を変える仮面を付けている男という風に映っているだけではなく、その男はゴーストや悪タイプなんて目じゃない程の悪意を纏っているのだ。

 

「ラシーマ、なんでそんなにこの人に鬼オコなん?何かされたん?」

「何かされたなんてもんじゃないですよ……私は昔オカルトマニアだったんですけど、その時に悪戯好きなゴーストポケモンに森の奥に引き込まれた事があったんですよ、まあそれも困ってたから助けを求めてたんですけど……その原因を作ったのはこの人だったんですよ!!しかもあろう事か、恰も自分が窮地を救いましたみたいな状況を作った上でです!!」

「酷い言い草だなぁ……私のゴーストポケモン達のパワーに当てられて、暴走してしまっていたのに気付いたから引き返した所に君がいたから助けてあげたんじゃないか」

「オーロットにメガゲンガーのエネルギーを注ぎ込んだ癖に何を……!!」

「彼が望んだことさ、制御できるか不安だったからちゃんと戻ったんだよ」

 

ラシーマ曰く、スガはゴーストタイプと悪タイプの扱いにおいて右に出る者はいないと言われる程であり、その実力は四天王のキクコと互角……いや悪タイプの扱いにも長けている事を踏まえるとスガの方が上だという意見も多い。

 

「しかも、修行を終えて卒業する日に言いやがったんですよこの人!!ああそうそう、君と出会った時のあれだけどね、あれ私のせいだったわって抜け抜けと……!!」

「「「うっわぁぁぁ……」」」

「俺も似たようなもんだ……俺の時はエンジュシティでゴーストタイプのポケモンが妙に騒いでて、偶然シャンデラを手持ちに入れてて、話を聞こうとしても全然でしょうがないからゲットして確保したんだ。そいつがこのゲンガーな訳だけど……ンでまあ原因なんだけど……アイテムに呪いのお札ってのがあるの分かる?」

 

そう言われて一同は頷いた。それを持たせるとゴーストタイプの技威力が上昇するというアイテムであり、ゴーストタイプが好むお札でもある。一枚は持っておくとゴーストタイプに懐かれやすいとされているのでゴースト使いの必需品とされている。

 

「ンでこのゲンガーは占いで使うような水晶玉あるだろ?あれを持ってたんだ、呪いのお札に準えて言うなれば呪いの宝珠か……その宝珠には膨大な呪いが込められてて、それに当てられてゲンガーがメガゲンガークラスの能力を発揮してたんだが、メガシンカもせずにだから暴走してたんだ。ンで、その宝珠の持ち主がこいつで、あろう事かメガゲンガーのパワーをテストする為と称して宝珠に呪いを込めて野生のゲンガーに押し付けやがったんだよ!!その影響でゲンガーは大暴走するわ、その呪力に当てられて他のゴーストポケモン達も極度の興奮状態になるわでどえらい騒ぎになったんだぞエンジュシティで!!」

「あれは元々マツバに頼まれたからこそ作ったんだ、ワザとじゃないさ」

「マツバさんが持って来る時は厳重に保管して持って来いって言ってたじゃねぇか!!?」

「まあ街のゴーストの仕切り役のカリスマが足りなかったって事で此処は一つ」

「なる訳ねぇやろがい!!どうやったらゲンガーの鬼火が大文字クラスの破壊力になるんだよ!!?シャンデラの火炎放射が押し返された時はビビるじゃすまなかったぞテメェ!!!?」

 

話を聞けば聞くほどに大が付く問題児である。そりゃラビとラシーマがいきなり攻撃しようとした訳だ……と思わず全員が納得してしまった。

 

「まあその分、世間を騒がす悪は滅してるんだからいいじゃないか。世界平和だ世界平和」

「どの口が……って言いたいけど、マジでそっち方面の実力は確かなのが腹立つ……」

「ええ、本当に腹立たしいですよね……なんでこんな人がポケモンGメンなんだか……」

「ほらっ私ってば優秀だから」

 

ウィンクしながらもそう問いかけて来るスガに全員は凄まじい胡散臭さを感じた。そして殴りたくなった。問題児である一方でワタルに重用されるGメンとして各地方を飛び回っているのがスガ、その仕事の一部を弟子への試練と称したり、ラビにちょっと厄介事があってと押し付けたりもしているので二人からの評価は最悪。尚、ちょっと厄介事を正確に言うと

 

ちょっと"放っておくと世界が危なくなるかもしれない"厄介事、である。放っておくと世界が、の部分は当然ラビには言っていない。ラビは思わず、お前は戦士の頂か、と思ったりもした。

 

「ンで、お前何しに来たんだよ」

「勿論観光と応援だよ、ついでにこの地方に入り込んだっていうギンガ団残党の排除」

「いや後者が主目的じゃねぇのかよ!!?」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。