週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイキタカミ:ライドオブスカイ

「ブルベリ学園とオレンジアカデミーの合同林間合宿か~……いいんじゃない、面白い写真撮れそうだし」

「全くそればっかりだなお前は」

 

アオイとハルト、アカデミーの生徒達は公民館での宿泊になるらしく今日は移動で疲れも溜まっているだろうから早めの夕食と休息へと入っていった。自分達も戻りながらもラビはサザレに林間合宿の事を報告する。

 

「私は写真家だよ?写真を撮る事を求められるし私だって求めてる、それ以外なんていらないと思うけどなぁ」

「否定はしないけどな」

「ブルベリ学園って数年前に新しくなったって聞いたよ、どんな感じになったんだろうね」

「其処までの興味は無いな、母校がどうなろうと俺の知った事じゃない」

「ドライだね~」

 

正直、あの学校にはいい思い出は余りないのだ。学食はハイカロリーだし授業は中々にキツいものも多かった、レンタルバトルトーナメントなんて最たるものだった。だがそこで取れる単位や成績は飛び級には美味しかったので自分はそれを中心に取った、その結果が金シンボル取得へと繋がってしまったようなものだ。

 

「ああそうだ、明日はお祭りって話じゃない?実はその前に行きたい所があるんだよね」

「行きたい所?」

「うん、スグリ君とゼイユちゃんのお爺ちゃんから話を聞いてポイントを絞り込んで、ウインディの力も借りてセンサーにポケモンの登録も済ませた。本格的にあのポケモン、ガチグマを探せる」

 

ガチグマ、リングマが失った進化の果て。リングマがもう一段階進化した姿こそがガチグマというポケモンだがその進化にはピートブロックというアイテムが必要且つ満月の時にしか進化出来ないという制約がある。

 

「海を渡ってここに辿り着いたガチグマ、どんな姿なんだろうね」

「さあ、きっと期待は裏切らないだろうな」

 

ラビも旅をしている時にピートブロックを探してみたが、矢張りなかった。現在も一応頭を下げて探して貰ってはいる、その代表がシンオウ地方、クロガネシティのジムリーダーのヒョウタ。ヒョウタもヒョウタで化石ポケモンとは違った意味での太古へのロマンを刺激されて意欲的に探してくれている。

 

「祭りが終わったら探しに行くか?」

「うん、行こっか♪」

 

ラビの隣に座りながらその肩に頭を預けるサザレ、そんな彼女の背中に手を回して抱き寄せるラビ。そんな二人のただならぬ雰囲気をこっそりとみているゼイユ、悪意があった訳ではないのだが……声を掛けづらくなってしまった。

 

「お、お風呂空いたって言いに来ただけなのになにこれ……!?ラ、ラビさんとサザレさんってそういう関係なの……!?や、やばいこれが女の、恋愛……!!!?」

「……趣味悪いよ姉ちゃん」

「っ~!!!!??ス、スグッ!!?」

 

背後には酷いジト目で呆れている弟がいた、本当に何をやっているんだと言いたげな顔にゼイユは赤くなった。

 

「い、いやこれはあの、だってお風呂空いたよって言いに来たら良い雰囲気で入り辛くてつい……!?」

「……ホントにそれだけ?」

「な、何よスグ!?文句あるの!?」

「いんや何も」

 

そのままスグリは気にする事もなく、ラビとサザレの部屋の襖を軽く叩いた。ゼイユは何やって!?と言いそうになったが、直ぐにラビの声が返ってきて口をふさいだ。

 

「んっは~い」

「ラビさん俺、姉ちゃんがお風呂空いたから伝えて来てって」

「有難う御座いますスグリさん、それでは後ほど向かいますね」

「ラビ一緒に入る?」

「子供の前で何言ってるんですか」

 

そんな会話で更にゼイユは顔を赤くして自室へと走っていくのであった、そんな姉を見てスグリは少しだけラビが素敵なレディになると言っていた事が分かったような気がした、ような気分になった……僅かだけ。

 

「姉ちゃんってあんな風になれたんだ……」

 

翌日。本格的に林間合宿も始まったらしく、アカデミーと学園側の生徒が二人組を作ってキタカミの里の彼方此方を回るとの事。ゼイユはアオイと、ハルトはスグリと組む事になったらしい。

 

「あれ、ラビさん?」

「おやお二方お出掛けですか?」

「お出掛けというか、課題だよ。キタカミの里にある3つの看板を巡って歴史を知るオリエンテーリングだって」

「そ、それで俺が案内する事になったんだ……ハルト、君となら話せるし……」

「ハルトでいいっての、俺だってスグリって呼んでるんだしさ」

「そ、そうだね。な、なんか楽しい、かも……パルデアだとサンドイッチ作るらしいからどうせならやってみたいかも……と、友達と」

 

如何やらスグリはハルトと想像以上に仲良く出来ているらしい。ラビとの出会いとグライガーを貰った事もあってスグリも前向きになっていると分かってそれはそれは、と言いかけた所でハルトのボールが輝いてそこからコライドンが飛び出してきた。

 

「アギャ!!」

「どひゃぁ!!?か、怪獣何々!!?」

「おやおやコライドンさん、如何しました突然」

「アギャ?ギャッス」

 

恐らくサンドイッチという言葉に反応して飛び出してきたのだろう、そこに以前サンドイッチをくれたラビが居たのですり寄っていく。対照的にスグリは驚いてハルトの後ろに隠れる。

 

「大丈夫だよスグリ、こいつはコライドン。俺のライドポケモンなんだ、サンドイッチが大好きな食いしん坊だよ」

「コ、コライドン?こんなポケモンっこ見たことね……」

「アハハッコライドンも珍しいポケモンだからね、でもほら、なんか駄犬っぽいからそんな空気がまるでねぇんだよな」

 

指差された先を見ると、そこではラビが持っていた蜜入り林檎に興味を示したコライドンに手で待てをするラビが居た。そして頭の上に林檎を置いてやる、コライドンはまだかなまだかな?と言いたげにそわそわしているが、ラビはまだまだだぞ~とじらす。待たされて涎が垂れ始めたコライドンにラビは遂によし!!と声を出す、待ってました!!と言わんばかりに林檎を上へと放り投げながらも大口で頬張り始めた。

 

「ギャアッ!!ギャアアアス!!!」

「よしよし、美味しいでしょう?」

「アギャス!!」

 

頭を撫でるラビとご機嫌に林檎を頬張るコライドン、それを見ているスグリとハルトは思わず吹き出してしまった。確かに駄犬と言いたくなる気持ちもわかる、愛嬌があり過ぎる。

 

「わやじゃ、可愛いんだねコライドン」

「だろ?それじゃあさ、スグリ看板までは折角だからコライドンに乗っていこうぜ」

「えっ、で、でも俺なんかが乗ったら迷惑に……」

「大丈夫だよ、3人乗りはやった事あるしスピード出さなきゃ安全だよ」

 

とハルトがジャンプをするとコライドンもそれに応じるように大ジャンプ、ハルトを背中で受け止めると見事に着地してみせた。その迫力は先程まで無我夢中で林檎を食べていたポケモンとは思えない程のギャップだった。そしてラビがその背中に乗るとスグリにも手を伸ばした。

 

「さあ行きましょうスグリさん、楽しいですよ」

「え、えっと……」

「行こうぜ、スグリ!!」

「う、うん!!」

 

ハルトの言葉に強く頷いて駆け出したスグリ、ハルトはその手を取ってコライドンの背中へと導いた。ハルト、スグリ、ラビと言った形でコライドンへと乗り込んだ。コライドンはそれを確認すると勢い良く駆けだしていった。風を切り、大地を力強く疾駆するその感触にスグリは笑顔を浮かべた。

 

「わやじゃ~!!凄いコライドン!!」

「まだまだコライドンが凄いのはこっからだ~!!ラビさん、俺とスグリを確りとサンドしてよ!!」

「やれやれお手柔らかにお願いしますよ!!」

「よしコライドン、滑空だ~!!」

「アギャアアッス!!」

「わやじゃ~!!?と、飛んだ~!!?」

 

 

「それでスグってば生意気なのよ、全く私の気も知らないでさ!!」

「ふ~んそうなんだ、私はハルトとは双子で殆ど同時に生まれたんだよね。数分私の方が早かったから私が姉になったけど私達からすれば姉と弟って感覚じゃなくて家族って括りかな」

「へ~双子って色々大変ね……んっ?」

 

アオイと共にミライドンの背に乗っているゼイユはアオイと様々な事を話していた、そんな時に不意に上を見た……空を飛ぶポケモンの背中にスグリを見た。

 

「ス、スグゥゥゥゥゥ!!!?あ、ああああアンタどうしてそんな事になってんの~!!?」

「あれコライドンだ、って事はハルトがスグリ君と仲良くなったんだなよかったよかった」

「ちょ、ちょっとアオイ直ぐに追いかけて!!?直ぐにやめさせなきゃ!!?」

「大丈夫だってあの位、コライドンだって落とすなんて馬鹿な真似しないだろうし」

「それでも!!」

「はいはい、ミライドン追いかけて!!」

「ギャッス!!」

「スグゥゥゥッ!!!」

 

「凄い凄い!!空飛んでる~!!」

「ならば私も……メガヤンマさん!!」

「ヤ"ァァァァァアア!!!」

「おおっ隣に⁉よ~し負けるなコライドン!!」

「アギャッス!!」

「いけいけ~!!」

 

 

「おっ!!シャッターチャンス、空飛ぶ少年とメガヤンマと空舞うラビ!!良い絵になるわね!!」

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