週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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PWCS:3位決定戦 サトシ VS ナンジャモ 4th

「ガバァ……」

「……キ、ブルルルゥゥゥッ……?」

 

『さあバトル開始から既に2分が経過しておりますが、いまだに互いに動きがありません、様子を伺っているのでしょうか』

『それはエレキブルだけでガブリアスは単純に呆けてるだけに見えるんだが……』

 

バトルが開始されて時間が立っているのも関らず全く互いに行動を起こさないガブリアスとエレキブル。互いにチャンピオンシロナの相棒、シンオウ最強のジムリーダーたるデンジの切り札とも言われるポケモンの対決に期待が掛けられていたのだが……結果として全く動きがない事になっており観客たちからも困惑の声が漏れ始めている。

 

「あのガブリアス、フカマルから進化しても全く変わらないんだな……本気で何を考えているのか皆目見当がつかん」

「あははは……フカマル時代からそうだったんだ……」

「う~ん、なんともミステリアス、ではなくヤドンのようなぼんやりとした、深い霧のようなテイストだね……」

 

タケシの言葉にアイリスが乾いた笑いを上げた、ラビに業を習った時にも顔を合わせたが、ドラゴンプリンセスをもってしてもマジで何を考えているのかを推察どころか予測すら出来ないのである。ガブリアスと言えばドラゴンタイプの中でもクールでカッコいい印象を多く抱かれているのだが……サトシのガブリアスはそれに真っ向から喧嘩を売るかのように、空を見ながら大口を開けている。

 

「う、う~ん……これは参ったぞぉ……(僕が一番苦手なタイプだぞこれ……)」

 

ナンジャモが得意とするのは高機動のスピードタイプ型、自分で高機動で相手を翻弄するのも逆に高機動な相手への対応も慣れているのだが……一番苦手なのが優れたスピードがある癖にそれを全く生かそうとせずに動かないタイプ。こういう場合にはカウンターを最も警戒しなければいけないので電気タイプの持ち味であるスピードが裏目に出る事の方が多い。

 

「ええいこうなったらしょうがない!!藪を突くよ素早く―――毒電波!!

ッキイイイイブルルルアラアアア!!!

 

毒電波が照射され、ガブリアスに直撃するのだが―――ガブリアスは未だに空を見上げて何のリアクションを見せる事がない。エレキブルも思わず驚いて毒電波を中断してしまった程である。怪電波と嫌な音のチューニングなので聞こえていればいやでも反応する筈……

 

「―――……ガバァ……」

『な、なんとガブリアス毒電波を意にも返しません!!?効いているのかいないのか全く判断が付きません!?ガブリアスって防音でしたっけ!?』

『い、いやサトシさんのガブリアスは少なくとも砂隠れな筈だ……』

「ガブリアス、お前寝てるのか?」

「ガブ?」

「あっ起きてるのか」

 

サトシの言葉には素直に受け答えするので寝てる訳でもない、何が起こっているのか。毒電波は怪電波と嫌な音か金属音の何れを混合させて放つ音技、例えどんなポケモンでも精神的なダメージを受けて能力変化が起きる筈なのに……ガブリアスは意にも返さない。

 

「―――駄目だ毒電波は効かない!!エレキブルこうなったら接近戦だよ!!電熱パンチを叩き込んで目を覚ませてあげな!!!」

「ッキイイイイブルルルアラアアア!!!!」

 

うおっしゃああああっ!!!と言わんばかりに駆け出して行くエレキブル。一歩一歩を踏み締めながら駆け抜けていくエレキブル、それはまるで武術の震脚のように地面を踏み抜く程の勢いで行われていき、遂に懐へと到達したエレキブルの電熱パンチがガブリアスを捉え―――

 

「キブラァァッ!!?」

「すり抜け―――違う影分身!?っエレキブル後ろ!!」

「ッキブ……!?ブウウラアアアッ!!!」

「―――……ガァバァァッ!!!

 

遂に巨竜が動いたと言わんばかりに刹那に影分身で残像を残すように背後に回り込んだガブリアス、それに一瞬で気付いたナンジャモが後方だと伝達すれば即座に切り返して電熱パンチを放つエレキブル、だがそれよりもずっと迅くにドラゴンクローがエレキブルへと叩きこまれる。

 

「キィブルルルッ……!!!」

「負けてられないね!!素早く―――岩雪崩!!力強く―――サイコキネシス!!!

キッルルルルル……ルルルルキブブブウウウウ!!!

 

勢いよく地面を踏み抜くと無数の瓦礫が舞い上がるが、そこへサイコパワーを纏わせると岩雪崩を数倍の速度で一気に打ち出していく。

 

「エレキブルってサイコキネシスを覚えるのか!?」

「ボクも最近知ったよ!!」

「すっごいコンボだ、だけど―――ガブリアス、流星群封じの応用行くぞ!!」

「―――ガアアバアアアアア!!!」

 

先程まであったのんびりさが一気に凶暴性へと化けたと言わんばかりにガブリアスが雄叫びを上げながらも駆け出して行く。駆け出して僅か数歩でトップスピードへと到達したのかソニックブームを生み出しながらも駆け抜けて此方へと向かって来る岩雪崩の一つを尻尾で打ち返した。それが他の岩へと直撃すると、一気に弾かれて他の岩へと激突し、それがまた弾かれて別の岩へとぶつかっていくのを繰り返して岩雪崩その物を完全に無力化させてしまった。

 

「このガブリアス、何なの!?」

「ガァバァァ……」

 

一転してドラゴンタイプらしい凶暴性を見せつけたと思ったら再びのんびりモードに入ってしまいボケ~……とし始めた。サトシの指示をちゃんと聞いて、精一杯頑張っていたヌメルゴンと比べて落差が激しすぎて付いて行けない……。

 

「いいぞガブリアス、そのままお前らしさ全開行こうぜ!!」

「―――ガバ?」

「ねえサトシさんそれ本当にガブリアス!?なんかラビ氏のヤドランと戦ってる気分なんだけど!?」

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