「―――……デッケェッ!!?」
「ゴ、ゴロ~……」
ナンジャモは思わずそんな声を上げてしまった。サトシが繰り出したのは液体金属の身体を持っている巨人、メルメタル。その巨大さにナンジャモも思わずビックリしてしまった。
『な、何だこのポケモンは!?え~とえ~っと……あっありました!!メルメタル!!サトシ選手がアローラ地方で使用しているポケモンだと記録があります!!現在はククイ博士の元で暮らしながら研究がされているそうですが……分かっていない事も多く未だ研究過程との事です!!あれ、ラバイさんどうしました?』
『いやどうせ兄さんなら何か知ってんじゃねぇのかなぁ……って』
『いや流石にククイ博士も知らないんですから』
『だよなぁ流石に無理だよなぁ!!』
『知ってるけど情報いる?』
『『知ってんのかい!!!?』』
「ラビ氏って本当に何なん?」
ナンジャモのその言葉に思わず観客は同意してしまった。本当にイラストレーターか……そんな言葉など意に返さずにスマホロトム越しではあるがラビの解説が始まった。
『メルメタル、元々はもっと小さいメルタンって言うポケモンの進化したポケモンだ。見た目の通りに液体金属の身体とナットみたいな頭と空洞に黒い目があるのが特徴だ。古い文献によると、約3000年前に磁鉄鉱が豊富な樹海の奥の集落で暮らしてたらしく、偶に身体から金属片が零れ落ちて、人間たちはそれを使って道具を作ってたらしい。鉄を生み出すポケモンとして神格化もされたらしい。ンで現代社会では極めて少数ではあるが都会なんかで目撃情報がある、そもそもメルタン自体が小さいからだろうなこれは』
『は~……それでどんな攻撃をしたりとかは?』
『液体金属ってのがヒント、んじゃ俺寝るから』
『寝るなぁ!!?』
『ギャグよ~ギャグだってば~(ブツッ!!)』
『い、言いたい事言い切って切りやがった……!!?』
兎も角、ラビのお陰で多少なりとも情報が開示されたメルメタル、一部博士は何故知ってんだ!?というのと絶対にラビが持ってる資料を暴いてやると決意する人もいる中でナンジャモは数少ないヒントからメルメタルについて考察する。
「(液体金属……ゲームとかだとそれを伸ばして攻撃したり、固めて防御したり攻撃したり……だよね、ってなるとあの巨体以上のリーチがあるって思った方がいいかもね……)」
「にしてもメルメタル本当におっきくなったな~」
「メェェゥッ」
かくいうサトシも今回PWCSで初投入となるメルメタル、アローラ地方のククイ博士の元にずっといたのだが……最近では島の整備工事や船からの積み下ろしを手伝っているらしく、そのお駄賃替わりに古くなって破棄しなくてはいけなくなったコンテナ、時には船の金属部分を食べていいと言われて、それを食している結果としてその身体が飛躍的に巨大化。元々は2.5m程度だった身体は4.7mにまで巨大化、体重に至っては2tを超えたとの事。ダイゴの食育ボスゴドラも吃驚な変化である。
『NEXT BATTLE メルメタル VS ゴローニャ!!3、2、1……BATTLE START!!』
「行くよゴローニャ!!デカさにビビるな、デカさは強さの究極じゃない!!素早く―――充電!!力強く―――圧し掛かり!!」
「ゴロッロンゴロロオンゴロオオオオンッ!!!」
「来るぞメルメタル!!思いっきり回転だ!!」
「メエルルルルルッ……!!!」
充電しながら頭上から降り注ぐゴローニャ、それに対して唯高速で回転し始めるメルメタル。エレキスキンによって電気タイプへと変換された圧し掛かりは充電によって威力を増して急降下、激しくぶつかり合うが、メルメタルは一瞬回転の軸をぶらすのだが、それ以上の事もなく、ゴローニャを弾き飛ばしてみせる。
「ゴロロロンッ……!!」
「素早く―――鉄壁!!力強く―――ダブルパンツァー!!」
「メルルルルルゥ……メァァアアッ!!!」
全身を硬質化させながらも高速回転し始めるメルメタル、その中で身体の液体金属の一部を腕へと集まると遠心力を使うように思いっきり腕が伸びた。しかも腕の先端には液体金属で作った金属の棘が見えている。
「いいいっマジでやって来たぁ!?素早く―――充電!!力強く―――雷パンチぃ!!!」
「ゴロロロンッゴロンニャアア!!!ゴ、ゴロッ!?ゴロオオオオッ!!!?」
「ゴローニャ!?」
充電からの雷パンチで棘付きの鉄拳を迎撃するのだが、そのパワーは遠心力だけではない。メルメタルの体重から繰り出される超ヘビー級のパンチにゴローニャは押される。が、最大の問題は意図的に左右のパンチのスピードが異なっており、片方を受け止めた直後にもう一撃が飛来してゴローニャをぶっ飛ばした事だった。
「これ、連続攻撃系!?なんてパワー!!?」
「隙を与えるな!!ラスターカノン!!」
「ゥゥゥゥッメェル!!メエエルッ!!!」
そのまま動く事もなく、頭部からラスターカノンを連射してゴローニャに的確にダメージを与えて来るメルメタル。ゴローニャも咄嗟に鉄壁で防御を固めている、充電で特防も上がっているとはいえダメージは確実に蓄積していく。
「(これが基本なんだ、遠距離にはダブルパンツァー、そしてあの連射の利くラスターカノンで隙なんかを潰してるんだ……!!重量級ポケモンの理想的な立ち回り……だね)」
即座にナンジャモはこれがメルメタルの基本的な立ち回りである事に気づいたのだが……これは思っていた以上に厄介なバトルスタイルだ、兎に角ゴローニャは懐に飛び込まなければならないのだが、接近を阻むダブルパンツァーと隙潰しのラスターカノン、そして飛び込めたとしてもダブルパンツァーの予備動作である回転で防御もこなす。
「ゴローニャ、まだいける!?」
「ロロロオゴオオオオゥッ!!!」
「よしいい子だ!!」
まだまだやれるぞ!!とやる気を出すゴローニャに感謝しつつも、メルメタルが想像以上の不落要塞であることを理解する。
「さあまだまだ上げてくぜ!!素早く―――鉄壁!!力強く―――ダブルパンツァー!!」
「うげまだ来る!?避けてゴローニャ!!」
再び飛来する拳、それを回避するのだが……今度は飛んで来るのが一発だけ、二発目は!?と思った直後にまるでアームハンマーのように振り下ろしの二発目が飛んできた。しかも今度は拳部分が棘付きの鉄球と化している、ゴローニャはそれに驚きながらも棘付き鉄球を―――
「ゴロロオォオオオオオオッ……!!!!」
「おおっよく止めたね今の!?」
「ゴロオオオンッ!!!(俺もそう思った!!!)」
何とか受け止める事に成功、メルメタルはそれを戻そうと引き戻すのだが……
「逃がすなゴローニャ!!案内してもらうよ、君自身にね!!!」
「ゴロオオオオッ!!」
「メルタァッ!!?」
「ラスターカノン!!!」
棘付き鉄球に捕まりながらも勢いよく迫ってくるゴローニャ、驚きながらもラスターカノンを連射してゴローニャを落とそうとするのだが、ゴローニャはその腕の上へと飛び乗るとその上を高速で転がってメルメタルの懐へと飛び込んでいく。
「回転の隙を与えるな!素早く―――充電!!力強く――圧し掛かり!!!」
「ゴオオオオニャアアアア!!!!」
「メエエルルルルッ!!!?」
「やるな、ゴローニャ!!!だけど、回転だメルメタル!!!」
「メルルルルッ!!!」
まだまだ健在だと言わんばかりに回転し始めるメルメタルにゴローニャは後ろに跳んで僅かに距離を取る。
「素早く―――充電!!力強く―――エレキフィールド!!」
「素早く―――ラスターカノン!!力強く―――DDラリアット!!!」
「ゴオオオロオオオオオオンッ!!!!」「メエエエエルルルルルッ!!!!」