「ゴ、ロオオオオッ……!!」「メ、タァァッ……」
互いが互いに後退のねじを外していると言わんばかりの激闘が続くメルメタル対ゴローニャのバトル、ともに重量級故に一撃一撃が一撃必殺だと言わんばかりのそれの応酬が続いている。
「ダブルパンツァー!!!」
「ジャイロボールから繋げて雷パンチ!!!」
メルメタルの主力技であるダブルパンツァー、それを連発するサトシ。それは単純に威力が高い上に連続技であるからだけではないとナンジャモも見抜いている。きっと何か効果がある、だからこそこれ以上喰らう訳にもいかない。回転に雷パンチを加えた攻撃はダブルパンツァーを見事に弾いて見せる。その瞬間、身体ががら空きになる。
「そこだぁっ打ち出せぇ!!」
「ゴオオオオオオオロオンッ!!!!」
「メメメルタァッ!!?」
雷パンチで維持していた電力を、殴りつける勢いで放出してメルメタルへとぶつけてみせる。威力も効力も落ちるが速射性と命中精度に優れる電磁砲改である。メルメタルはそれを受けて身体を痺れさせて動きが著しく鈍る、連続で放てるので麻痺にある効果が落ちたとしても数で補う事も出来るというメリットも生まれている。
「ダブルパンツァー!!!」
「メ、ルルルタァ……!!!?」
「ダメだ痺れてる!!」
「(もうこれ以上ゴローニャに無理をさせたら後がきつ過ぎる!!ここで切るしかない、やるしかない、ここで、仕留めてみせる!!!)素早く―――充電!!力強く―――充電!!!」
「ッ!!ゴロンッ!!ゴンンロォォォォォッッッッ!!!」
『ここでナンジャモ選手、早業と力業で充電を重ねます!!これはまさか、ダイゴ選手とのバトルで使ったあの大技の予兆なのか!!?』
あの一撃が来る、ダイゴの切り札であるメガメタグロスを真正面からブチ抜いてしまう程の一撃が、メルメタルを戻すべきか、とも思うが此方を向いたメルメタルが笑って見せた。そして
「メルルウタタンタタアアアアッ!!!!」
『な、なんとメルメタル自力で麻痺を吹き飛ばしたぁ!!?』
『今大会でちょくちょく見ますけどどういう原理ぃ!!?』
「やる気満々だなメルメタル!!だったら真正面から受けて立ってやろうじぜ!!」
「メエエルルッルルウッ!!!!」
「だったら俺達も応えてやろうぜ!!!」
そう叫びながらもサトシは己がZリングを出そうと思ったその時だった、逆の腕に付けているダイマックスバンドが強い輝きを放ち始めたのだ。強く、大きく、奥底から溢れ出してくるようなその鼓動に思わず笑ってしまった。
「メルメタル!!やってみるか、初めてのダイマックスだ!!」
「メルルッルルッ!!!」
「よおしやる気満々だな!!」
そう言いながらもサトシはボールにメルメタルを戻すとダイマックスバンドからダイマックスエネルギーが注ぎこまれてボールが一気に巨大化していく。その光景に実況は引っ繰り返りそうになった。
『な、なななななんっ何とぉォォッ!!?サトシ選手もダイマックスかぁぁぁ!!?どうなってんだよパルデア地方は!!?いいやそんな事はどうでもいいんだ、本来みられないと思っていた物を見られるなんて幸せがあるのだから喜ぶべきでしょう!!さあ見せてくれその雄々しい姿を!!!』
「デッカく行こうぜ!!ダイマックス、だぁぁぁっ!!!」
「メエエエルゥゥゥウゥゥッッ!!!!」
ボールから飛び出したメルメタル、そこにはダイマックスメルメタル―――とは思えぬような変化がそこにあった。下半身の液体金属の大半が上半身へと集中しているのか、身体の中心には穴が開き、下半身はスリムになりながらも両肩と両拳部分が重厚且つ力強くなっている。姿が驚くほど変化している、これはダイマックスなどではなく―――
「ダイマックスじゃない、キョダイマックスメルメタルだああああ!!!!」
「メエエエエルゥゥゥウッ!!!!」
サトシも初めてメルメタルをダイマックスさせたので、メルメタル自身がキョダイマックス可能な個体だという事に初めて気づいた。その圧倒的な大きさと迫力から来る威圧感にナンジャモは……震えながらも抑え切れない高揚感でハイになっていた。
「……ハッ、ハハッ……アハハハハハハハハハッ!!!全く以て盛り上げ上手で困るなぁサトシさんは!!!こうなったらボク達だって限界を超えるしかないじゃねぇゴローニャぁ!!!」
「ゴオオンロオオオオオッ!!!」
まだまだ実践投入は出来る訳が無い、成功確率だって低い、それだったらまだ常用出来るまでに慣れている此方を使うべきというのは分かるけど……こんなドキドキワクワクな場面で冒険しないなんて有り得ないじゃないか!!それに乗ってくれるゴローニャに感謝、そして―――いつも練習に付き合ってくれる愛しい人に最大の愛と感謝を。
「メルメタル、お前の最強の一撃を放つぞ!!」
「メエエエエルゥゥゥウッ……!!」
その言葉の直後、メルメタルの全身の液体金属が激しい音を立て始めた。それはサトシにとっては聞き慣れた電流が流れる音。全身を電気が駆け抜け、それが腹部の穴へと収束していく。そのエネルギーの矛先はゴローニャ唯一つ、そのゴローニャは限界を超えるエネルギーを更に蓄電し、その砲口を最早狙う必要性すらない巨大な鉄の巨人へと向ける。
「さあブチかますぞ!!これがボクらの究極ロマン砲!!猛々しく行こうじゃないか!!ハイパー超電磁砲―――発射ぁぁぁぁ!!!」
「ゴロロロロロオオオオオオンンヤァ!!!」
「迎え撃てメルメタル!!!お前の全力を見せてやるんだ!!!アローラ流の全力!!!いっけええええええ!!!!」
「メエエメエエエエエエエッ……タアアアアアアアッ!!!!」
電流の音が限界を迎え、遂に放たれた両者の一撃。純白の光を纏った必殺の超電磁砲、蒼穹のような青さを纏った光線、それらが真っ向からぶつかり合う。両者の意地と意地がぶつかり合う、全力の果て、限界すら超えてしまったその一撃の勝者を決めるのは、難しいと思えた筈だった。だが―――
「ゴオオオオロオオオオオ!!!!」
ゴローニャには誰にも負けない思いがこの技にあった。ナンジャモとレベが共に試行錯誤をして、自分がそれを実践し、一つ一つの工程を洗い出した上で調整を施し、強化し、調整を繰り返し続けた一撃は……誰にも負けない自信がある。メルメタルの一撃を押し返し、遂にはメルメタルへと直撃した。
「メルメタル!!」
「メエ、メエエメエエエルゥゥゥッ……!!!?」
キョダイマックスしたメルメタルだろうが、貫かんとした一撃。巨大化した身体が揺れて、崩れ落ちようとするのを液体金属を移動させ、下半身を大きくする事でバランスを取った。それを見たゴローニャはお前を上回ってやったぞ……と言わんばかりに笑ってから、倒れ込んでしまった。
「ゴ、ロォォ……」
『ゴローニャ、戦闘不能!!メルメタルの勝ち!!!』
『メルメタルあの一撃を耐え切りました!!これこそがダイマックスの恐ろしい所と申し上げますか、通常時に比べて体力は2倍以上になっているという話もあります。そのタフネスさでなんとか耐え切ったというべきでしょうか!!!』
実際その通りだ、ダイマックスせずにぶつかっていたら確実にメルメタルは持っていかれていた。それどころか、キョダイマックスが解除されてから攻撃を受けただけで倒れそうな程に消耗している、初のキョダイマックスもあってメルメタルには相当な負荷が掛かっている。
「有難うゴローニャ!!最高の一撃だったよ、成功もさせて……本当に凄い子だ」
これでナンジャモのポケモンはラストワン、遂に崖っぷちにまで来てしまったが……ナンジャモは笑っていた。まだまだ終わっていない、これからもバトルなんだ。まだ祭りは終わっていない!!
「最後まで楽しむよ、お祭り騒ぎは騒がなきゃ損だからね!!!行くよ、負けないよ、勝つよ!!!GO!!!ハラバリー!!!」
「バアアアリィィィィッ!!!」
キョダイマックスメルメタルの必殺技は体内の液体金属を流動させることで、強い電気エネルギーを発生させることが出来、このエネルギーを集めた『荷電粒子砲』である。
???
荷電粒子砲……?バーサークフューラーか何かで?
尚、サトシのメルメタルは初キョダイマックスだったのである種荷電粒子砲を全力発射出来ていない。出来ていた場合?丘陵を蒸発させるほど強力、らしいっすよ。