「おまた~」
「あれ、ラビ氏どっか行ってたの?お手洗い?」
「そんな所」
サトシとのバトルが終わったナンジャモはラビの控室へと戻って来た思いっきり負けた!!と清々しさすら感じさせる顔をしていた。
「う~んやっぱり強かったねぇ……というか割とサトシさん電気タイプ対策バッチリだったね」
「ヌメルゴンにフシギダネにガブリアスにメルメタルにアーゴヨン、そして推定ラストがピカチュウ……対電気に振り分けてる感凄いね」
「相当、ラビの自分対策が効いたんじゃねぇか?サトシはサトシで結構ポケモンの意志を尊重しすぎるのと新メンバーを基本的に入れる癖があるからな、だからこそタイプバランスは御座なりになってる事が大半だが、今回はかなりガッツリ対策して来たな。それであれだけの戦果を出せたんだ上等すぎるってもんだろ」
今回の事でジムリーダーとしては破格の実力を示した事にもなる、PWCSはこれまでマスターズエイトという枠組みで試合をしてきたが、その中ではキバナがベスト4に入る事だってある、だが今回はそれの4倍の規模で更に厳しい戦いを勝ち抜いたという事になる。故にナンジャモは世界で最も強いジムリーダーという評価をその手に掴んだという事になる。
しかも、自身への対策を積んできたラビとのバトルを経て十分な対策をして来るという事の意味を再認識したうえで編成を考えたサトシのポケモンを4体も倒したという事も十分すぎる快挙。
「相当効いたんだろうね、お兄ちゃんのが」
「普段サトシさんって寧ろ逆境に自分から向かっていくってタイプなのに、今回ガチガチだったもんね……」
「???あの程度ガチガチじゃなくね?ガチガチだったらメルメタル入れずにワルビアルだろ、遂にで言うとピカチュウじゃなくてドンファンが欲しい所だ」
「真顔で言うラビ氏が怖いよ」
この辺りはもう職業病というか、勘弁してくれと言いたい。癖みたいなもんなのだ。
「にしても、いよいよね、決勝戦」
「30分後って今までがあり得ない位超ハイスピードだよね」
そう、いよいよラビの決勝戦が迫っている。フィールドはテレポートの結晶を用いた転移で入れ替えてその後は簡単な点検をするのでこの程度の時間ですんでいる、らしいが、実際は10分程度で完了するのだが……フィールド上で荷電粒子砲やらがぶっ放された事で特設艦の電装系のチェックも入っている。こういう事を専門に行っている会社のポリゴン2部隊総勢50匹がそのチェックと必要であれば修復なども同時並行で行うとの事。
「荷電粒子砲って……完全にSFアニメとかの世界じゃない……レベ、貴方そういうの好きで見てなかったかしら?」
「超カッコいいよね!!?サイン貰ってもいいのかなメルメタルの!!?」
「まさかのメルメタルのサイン……仮にも恋人を破った相手なんだけど」
「えっ何、じゃあナンジャモさんをベットの上に押し倒せば貰ってきても良いんですか?」
「もうちょっとこうさぁ、場をさぁ!!!?」
顔を真っ赤にするナンジャモだが、それに対してレベは完全な素面。レベにもこういう一面があったのかと周囲は思っている中でラビはそう言えばレベはロマン大好きっ子だからか、ロボット系も大好きだったなぁ……と思い出す。ポケモン勇者シリーズも大好きだった筈。好きな物が絡むとそいう事も言えるのか……。
「まあ兎も角俺が一番ビビったのは、UBをこういう場で出す事だ……つってもあの人はそういう事あんまり気にしないだろうし、馬鹿共が集まった所で慣れてるだろうしなぁ……あれは捕まえたくても捕まえられるような存在じゃないし」
「あ~やっぱそうなのか?」
「意図的にウルトラホールを作り出せる奴がいねぇとまず無理だ」
アーゴヨンをゲットしたいと思ってもウルトラホールを開けなければまず無理、そうなるとサトシから奪うしかないのだが……そんな事が出来る訳もない、出来たとしても一時的に引きはがすのが精々だろうし、サトシはサトシでそれをされ慣れているから対応も完璧……こう思うとあの三人組は色んな意味でやべぇのではなかろうか。
「マッシブーンも同じUBって奴なんだろ?なんか共通点とかあるのか?」
「姿も生態も全く異なってる、ぶっちゃけ特性ぐらいしかねぇな……あるだけでも凄い事なんだが……詳しく知りたきゃエーテル財団にいる40越えとは思えない人妻に尋ねりゃいいさ」
「なんだその超含みがある言い方、つうかそれってもしかしてあのルザミーネ代表の事か?」
「そう、俺をガーディアン特別隊員になる切っ掛けになった人」
アローラを旅している時、ラビはジャラランガへと襲い掛かっているUBを確認して戦闘に入った。その時にウルトラガーディアンがやって来たのだが……結局彼らが対処するよりも先にそのUBを倒して鎮静化に成功し、一緒に食事をとっていると当時のガーディアン達がなんでだよ!!?ってツッコんで来たのとよく覚えている。
『ラビさん、ガーディアンの特別隊員になりません?』
『……ええっ……やだなぁそのコスチューム着るとか……いい歳してそう言う恰好はコスプレ以外でしたくない』
『やめろ!!25でこれ着てる俺がバカみたいじゃねぇか!!?着たくねぇけど安全性の観点でこれ着るのが最適解なんだよ!!本当は着たくねぇよこんなの!!!?』
『んじゃ更に俺が着たら更にバカみたいじゃん、俺アンタより年上ぞ』
『『『『『―――うっそぉぉっ!!?』』』』』
『ラビさん貴方、まさかウツロイドと既に接触を!?』
『人を化物みたく言わんで貰えます?』
悪かったな、ウツロイドに接触するまでもなく幼い見た目で……結局着る羽目にはなったが、その上から更に上着を羽織る事で渋々了承したが、腹いせに了解を意味するウルトラジャーは意地でも言わず、イエスマムとイエッサー、それかラーサで押し通した。そのせいかルザミーネは若干不満げだった。
「今思うとなんか腹立って来たな……」
「ま、まあまあラビ、もう直ぐ決勝戦なんだから落ち着いて……」